そうしてまた朝が来る
「ぎゃああああああああ!!!」
何かの気配を感じ振り返った僕の前には、なんと、僕らが想像していたのと全く同じ姿をしたドラキュラさんが立っていたのだ。
あの子の言っていたことは本当だったのか。僕の悲鳴にみんなが振り返る。
「探したぞ、シシィ!」
見た目とは全く想像できない優しい声だった。いや、しかし安心できない。このおっさんは口から血を流していた。
「はい、チーズ!」
まぶしいフラッシュが、僕とドラキュラのおっさんを襲う。
洋ちゃんの仕業だ。抜け目のない奴だ、最初の目的をしっかり覚えていたのか。でもどうする、ドラキュラの怒りを買わなきゃいいが……
「さぁ、帰ろう!」
こいつは僕らが見えてないのか? フラッシュにすら気づかなかったとか?
「じゃあね、みんな。楽しかった」
僕が悲鳴をあげてから今まで約1分。実にあっけなく、ドラキュラ親子は教会に戻っていった。
「じゃ、俺たちも帰るか」
先ほどカメラに使った携帯で、洋ちゃんは家に電話をかける。
「母さんが、みんなも家まで送ってくれるって」
こうして、僕らは実に何事もなかったかのように“肝試し”を終えた。




