三途の川を渡ってはいけません‼
何処だろう、ここは?
白いもやがかかっている。
キョロキョロと辺りを見回す。
すると、向こうから小さなボートいや、渡し船に乗ったおじさんがやって来た。
「youはこの船に乗って〜」
「何ですか?これ。というかあなた誰です?」
「話はあとあと、さあ乗って」
俺はおじさんに言われるままその船に乗った。
「それで、何なんですか?」
「これは三途の川の渡し船だよ。youを転生させるためのね」
「ちょっと待って、俺死んだんですか⁈」
「そう、ちなみにyouは綿菓子の棒が喉に詰まって死亡となっているよ」
「戻って戻って。俺まだ死にたくないから!」
「全速前進」
「やめて!」
◇ ◇ ◇
「ほい、着いたよ」
結局戻ってくれなかった。
これからどうすりゃいいんだろう?
おじさんはその辺にいる『鬼』に聞けばいいつってたけど。
「よう」
まさか、今のが『鬼』?
「俺は鬼だ、この先どうすればいいかくらいは教えてやる」
『鬼』は思っていたよりも小さくて可愛かった。
「お前はこの地にいる『神』を倒せ」
「はい?『神』って普通味方じゃないですか。何故倒すんですか?」
「今の神は遊んでばかりで少しも仕事をしない。その上人に罰を与えて遊ぶようなやつだ。あんな神は倒した方がいい」
非道い神様だな。
「でも俺何も持って無いけど」
「だろうな、だから神を倒す剣『鬼剣』をやる」
「きけん?」
「ああ、危険な剣だから気をつけろ」
ダジャレか!
◇ ◇ ◇
ある大変なことに俺が気付いたのは、鬼と別れてから三十分ほど経った頃だった。
ヤバイ、俺剣なんて使ったことねえ!
それに気付いた時にはもう手遅れだ。
なぜなら、気付いたのは『神』(下っ端のようだが)との戦いが始まってからだったためだ。
マジでどう扱えばいのかわからない。
考えているうちに、相手が攻撃してきた。
『金山毘古神』の攻撃
包丁持って突っ込んでくるな!
ドンッ
5ダメージ
実況中継いらないから!
つうかこれ本気で痛い。
「てめえにもやってやる」
俺は剣をてきとうに振り回しながら『かなやまびこしん』(さっきの実況で言っていた)に突っ込んでいった。
「おりゃー」
みごとに命中した。
『金山毘古神』は倒れた!
「よっしゃ、倒した」
俺が喜んでいると『かなやまびこしん』がこっちへ来た。
念のため身構えたが、その必要はなかった。
「私を仲間にしてくださいませんか?」
そう言ってペコペコ頭を下げる。
(多分強いであろう)『神』と戦うなら人数が多い方がいいな。
「いいよ」
「ありがとうございます」
地味にかわいいな、こいつ
「よし、『神』を絶対に倒してやる!」
『神』退治の旅はまだ、始まったばかり。