LUMP
「おい...ここどこだよ!!!」
「うるさいなぁ...カリカリしないの!めっ!」ペチンッ
おれとマリアを乗せた船は完全に行き場を失っていた。
コウレイ「周りになんもねぇー。死ぬわ本当に。」
マリア「きびだんごあるじゃん♪食べよー....!ない!」
コウレイ「お前食べ過ぎだよ!ふざけんなよー!だから連れて来たくなかったんだよ」
マリア「むぅ!なによ!人に当たって。もういいもーん!」
コウレイ「でた、マリアお得意の拗ね。これだからお子ちゃまなんだよなー。
あ!島だ!おいマリア島だぞ!」
マリア「ふぅーん。」
コウレイ「拗ねんなよ〜」
マリアは島についても話さなかった。
島の海岸には猿が大勢いて人は全くいなかった
コウレイ「何もないなこの島。街とかあると思った?てかなんでこんな海岸に猿いんの」
マリア「海岸沿いに街があるわけないじゃん。もっと進まないとわかんないよ。猿なんでいるんだろね。ぷんぷん」
コウレイ「はいはい」
ガサガサッ
コウレイ「ん?なんか音した」
マリア「気のせいでしょ。コウレイは高齢だから耳おかしいんだよ」
コウレイ「なんか言ってる」
?「おいお前ら、外の者か」
コウレイ「あ?」
コウレイが振り返るとそこには大柄な男が立っていた。肩には大剣を背負い、こちらを鋭い目で見ている
マリア「私旅行に来たのー!あ、コウレイは人探しと鬼退治!」
?「鬼退治とは思い切った嘘を..お前らも我らが王の王器目的か」
コウレイ「え!王器持ってるやついんの!?すげーすげー!ならあんたが言った通り、その王器を神とやらから奪っちゃおっかなー」
コウレイが冗談まじりに言うと大柄な男は刀を抜き、コウレイすれすれに刀を振り下ろした。
?「なめるなよガキが、我らが王は王器の力で新しい国を作ろうとしている。邪魔させるものか!お前は『俺たち』の殲滅対象だ」
ガサッガサッガサッガサッ
大柄の男がそう言うと、大勢の猿達が人間の姿に変わり全員が刀を持っていた。
?「我らは我が王、猿神様から力を授かった眷属達。たかが人間に、王の命を奪わせるわけにはいかない!」
マリア「どうするのー?ももちゃん。私も参加する?」
コウレイ「いや、女のお前の力を借りるわけにはいかない。隙を見て逃げてくれ。猿の数は40人ほど。勝てる保証はない。だからお前だけでも逃げろ」
マリア「ももちゃん。ここで死んだらダメだからね。私ももちゃんのこと信じてるから!」そう言うとマリアは猿達と反対方向に走り去っていった。
?「逃すなぁ!あの女を...ぐぁ!」
コウレイ「おい、お前らの相手はおれだろ。かかってこい」
コウレイ(信じてる...か)
ズキッ
その時コウレイの頭に激痛が走った。
コウレイ「うっ、こんな時になんだよ」
?「なんだ貴様、さっきの威勢はどうした。俺たちを倒し、王から王器を奪うんだろ!おらぁ!」
ゴツっ
コウレイ「うっ!くそ!」
コウレイは刀を抜き猿に立ち向かっていった。竜馬に習った剣術で一人一人倒していった。だが、殺しはしなかった
竜馬「コウレイ。旅の中で鬼以外の敵が現れるかもしれない。だが旅の本質を忘れてはいけないよ。お前は鬼を退治するのが目的なんだ。鬼以外は殺すな。ここに誓え」
コウレイは竜馬から言われたことを守った。
?「待て!」
猿達の半分を倒したところで誰かが叫んだ。
振り向くとマリアが捕まっていた。
?「こいつの命が惜しければ、剣を捨て跪け」
コウレイ「マリア...」
マリア「ごめんももちゃん...捕まっちゃった。私のことはいいから戦って!」
コウレイは剣を捨て跪いた。
ゴツっ
コウレイ「ぐうっ!!」
そこで意識を失った。
夢を見た。
遠い過去の夢 。
「お母さま!折り紙上手にできました!これをお父様にあげたいと思います!」
「偉いわねコウレイ。あの人もきっと喜ぶわ」
「お母様。なんでお父様は忙しいのですか?ちっとも遊べません」
「仕方ないわよ。あの人はね..〜〜〜〜だから」
?「おい!起きろ!」
コウレイが目を覚ますと牢屋の中にいた。
?「今から王によりお前の処分がきまる」
続く