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はじまりはじまり
発の作品です。どうぞ楽しんでいただけたらなと思います。
― 力が芽生えてきたのは9歳の頃だった -
扉の前で服の裾をギュッとつかんで、
頭に響くやつの声に耳を背けようと必死にもがいていた。
「・・・・・・たくない・・・・やめて・・聞きたくない」
耳を手で覆っても、頭をこぶしでつついても、
やつの声は響くのをやめない。
アノコサエ イナケレバ
―――――――― 第一章:はじまりはじまり ――――――――――
今日はきっと大丈夫。昨日みたいになるわけない。
頼まれていたカレーパンはきちんと買ってきたし、宿題だってちゃんと6人分やってきた。
これ以上・・・お母さんを心配させるわけにはいかない。
「大丈夫・・・きっと・・・。」
そう自分に言い聞かせて、ポケットに入れた十字のネックレスを握りしめた。
よし行こう。
ガラガラガラ・・・・・
教室のドアを恐る恐る開けると無数の目が一斉に僕を刺した。
「おは・・・よう。」
もちろん返答なんてない。
ここまで読んでいただきどうもありがとうございます。
この次の作品もしっかり連載していきますのでどうぞ
よんでいただければ嬉しいです。