プロローグ,闇の中で
このページに来てくださり、ありがとうございます(><)初めて投稿するのでまだまだ至らないところはありますが、なにとぞお手柔らかに…。
海に浮かぶ巨大な島。その名を“シーラカンス島”
人口約一億のその島には、とある盗賊団が存在する。
今最も世間を騒がせていると言っても過言ではない、彼らの名前は…。
不気味な程深い霧が街を覆う、月の無い夜。
道に一定間隔で点在する街灯は、白い靄の中でぼんやりと光っていた。
すっかり喧騒が消え去った繁華街。静かな住宅街。深夜二時過ぎ。
そんな中、ある一軒の家の屋根に座り込んでいる二人の人間がいた。
「さぁて、目指すお宅はっと…」
「おい、地図が逆さまだよ。どっちに行くつもりなんだ?」
なぜかうれしそうに地図をひらく少年。後頭部で無造作に結んだ緑髪は、ほどくと肩まで届きそうだ。同系色の瞳には、自信と好奇心が満ち溢れている。顔立ちは一見すると女のように美しく精悍で、鋭さがある。
そしてその隣。ふとすれば、夜の中にまぎれてしまいそうな藍色の髪。やや穏やかで、優しそうな雰囲気を持つ茶色の瞳の少年。
この二人、見た目も性格もまったくの正反対。
「なあアイオン、今日の目的地はこの家だっけ?てか、依頼人の名前ってなんだっけ?」
緑髪の少年が、罰の悪そうな苦笑いをしながら彼を見た。
「あのなぁ〜…お前、エリザの話全然聴いてなかっただろ?」
「だってさ、先月以来の仕事だからうれしくなっちまって」
しょうがないな、とアイオンは言って、改めて彼に説明することにした。
今回の仕事「二色の原石略奪実行計画」についての手筈を。