ブルドッグ
僕は、倒れていた。女性が大きく手を広げる。さっきまで僕がしていたように、怪物の前で、ブルドッグは、何も無かったように、動きを止める。何で、倒れたの、この人と女性が呟く。少しして僕は目を覚ます。僕はいつもの事なので、ゆっくりと起き上がって状況を確認する。取り敢えず吐く。そして、どれくらい倒れていたか、女性に尋ねる。数秒よ。と女性が答える。僕は状況も相まって、ほっとする。貴方大丈夫なの?。はい。いつもの事なので。それよりよかった。上手くいったんですね。意味がわからないという表情を女性がする。そうね、これからどうするの?僕はまた、大きく手を広げて、二手に分かれましょう。貴方と僕が怪物の盾になって後ろのみんなと横に動きましょう。分かったわ。それから慎重に後ろの人達が攻撃対象にならないようにゆっくりと、移動する。これなら、射程内に入らない。怪物は。僕と彼女を交互に見る。それを合図に武装した隊が突撃する沢山の銃声がする。怪物に当たって怪物が倒れる。そこから隊が誘導をして後ろの皆んなが出口に走る。これで追い込まれたのは怪物の方だ。でも、まだ死んで無い。怪物は唸りをあげて。
僕たちは外に出るプロの人が怪物を倒す事を願って。僕は要約、肩の荷を下ろす。でも目の前には建物の中よりも多くの死体がある。覚悟してたけど、無理だ。僕はまた吐く。思ってた以上に体が限界みたいだ。これからどうしよう。辺りを見渡して。落ちてる銃に気付く。何か引っかかる。何かおかしい。今、一番最悪なことは。怪物との戦闘で隊が全滅して、怪物がまた出てくる事、でもこれ以上、怪我人もいる中、どれだけ逃げる事が出来る。いや大丈夫なはず、あれだけ銃を受けたらいくらなんでも、弱くなるはず。だからなんだ、だとしたら何で、怪物は建物に入って来た時怪我して無かったんだ。これだけの人を殺しておいて自分は一度も反撃を受けなかった。そんな事あるか?怪物が入ってくる前銃声はあったか?分からない。聞こえたような、そうだ、俺は一つずつ銃に触る。確か撃った後、熱くなる筈。熱いよなこれ。うーん顔を歪ませる。ま、大丈夫だろ。頭がパンクした。そんな時も建物の方から銃声が聞こえていた。それが少しずつ量が少なくなっていく。どんだけ強いんだよ。あのブルドッグ。これはあれだな、銃が効かないとかだな。いや効いてるのかもしれないけど。小さいみたいな感じ。大砲でも必要なのかな。熊ってそんな強かったっけ。いや熊じゃ無いもんな。はぁー、もう、なんかどうしようも無いな。それから静かになる。当たり前かの様に怪物が出てくる。何か血のような、暗い色の液体を流している。外に出た皆んなも怪物が出てきたことに気づく。でも誰も逃げない。みんな諦めたみたいだ。僕も同じ。でも1人だけ声を出して皆んなに呼びかける。その声が夜に溶ける。僕は、いや皆んなもだけど。今日何度駄目だと思っただろう。その度に何とかしてきた。そして、ようやく終わるはずだったのに。隊がやられたなら。もう誰もあいつを倒せない。僕は普通の人だから。と、その時物凄く眩い光が空から降る。怪物の動きが止まる。人の影が薄っすら見える。一体何が起きたのか。僕たちは、次の瞬間、意識を落とす。
次に目を覚ました時もう辺りはすっかり明るくなっていて。でも、また知らない建物の中の様で窓から外を見る。森の中、畑や川がある。更に辺りを見渡すと、皆んながいる、あの女性もいる。生きていた。時間を確認する昼の12時過ぎ。ここは何処なんだろう。みんながいるって事は?また、1人の男性が近づいてくる。今度は、背は高いけどマッチョじゃない。白衣みたいなのを着ている。メガネもかけてるかも知れない。記憶が曖昧だ。おや、目が覚めましたか。僕は、はい。とだけ答える。もう疲れた。これ以上は何もしたくない。質問はありますか?、無いです。とまた答える。そうですか。他の方は色々聞いてきましたよ。まあ、私も本職では無いので助かりますが。そういて僕の顔を見て去っていった。少し不気味な目をしている。多分こいつが今回の元凶だろうと思案する。本職じゃないだと、白衣を着ていたから研究職だろうか。何か新しいウイルスでも作り出したのか。といけない。もう何もしたくないんだった。はー。それから特に何もない時間が過ぎた。周りの人も話したりはしてなかった。僕らは体を休めるのに専念した。夕方くらいになって、1人の男性の少しだけ大きな声が聞こえて来る。聞いた事がある声だ。と無意識に思う。あいつらは何なんだお前らは何を知っている。何をしてるんだ。答えないつもりか?俺の仲間が何人死んだと思ってるんだ。ふざけるなよ。何のことですか?惚けるな。あー知りませんよ、あなた方の力不足では?男性が激昂する、すると沢山の白衣の人達が男性を取り囲む。直接は見てないけど多分そんな感じ。しばらくして声が聞こえなくなる。何だったんだろう。案外僕の考えは合っていたのかな。