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オーズキング  作者: とい
3/13

分岐

今は何時だろうと思い。スマホを見ると、まだ11時。いつもなら寝ていてもおかしくない時間。明日も早い。でも今日は色んなことがあって眠くなかった。もしかしたらという不安感も拭えなかった。僕はそのまま起きとく事にした。耳をすませば、いや、耳をすませなくとも、話し声が色んな所から聞こえてくる。因みに隣ではさっきの男が僕に、テンション高く話しかけている。元々話す事は苦手なので、いつもの様に無視していた。その間も、次々に怪我人が運ばれて来ていた。僕は少し時間が経って冷めた気持ちになっていた。といっても特にすることも無かった。したい事で言えば、外の様子を見るくらい。でも、わざわざ危険にあいたい訳もなく、見たところで、外は真っ暗だろう。


別視点。同時刻。武装をした人達が隊列を組んで歩く。救助と化け物に遭遇すれば駆除を目的に。その指揮を取るのはガタイの良い男性と言ってもその他の人達もガタイは良い。聞き込みを元に作戦をたて。いつ怪物に遭ってもいいように。慎重に足を進める。その時、大型犬に遭遇。犬は人がいると分かると、直ぐに襲いかかってきた。隊は銃を発砲。そして、呆気なく駆除に成功。残りは、2匹。隊の中に怪我人は居ない。

少しして、僕のいる場所にも大型犬を駆除した事が語られた。それによって、大型犬に襲われた人達は、それぞれ、思いを馳せた。より、安心という空気が流れた。


少しして、近くで物凄い音が聞こえて来た。何かが壊されたような突破された様な音だった。その音が近づいてきて。何か、巨大な生き物の足音がした。人々は、パニックになった。動けないものは、その場にとどまるしかない。僕自身何処に行けばいいのか分からず不安や焦りを抱きつつ、動かないでいた。


犬視点、もし、その犬に意思があって、その意思が人を襲う事を目的として居るなら。犬は、人がいる場所目掛けて襲ってくるだろう。そして、犬は鼻がよかった。

その場所は、他の場所より明らかに、獲物が多くいた。


扉が突破され中に、ブルドッグ顔の化け物が入って来た。当然。外には武装した。プロが居ただろうけど。入って来たという事は。そういう事なのだろう。僕は落ち着いていた。

周りの人も同じ様な感じになった。ブルドッグに遭遇した人は殺された。という事は、此処に居る人達は、ブルドッグに遭遇しても見逃された人達が多かった、印象だ。そう言う気持ちが、皆んなにもあったのかも知れない。でも、初めて遭遇した人達は、パニックになって動き回った。近くにいたという理由だけで、いや、理由など分からないけれど。熊のような大きな手で押し潰された。その数は、時間が経てば経つほど増えていった。運良く、外に出れた人も中には居たが、僕の位置からはそれも不可能だった。この建物の出口はその化け物が居たから。何で、さっきは見逃したのに。という断末魔が聞こえてきた。その人は腕を欠損してた人だ。ブルドックは他と同じように手でその人の頭を押しつぶした。それを見た多くの人が今度は助からないと、理解してパニックになった。そして殺された。次から次に。まるでそれが当たり前であるように力ある者が弱者を屠るように。その光景が続いた。僕は、動かなかった。動けなかった。そして僕の目の前に怪物が立つ。僕の番がやって来た。そう思った。結局何だったんだろう。この化け物は何がしたいんだろう。と走馬灯のように考えた。すると次の瞬間ブルドッグは大きな手で体を押しつぶした。血が辺りに飛び散る。僕の体にも飛んでくる。何が?おきた?僕は分からなかった。さっきと同じように僕がそうなっている筈だった。でも、僕はその光景を見ていた。なんで、僕じゃ無い?。と震えた声で呟く。ブルドッグの手の下にあったのはさっきまで僕の隣にいた。足が無い男の人だった。僕の頭は真っ白になった。意味が分からなかった。それからも僕は生き続けた。生かされた。襲われなかった。その間も、何人もの人が押しつぶされ死んでゆく。なんで?あっち行けあいつを殺せばいいだろ。こっちに来るな。そんな声が聞こえて来た。でもその中に僕はいない。僕だけが見逃されている。僕はようやく考えることが出来た。なんだ、僕と違う。皆んなの違い。あいつにとって。僕は一つの答えを出した。その時、ブルドッグは、ぽっちゃりとした女性の前に来ていた。次の瞬間には僕は動いていた。女性は凄く怯えていた。僕は彼女の前に立つ出来るだけ手を大きく広げて、化け物の前に立つ。化け物は攻撃してこなかった。僕は出来るだけ大きな声で、皆さん僕の後ろに回ってください。この犬は、僕を襲ってきません。そう叫ぶ。体の震えが止まっていた。

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