ミッション完了
タクミとジュンは、協力してデスゲームを進む覚悟を固め、互いの決意を確認し合うように街を歩いていた。混乱した街では、殺人や略奪が日常となり、凶悪な者たちが我が物顔で闊歩している。二人が同盟を組んだのも束の間、突如、何人かの男たちが路地裏から現れ、二人を囲むようににじり寄ってきた。その男たちは、街の混乱に乗じて脱獄した凶悪犯だった。
凶悪犯たちは冷酷な笑みを浮かべながら、タクミとジュンに向かって歩み寄る。「おい、ガキども。この混乱の中で命が助かると思ってるのか?」とリーダー格の男が言い放った。彼の鋭い視線は、タクミたちを虫けらのように見下している。
ジュンはすぐにバットを握り直し、挑発的な笑みを浮かべて構えた。「お前らごときに負けるわけないだろ。」一歩も引かない様子で、タクミを守るように前に出た。
タクミも内心の不安を振り払い、ジュンとともに戦う覚悟を固める。彼らに選択肢はなかった。立ち向かうか、逃げて追い詰められるか――それだけだ。
凶悪犯たちが一斉に襲いかかると、ジュンは咄嗟にバットを振りかざし、目の前に来た男の顔面を強打する。衝撃でその男は倒れ、血が飛び散る。ジュンの攻撃に怯むことなく、次の男がナイフを構えて突進してきた。ジュンは素早くバットで防ぎ、カウンターで相手の腹を殴りつけた。タクミも必死で戦い、ジュンの背後に回り込もうとする敵に立ち向かう。
戦いが続く中、タクミはジュンが倒した凶悪犯の一人に近づき、苦しそうにあえぐ男にトドメを刺した。殺人に抵抗はあったが、このデスゲームから抜け出すには避けられない現実だった。そして、その瞬間、タクミとジュンの目の前に、”ミッション完了”の文字が浮かび上がった。
次の瞬間、二人の周囲が一瞬で暗転し、目を開けると二人は白い無機質な部屋に立っていた。周りには、自分たちと同じように転送されてきた人々が多数集まっている。見知らぬ顔がずらりと並び、それぞれが困惑と恐怖の表情を浮かべていた。
突然、部屋に現れたウィンドウが浮かび、機械的な声が指示を告げ始めた。
「ミッション完了:3人の殺害達成によりステージ1クリア。現在の生存者数は15億人。」
タクミはその数字に愕然とする。開始直後に数十億もの命が奪われたのだ。さらに、「殺害の意思がないとみなされ、システムにより殺害された者も多い」という情報が続き、タクミの胸に冷たい重みがのしかかる。
「現段階で、ここにいる100人の中から5人のみが次のステージへ進むことができる。それ以外は全員死亡となる。」
会場がざわめきに包まれる。冷酷なルールが告げられ、人々は自らが置かれた状況に震え上がった。
続いて、ウィンドウには第一の試練が表示された。
「第一試練:叩いて被ってジャンケンポン」
試練のルールも簡潔に説明される。
•じゃんけんをして、勝った側はピコピコハンマーを持ち、負けた側はヘルメットを被る。
•ヘルメットでハンマーを防げた場合は再度じゃんけんを行い、先にハンマーで相手の頭を叩くことができれば勝利。
•一対一の試合を行い、勝者のみが次のステージに進む資格を得る。
「こんなふざけた試練が命がけだなんて……」タクミは恐怖を感じたが、決意を持って試練に臨む覚悟を固めた。
すると、タクミの前に一人の青年が現れ、ニヤリと微笑む。「君、僕と戦おう!」
彼は物腰が柔らかで、冷静な様子だが、その瞳には狂気が宿っている。タクミは一瞬、相手の異様な雰囲気に戸惑ったが、深く息を吸い込んで覚悟を決めた。青年の挑発に乗らず、冷静に勝利を目指すと決意を固める。
「やるしかない、俺には逃げ場がないんだから…」タクミは自らを鼓舞し、目の前の試練に立ち向かおうとする。