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ほころび
「本を読みなさい。」と大人は言う。
それはさておき、
おそらく、現在も、
僕が学生であった時と、
教育制度は、さほど変わっていない、と僕は踏んでいて、
学びたい!という気持ちに率直になれる環境下に、いるなら、
自然と、そのような志しを抱く者が固まって募ってゆく…。
おそらく、僕が高校生だった時だと記憶している。
《老人と海》を読破したのだ。
老若男女、誰にでも勧められる内容で、
世界的評価も高い小説と位置付けられている。
ヘミングウェイの作品は、それだけではない。
彼は、
「己を大切にすることを疎かにしてはいけないよ。」みたいな言葉を残していた…。
そんな彼は皆が知る最期を迎えた。
昨今、僕は思うのだ。
疑っているのだ。
純文学を。
僕の物差し。
僕だけの物差しを自他共に認めてくれるなら、
そんな最期を迎えた作者を、
作品を、
僕は認めるわけに、いかない。
僕より歳上でも年下でも、
誰か、僕に見せてほしい。
《クリエイトすることは、こんなにも素晴らしいんだよ!》と…。
その全身全霊をもって……。
【終わり】