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[Prologue] 唯一の正解
昨日のことだった。
ようやっと僕は死ぬことができた。
意思も力もない僕だったけど、何もしないということだけは得意だったみたいで数十日の間食べ物を抜いて、死んだように生きてみて、そうしてやっと死ねた。
その数十日はひどく辛いものだったけれど、後悔するつもりはない。
惰性で生きていくよりマシだと思った。
僕はこれまでの人生において何かを正しいと思えたことは一度もなかったけれど、この行動だけは唯一正解だと断言できる。
既に視界は暗く、立ち上がる気はないが立ちあがろうとしてももう遅いだろう。
クソッタレな地獄だったなぁ
薄らぐ意思の中で最後に思ったのはその一言だった。