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第四話 わたしにだけ見えない月 ※宮内視点
「ただいまー。」
(シーン…)
もうこの部屋には誰も居ないのに、癖でいつも言ってしまう。
今日は職場の人達がわたしの歓迎会をしてくれた。
久しぶりに誰かとお喋りしながらお酒を飲んで、美味しいものも食べれて、楽しいひと時だった。
楽しければ楽しいほど、こうして空っぽになる。
酔い覚ましにベランダへ出てみる。
夜空に月を探すけど、姿が見えない。
スマホで調べてみると、どうやら今日は新月の日だったらしい。
調べたページを読み進めると、こんなことが書いてあった。
【新月の日は、何か新しい事をスタートしてみたり、古いものをリセットする日にぴったり!】
…そんなこと、簡単に出来るわけない。
ー 誰かさんが教えてくれた。
月は自分で光ってるんじゃなくて、太陽に照てらされて光っているんだよって。
あなたはわたしにとって、太陽だった。
太陽を失った月は、もう光ることはできないんだ。
そこに在るのに誰にも気づいてもらえず、ずっと独りぼっちなんだ。
もう寝なきゃ…
真っ暗な空に、おやすみなさい。