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悪魔狩りの魔女  作者: 華井夏目
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50.5.お土産のぬいぐるみ

「何ですの?コレ・・・」


 後日、私達の手土産を受け取ったカチューシャが顔を歪めてそう漏らす。おおよそ予想通りのカチューシャの反応を余所にフレンダは満面の笑みを返して答える。


「お土産~、可愛いでしょ?」


「・・・・嫌がらせ?」


「なんてこと言うの?!!!」


 歪んだ顔のまま嫌そうに口にしたカチューシャの言葉にフレンダが思わず声を上げた。


 ・・・・いや、そういう反応にもなるでしょうよ。


「あかり、アナタが居ながらなんでこんな事になってるんですの?」


 その内にカチューシャの矛先が(あかり)の方へ向けられ私は諦めた様に言葉を返す。


「もう、いいかなって思って。」


「いい訳ないでしょう!」


 そう声を荒立てて苛立ちを露わにするカチューシャは大きなため息を吐いて頭を掻く。更には、フレンダが抱き締めるぬいぐるみを見て「また絶妙にリアルな感じが余計に腹立ちますわね。コレ。」と言葉を漏らした。


 そんなカチューシャの反応に流石のフレンダも表情が暗くなり始める。そして、ぬいぐるみを強く抱き締めながら彼女は重く沈んだ声でカチューシャに尋ねる。


「うう・・・・カチューシャ。イヤ、だった?」


「うう・・・・・・・」


 フレンダの沈んだ表情に急激に虫の居所が悪くなったカチューシャは声を詰まらせた。


「ごめん・・・迷惑、だったよね。ごめん、一人で盛り上がったりして。嫌な思いさせてて。ごめん・・・」


 終にはぬいぐるみに顔を埋めて謝りだす可哀想なフレンダを目の当たりにしてカチューシャは慌てて取り繕う様にぬいぐるみを賞賛し始めた。


「そんな事ありませんわ。ぬいぐるみ、か、かわいいですわ。それに、大きくてとてもいっ、いいと思います。」


「無理、しなくていいよ。」


「無理なんてしてませんわ!ほら、お土産なのでしょう?くださいな。」


 そう言って両手を差し出すカチューシャにフレンダは素直にぬいぐるみを差し出す。それをカチューシャは恐る恐る受け取ると震える全身を抑えながら必死に抱き締める。


「ほ、ほ、ほら。だ、大っ、丈夫っ、で、しょ————」


 なんて、カチューシャが必死に言葉を絞り出している最中、カチューシャは、漏れ出る声を必死に抑えながら伏せた顔を手で覆い肩を震わせているフレンダにようやく気付く。


「フ・レ・ン・ダ~~~~?!!!」


「ぷふっ!あははははははっはは!もうダメ、可笑しすぎ!あははははは!」


 そう。今までの反応はフレンダのいたずらでカチューシャはそれに振り回されていただけだったのだ。その事に気づいたカチューシャは途端に顔を赤くしてフレンダに詰め寄る。


「アナタって人は!アナタって人は!」


「わぁ!ごめんごめん!だってカチューシャがあんまりにも可愛いかったから。ついっ!ふふふふっ!」


「人の心を弄んでさぞ楽しかったでしょうね‼この阿呆!人でなし!もうフレンダなんて知りませんわ‼」


 そう言ってカチューシャは不機嫌そうにぬいぐるみを抱えて立ち去っていく。その後ろ姿をフレンダは慌てた様子で追いかける。


「わぁ!ごめんカチューシャ!許して~~~!」


 そんな和気藹々とした二人を私も苦笑を漏らしながらゆっくりと追いかけた。

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