84話 グレる
何度も気絶と覚醒を繰り返していると、ふと時計を見るともうすぐお昼になる所だった。
「あー?どした?」
難しい顔で止まるツバサに安藤が声をかける
「え?あー、その、園田さんどうしてるかなって、、」
「あー?お前がアイツに格好悪いトコ見られたくないって置いてきたんだろがよぉ。
アイツなら別にテキトーにすごしてんじゃね?」
そう言う安藤にツバサは複雑な顔をする
「誰かと一緒にいるのかなぁ、、」
ポツリとツバサが呟く
最近、ブランの様子がおかしいし。
ユアンは園田さんの事が好きだし
なんだかツバサはムカムカして来た。
特に今日のブランは変だった。
サングラスだし、それに園田さんに近づき過ぎじゃない?
園田さんも、あんなに触れられてるのに気にしてないし。
なんだかツバサはドンドンムカムカしてくる
だって園田さんは僕の、ーーーーーー
「おーい?立ったまま気絶してんのかよぉ?」
呆れた安藤の声に我に変える。
「……あ、ごめんね。」
ふと、ツバサは安藤の顔を見て気になっていた事を聞くことにする
「ねえ安藤君」
「んだよ?」
「なんでグレてたの?」
ド直球である
「あ?」
安藤はポカンとしている
「いや、だって安藤君って色んな事知ってるし、優しいし。本当はカッコイイし」
「んだよ、本当はって。、、、
お前はさあ。
たった10歳の子供がよぉ。
今まで、仲良くしていた奴らが自分の事を本当は嫌っていたのを知ったらどうなると思う?」
安藤の言葉にツバサは首を傾げる
「え?それって?」
「自分は、代替え品。しかも、劣化品だとか言われてよぉ。
味方だと思ってる奴らが皆敵だったんだぜ?」
なおも安藤は続ける
「死ぬまで、家に縛られて結婚相手すら、自分で選べねぇ。
頑張っても誰も本当の意味では俺を見てねぇんだよ。
グレたくもなんだろが、、、」
辛そうにそう言う。
「あ、それは、辛いね………結婚相手って?」
「あぁ?、、一応許嫁がいんだよ。
俺の家は風系統に固執してっからな。
同じ属性の家と婚姻すんだ。」
「許嫁!!!うそっすごいね!!」
ツバサは驚く
「あー?でも、兄貴が助かるからな。
もう俺は関係ねえよ。」
「?なんでなの?」
「元々、二人に一人の女あてがってんだよ。クソ親父は、、、
だからアイツも兄貴と結婚すんだろ。」
ツバサは開いた口が塞がらない
安藤の生い立ちにショックを受けたのである
「えと、安藤君はその、許嫁さんの事は好きだったの?」
「はぁ?ねえな、あんなクソ女絶対無い。
アイツと園田だったら、園田選ぶは。」
「……へー?」
ツバサの目が座っていて
安藤は冷や汗をかく
「あ、、、わりぃ変な意味じゃねぇよ。
お前わかりやす過ぎ」
「?」
ツバサはわかっていないようだ
「はあ。マジかよ無自覚ってやつか、、」
ポツリと呟き
安藤は溜め息をついた。




