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6話 それってひどいネタバレでは

さん!、、田さん!

園田さん!!


はっとすると

ツバサがこちらをながめていた


「あ、ごめんちょっと、考え事してた、、」


「えと、そのオワセカだっけ?知らなくてごめんね。何か大事な事なのかな?」


おずおずと訪ねてくるツバサに頭を切り替える


「あー、うんまあ結構大事な事なのかなぁ。あー説明するから落ち着いて聞いてね」


息を整えて、この世界がアニメでツバサが主人公だと言うことを、説明することにした


話し出すとだんだんツバサの顔色が悪くなっていく


「と、言うわけなんだけど。」

とりあえずは本来なら今日イベントが起こるはずだったことまでを説明した。


「えーと、ごめんちょっと、待ってくれる?」

頭を抱えてあーとかうーとか小さく唸ってからツバサは観念したようにこちらに視線を戻した


「僕がこのオワセカって言うアニメの主人公で、この世界の命運は僕にかかってるって、園田さんはそうゆうんだね?」


「うん、そうだよ」


キッパリと言うと

ツバサは

いや、とかでもとか

口の中でモゴモゴしていた。


「はっきり言うとね。ツバサ君。

君が頑張らないとこの世界は滅びる。

ちなみに期限は後2年くらいかな?」

追い打ちをかける私にツバサは机の上に崩れ落ちる


「いや、その、言っていることは理解は出来たよ?でも僕はその元々アニメとか漫画は良くわからないし、園田さんが言うこともなんというか、、、」


「はぁ、とりあえず、も少し詳しく説明するね。」



このオワセカの世界の物語は

主人公であるツバサがヒロインを助けて特別クラスへと編入する事から動き出す。


この世界は元は普通の地球で、今から二百年前に異次元からの侵略者、魔物や魔獣達によって国や文明が滅ぼされている


だが異次元が開いた影響か、魔法や不思議な力に、目覚めた人間の生き残りたちが国を起こし、軍を作り魔物達と戦っている


今なお地球の3分の2は魔物や魔獣に支配されているが世界を取り戻すべく、魔法適正が有る軍人を育てるために、軍学校が存在している、と言う設定である。


魔法が使えない者たちは普通に働いていたり、奴隷制度などもある

所謂ごちゃまぜファンタジーである


国は大きく分けて4つ存在している

この国は元々は日本のあった場所で

最初に、出来た国でもある

なので、文字や会話は日本語である

日本のアニメならではの設定だ。

ちなみに国の名前はジパン

と、ざっくりとした世界観はこうだ


アニメは主人公視点で進むのでメインはほぼ軍学校の特別クラスだ


アニメならではのお約束で、めっちゃ強い学生達揃いで、ほぼ皆チートである


二百年も進展の無かった魔物達との戦いをわずか20人弱で終わらせるのである


そして何故主人公がこの世界の命運を握っているかと言うと

これは物語後半まで明かされないのだが、主人公のツバサ・ブラウンは実は人間ではない。


ツバサの祖父

源一郎・ブラウンが昔妻を魔物に殺されて、憎しみを糧に編み出した、禁術から生まれた、唯一魔物を滅せると言われる人工精霊である



その実全くの無から生まれたわけではない


自分の娘である静香・ブラウンの腹に宿った胎児を使ったのだ



だが代償は大きく、生まれた赤ん坊は静香の命とその夫の命を奪ってしまった。


その後は普通の赤ん坊として育てる傍ら、幼いツバサに戦いを教え込み、

いつか来る魔物との戦いに備えていたのだが、

源一郎は

いつしか孫としてツバサを愛してしまった自分に気づきツバサには本人の出生の秘密を明かさぬことにして、

墓場まで持っていくはずだったが、

アニメ終盤で源一郎は魔物に襲われて

駆けつけたが間に合わなかった、ツバサに涙ながらにすべてを話して逝くのだった。


そして主人公は魔物を滅ぼすことを決意し、なんやかんやで最後にはそれを成し遂げてしまうのである!

ハッピーエンドだね!



「え、ひどいネタバレでは?」


真っ青な顔ではくはくと震える声を出すツバサは今にも死んでしまいそうな顔を、していた

「というかお祖父様死ぬの?え嘘でしょ?」

「…ごめんね。一応アニメはそう言うストーリーなんだ」

なんだか申し訳なくなって、ツバサから目をそらす


まるでお葬式のような空気になる


暫く、黙っていた二人だったが

ツバサが口を開く


「あの、でも、その話が本当だとしても今の僕はその主人公のツバサとは全然違うわけだし、今日だってストーリーが変わったんでしょ?」

「だ、だからきっと園田さんの言うアニメとは違うんじゃないかな?」


縋るような目でこちらを見るツバサにミライも答える

「うん、その可能性もあると思うよ」


「そ、そうだよね?やっぱり」

ほっとするツバサの言葉を遮るように言葉をかぶせる

「でもね、もしストーリー通りだとすると、絶対に世界は滅ぶんだよ?」


そう、細かい事がツバサと言うイレギュラーで変わったとしても

2年後に起こる魔物の大侵略は防げるとは思わない。


大侵略。

それは映画のラストストーリーだ。


魔物の大群がジパンを攻めてきて、特別クラスの生徒も戦場へ駆り出される。

何人かは死ぬ。


そして攻めてきた敵の中にはこの物語のラスボスが存在する


全ての魔物、魔獣の親

マザーと呼ばれる化け物だ。


マザーはどんな攻撃や魔法でも倒せない

だが主人公だけは違う

その命をぶつけることで、マザーを滅ぼすことが出来る


マザーは全ての魔に連なる物と繋がっている

マザーを滅ぼせば全ての魔物が滅ぶのだ。


そして映画では命をかけて主人公がマザーを倒す


主人公も死ぬかと思われたがヒロイン達の愛の奇跡で、新たな精霊として生まれ変わり、世界は緑に包まれてハッピーエンドだ。


そうそれで本当にオワセカは終わるのだ。


思い出しながら、ふと頭に浮かぶ。


何故自分がモブとして、知識を持ってこの世界に来たのかを。 


もしかしたらそれは


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