57話 幻惑魔法
カレーを食べると、マロンは待ちきれないように、ツバサの手を引く
「ちぃあにさま。こっち。はやく」
と言って奥の部屋へとぐいぐい引っ張る
「わあ、わかったよ、ちゃんと行くから。落ち着いて?」
ツバサは、あわあわしている
安藤は一つため息を吐いて立ち上がるとその後を追った。
奥の部屋へと消えていく三人を見送って、ミライは今ブランと洗い物をしている
ブランが洗って、ミライがそれを拭く。
「ミライは行かなくて良かったのか?」
ブランがそう尋ねてくる
「あ、はい。多分行っても出来ること無いですし、あとカレーご馳走になったので片付けくらいは手伝いますよ」
あとから結果だけ聞こうと思ってミライはこっちに残ることにしたのだ。
「そうか」
ふと、ミライはブランの瞳が気になった
ルージュ兄妹は気分で色をころころ変えているのだが、昨日今日は二人ともお揃いで藍色をしていた。
視線に気づいたブランが
「なんだ?」
と疑問の声を上げる
「あ、や。瞳、色変わるんですか?」
「ん?ユアン達から聞いたのか?
まあそうだな。私と姫は、自由に変えることが出来るぞ」
そう言って、赤色に変わる
がすぐに藍色に戻る
「おー!!すごいですね
藍色がお気に入りなんですか?」
「姫が藍色にしているからな」
ブレないブランだった。
片付けも終わると、ブランはお茶を出してくれた。
何故かアルバムが机に積み上げられている
「ふ、片付けを手伝ったミライには、ご褒美をやらねばな。」
察したミライは顔が引きつった。
延々とマロンの写真を見せられる
ミライは必死に褒めつつ、相槌をうつのだった。
ごきげんなブランの後ろでは今日も薔薇エフェクトが絶好調である
延々とマロンがいかに可愛いか説明している
ミライは相槌を打つ機械と化している
いきなり。ぬん!と立ち上がったブランは、
「ミライ!!お前は素晴らしい奴だな。
昨日は本当に、失礼な事をしてしまった。詫びとして素晴らしい物を見せてやろう」
好感度があがったブランがそう言うと
足元からブワリと、花びらが巻き起こり
そして、部屋の中には
5人のマロンが現れていた。
皆満面の笑顔で、
「あにさまー、すきー」
「あにさまーだいすきー」
「あにさまー」
「あにさまー」
「あにさまーかっこいい」
と言っていた。
キッショッッッ
ミライは鳥肌が立ったが
笑顔で、頷いておくことにした
ブランの幻惑魔法の中のマロンは
ブランの理想なのだろうか。
絶対本人がしない顔と言動をしている
頷くミライを見ながらブランも満足そうに頷いていた。




