50話 光るもの
「取り引き、、ですか?」
ゴクリと唾を飲んで、ミライは安藤に問う。
「おー、俺の言う条件をのめば、お前らに協力してやるよ」
「え?協力?」
「おう」
ミライが安藤の真意を探ろうと眺めていると
安藤はツバサを見て
「そいつ、今のままじゃすぐ死ぬぞ」
と言った。
ツバサは震えながら安藤に問う
「え、あの何を、、?」
安藤はトントンとノートを叩く
「さっき流し読みしたがよぉ、お前戦えないんじゃストーリー?通りなんて無理も無理だろがぁ」
確かにそうである
今のツバサはミライにも負ける
よわよわボーイである
「……それで条件ってなんですか?」
安藤は一旦黙ると静かに口を開いた
「絶対エリカを死なせんじゃねえ」
思いもよらない言葉に二度見した
「あんなぁ、お前ら知ってんだろが、幼馴染なんだよ、俺とエリカはよお」
ボリボリと頭をかきながら横を向いて安藤はそう言う
「えと、ストーリー通りならエリカちゃんは死なないですよ?取り引きにならないのでは?」
ミライが意外そうにそう言うと安藤は
「はあ?馬鹿かあ?お前らが勝てなきゃ皆死ぬだろがぁ」
と言った。
正論である。
「つーことだよ、あーアニメ?ではそいつ刀使うんだろ?俺が修行つけてやる、て言ってんだよ。」
安藤は顎でツバサを指す
確かに安藤も刀を使う。適任ではある。
「………、即答はできません。」
「はあ?!なんでだよ、お前らにとっちゃ悪い話じゃねえだろがよぉ?」
安藤が不思議そうにそう言う
実際ミライとしても、悪い話じゃ無いと思っている
アニメでも早々退場する安藤ならば、
多少自由に動いても問題無いはずだからだ。
だが、この男は兄を憎んでいる筈
信用して、何か利用されてはたまらない
「おい?」
黙るミライに安藤が声をかける
「……、安藤さん、お兄さんの件はいいんですか?」
「あー、兄貴がなんで今の流れで、出てくんだよ?」
「だって、家放り出されるんですよね?悔しく無いんですか?お兄さんが憎く無いんですか?」
安藤はポカンとして
それから決まり悪そうに
「あー、別にそれに関しちゃ、もう吹っ切れた。元々俺は当主とかそんなん柄じゃねえし」
それにと続く
「昨日ユアンにぶちのめされてわかったわ、俺は弱い。」
真剣な顔でそう言った
「あー勘違いすんなよ?そこそこは強えぞ俺も?でも、世の中にはバケモンがいんだよ」
吹っ切れた顔で、笑った。
「だから、俺は俺に出来ることすんだよ」
「……わかりました。貴方を信じます」
ミライが、そう言うと安藤がホッと息を吐いたのに気づいた
一応は緊張していたみたいだ
そんなに嫌な奴じゃ無いのかな?
「おー、じゃあお前らちょっとジュース買ってこいよ」
前言撤回
「え!!ミルクキャラメルチョコレートジュースってここから遠い自販機にしかないじゃないですか?!」
「あー良いから早くいけよ」
ミライとツバサに軽く蹴りを入れて安藤が言う
しぶしぶ買いに行くことにする
教室を出るとき、微かに
「兄貴、助かるのかぁ」
と安藤が呟くのが聞こえた
影になっている目元に光るものが見えた気がして
ミライとツバサは出来るだけ時間をかけて買いに行くことにした。




