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19話 盲目と幸せ






「うぉぇぇぇ」


えずいているにゃん子の背中を優しく撫でる。


「あー、大丈夫ですか?」


「ぅぇぇむりおぼぁ」


よしよししていると、後ろの方の席のローブのヤツから

ハァハァ聞こえてくる



心なしか少しずつ席近づいてくるけど、


気づかないふりをする



うぇぇえぇ


ハァハァ

うぇおろろろろ


ハァうぇハァおぇえぇ

セッションしないで欲しい



無心で背中を撫でるのに集中する

関わりたくない。




ツバサ君はグロ映像開始直後から

白目を向いて動かなくなったので

そっとしておく


寝不足だったもんね


仕方ない仕方ない





〜〜〜







「そろそろ、教室に戻ってみる?」


ユアンに水を渡しながらライアンがそう尋ねる。


「んー、そうだね。そろそろ終わってる時間かな?」


「エリカちゃーん、そのへんで、戻っておいでぇ」


壁を垂直に登っているエリカにもライアンは声をかける。


「うわあすごいねぇ、あんなに高くまで登れるなんて、やっぱりエリカちゃんは優秀やわぁ」


ライアンは感心したように息を吐く


エリカは壁の上から二人にすぐに行く、のジェスチャーをしている


「ふふ、なんだかエリカ張り切ってるね」


「恋をすると女の子は強くなるもんなんよー?」


ユアンへパチリとウインクする


「男もそうなのかな?」


「ふふふ、どーやろなぁ、」

談笑してると


エリカが走り寄ってきた。


「なに?二人で楽しそうにしてるの?

なんの話?」


「ふふ、エリカちゃんの恋の話かなぁ?」


ライアンがそう言うと


エリカの頭が爆発した


ように見えた。


「なっ!私の居ない所でそんな話しないでよねっ!!」


頭が煙で包まれて

顔が見えないが

多分真っ赤になっているはずである



「エリカ落ち着いて?、さっきも教室でずっと煙出してたし。魔力のコントロールをちゃんとしなくちゃ危険だよ?」


ユアンが、エリカに声をかける


少し声が震えている


「笑いたければ笑いなさいよっ!!」


まるで綿飴のお化けみたいなエリカの姿に訓練場にいる他の生徒も笑いを、こらえている


ププッ

あ、しまった



耐えきれずに笑った、安藤が炎の竜にぶっ飛ばされて行った。



「ふー!スッキリしたわ」


魔力を放出してやっと煙が収まった。


「さっ!早く戻りましょ!!」


「はいはい、ほないこーかお姫さま」


「はい、は一回!!」


「はーい」

ライアンとエリカのやり取りに思わずユアンはクスリと小さな笑みを零す。


道すがら、ライアンがユアンに耳打ちしてくる

「ユアンちゃんの良い人もちゃーんと紹介してなぁ。昨日から楽しみにしててん」


ユアンが思わず頬を染めると



「ほんま、めずらしわー」

とライアンは笑うのだった。


〜〜〜〜



ライアンは昨日からとっても浮かれていた


何故なら最近少しギスギスしていた幼馴染達が昔みたいに、楽しく過ごせているからだ。


一月ちょっと前にこの軍学校に入ってから、なんとなくお互いがお互いを避けていた。


(ひどいもの見てしもたもんねぇ)


一月前三人で行った初めての任務で、目の前で子供が生きたまま魔物に食べられた


ユアンだったら助けられた筈だった。 


だが学生の身分では上官の命令に従うしかなく、その命令が見捨てろと言う物だったのだ。


確かにユアンが飛び出していたら一緒にいた、ライアンやエリカ、他の学生が危なかったかもしれない。


それほど危険な相手だった


他の仲間達は運が悪かったなと口々に言っていた


その通りだと思った

まさか学生の軽い筈の任務で上位の魔物が出てくるなんて誰も思わない。

だからライアンは仕方ないって思った。

それでお終い。


でも二人は仕方ないで済ませられなかった。その後も自分の弱さを責めた

お互いがお互いに後ろめたさも合ってか

一緒にいる時間が減っていった。



なんとかしたくて、エリカが通常クラスの食堂に行っているんを知って、それとなく、ユアンにも勧めてみた。


そしたら二人で、帰って来て、凄く嬉しかった。

昨日も一緒に行ってるのをこっそりと見送った


ゆっくりでも良いから、仲直りしてほしくて何も言わんかったのに。


昨日奇跡が起きた


二人共、めっちゃ幸せそうに笑ってて


その幸せをくれた子らが今日特別クラスに来るって聞いて、


会えるのをめっちゃ楽しみにして


きっと凄いお姫さんと王子様なんやろーと思ってた。



そう過去形である



ライアンは、目の前の男女を見て、

幼馴染二人の趣味は悪かったのかと暫く頭を抱える事になる。




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