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一話 とりあえず状況把握は大事です。

時は遡る



「はぁー!オワセカ最高だったぁ!」


喫茶店で映画のパンフレットを開いて、じっくり眺めながら

さっき見終わった映画に思いを馳せる



(終わる世界でまた明日)

通称オワセカとは人気ファンタジーアニメである



世界観は和洋折衷ごちゃまぜバトルファンタジーと言ったもので、


ある時突如として、次元の扉が開き魔物が溢れた地球が舞台になっている

多数の国が滅び、人類が滅亡するかと思われたが、新たな力、魔法に目覚めた生き残りの人々が新たに国を作り軍を作り魔物達と戦うと言う物だ。


物語の始まりはそれから二百年後、

主人公、ツバサ・ブラウンが軍学校へ入学した直後からだ。


主人公のツバサ・ブラウンは所謂チート

オレつえーハーレムキャラである


このアニメが人気なのは、ハーレム要因のヒロイン達の可愛さもあるが

ライバルや敵。

男キャラも多く、男性女性どちらからも評価されているのである。


アニメは人気で一期、二期、そして最後を映画で終わらせると言うものだった。


「はぁ、長く追ってたけど、終わっちゃったなぁー」


映画には満足だった。

でも終わってしまったことによる少しの寂しさもある。


「ふぅ、そろそろ帰るかぁ」


飲み終えた紅茶のカップを置いて立ち上がろうとした時、背後から物凄い音がして、体に物凄い衝撃が走った。

そこで私の意識が一瞬遠のいた。



次に気づいた時は、教室で授業を受けていたのである。


意味がわからない。

そう思ったのは一瞬で、ふと頭に自分の記憶が蘇る


いや正確には自分では無くこの体の記憶


園田ミライ、と言う少女のものだった。


ただの記憶だけ。

意識と言えるものは今考えているワタシの物


これは所謂憑依と言うやつなのでは?と

こんな状況なのに、何故だが冷静に考えている自分がいた。

(え?私死んだ、んだよね多分。)


そして、ふと目を前の席に、向けて

見つけたのは、さっき見終わった映画の主人公である、ツバサ・ブラウンの後頭部だった。



(お!落ち着かなきゃ〜!!)


余りの衝撃に手をきつく握りしめる。

(こ、これはオワセカへ異世界トリップ!!)


ふー

ため息を吐いて深呼吸。

落ち着いたら周りを観察してみることにする


(よし、まずは状況把握だよね)


怪しまれないくらいに教室を見渡す


ワタシとしては見慣れない景色の筈なのに、ミライとしてはいつも通りの教室だった。


(なるほど、記憶は意識しなくても浮かんでくるんだ。)


今はまだ午前中、お昼まではまだ少しある。

時計は10時15分を指していた。


黒板の日付は5月18日になっている


(なるほど、まだ主人公がこのクラスに居て、5月って事は入学式直後。一話少し前って事かな?)

物語はまだ始まっていないようだった。


(少しワタシの事も調べてみるか)


記憶を意識してみる


(ワタシ、園田ミライ16歳これと言って特筆した所の無い普通の女子。魔法適正は光かぁ、、)


所謂本編には出てこない背景

モブ女子


(普通こういうのってメインキャラの誰かになるもんじゃないの?)


(あ、でもモブって事は結構自由に動けるかも!それに特等席でアニメが見れるっ!!)


小さくガッツポーズをする。


ふと視線を感じで隣を見ると生易しい目でこちらを見る女子生徒と目が合った。


(あー、えっと確か友達の佐々木優佳里ちゃん?だっけ)


記憶を探りへらりと笑顔を向けるとにこりと笑い返された。


(やべーやべー、あんまり変な事しないようにしないと。)



今いる席は窓際で、そよそよと風が吹いてくる。


ツバサ・ブラウンのサラサラとした黒髪が風に揺れているのを目で追って、ニヤけそうな顔を、無理無理引き締める。


(うわぁ、萌えーだよ萌え!リアルツバサ!髪サラサラ!)


意識をツバサに向ける


ツバサ・ブラウン

黒髪黒目のイケメンだ。

背は170細身だが筋肉はしっかりついている。

年は16歳。


この物語は

彼がヒロインを助ける事で動き出す。


まずこの軍学校には魔力適正が有った12歳〜20歳までの人間が集められている。


力の発現が大体その間に見られるからだ。

集められた者たちはクラス分けされる。


通常クラスと特別クラスに


今私達がいるのは通常クラスだ。


通常クラスはただ単に魔力適正が合った者達。

主に座学と実技を教えてもらえる。


特別クラスは魔力適正が有り尚かつ実力がある者たち。

すなわち即戦力組だ。

だがいくら実力があろうとも、3年間は学生の身分で過ごさねばならない。

授業は主に実技メインで、軽い任務などをこなす


もちろん給料も支払われる。

人数が少ないので、学年などはなく入って3年でそのまま軍へ直行となり、

学費は免除となる



通常クラスはきちんと学年分けされており3年で卒業することになる。

3年過ごして向いていないようなら、学費を払いながら違う職につく事になる。

仕事の斡旋もしてくれる。




話は主人公に戻るが、何故ツバサが通常クラスに居るのかと言うと、

彼は実は実力を隠している。

注目されるのが嫌いで、面倒くさがりなのでクラス分け試験で手を抜いて通常クラスでも落ちこぼれのフリをしているのである。

アニメ一話の冒頭はそんな彼の自分語りからはじまる。


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