16話 明けなくていいよ、夜■
挿絵有ります
ご注意ください。
今は他の生徒はまだ授業中で、時計は14時過ぎを指している
ミライ達は中庭のベンチで日光浴していた。
「そういえば、書類って何入ってるんだろ?」
ふと気になって、ツバサに声をかける
「んー?」
ベンチの隣でウトウトしているツバサは生返事だ。
「あーごめん寝てていいよ」
「んー」
ツバサは放置しておくことにして、ミライは書類を封筒から出してみた。
「えーっとなになに」
一番上には、
編入にあたってのご案内
そう始まるプリントが入っていた
流し読んで見ると、
特別クラスの校舎の場所や教室、食堂、ジムなどの案内も書いてある
「あーそういえばアニメでもジム出てきてたなぁ、確かヒロインの水着回で、温水プールもあったっけ」
思い出すとなんだか笑えてくる
あの回はヒロイン達が際どい水着でツバサに迫って、あれよあれよとラッキースケベの嵐だったもんなぁ
今のツバサがもしそんな目にあったら、鼻血で、失血死するんじゃないかな
そこまで考えておかしくてたまらなくなる。
ん?
二枚目の書類を見てみると、驚く文章が書かれていた。
寮の移動に関するご案内
編入する生徒は、編入日の午後までに速やかに部屋を移ること。
荷物は学園の手配した業者が運び出すので、当日朝8時には、荷造りを終えておく事。
荷造りされていない物は不用品として処分します。
その下に処分費用が細かく赤文字で書いてあった
「ぎゃー!!」
思わず、楳図○ずおの描いた、叫んでいる女の子バリの顔になってしまった
声にびっくりしたのかツバサがベンチから落ちた
「うわ!なんでいきなり叫ぶのさ?」
後頭部をさすりながらツバサがこちらを見やる。
「ッ、ツバサ君、これ見てよ、、」
震える指でプリントを差し出す
「ん?あー寮の移動あるんだ」
「な、なんでそんなにのんきなのよ!?」
わなわなと震えているミライに
ツバサは不思議そうな瞳を向ける
「え、逆にどうしたの?なんでそんなに驚いてるの?」
「だっ、だって荷造り!!今から!?無理でしょ徹夜でも間に合わないってばぁ」
ガチ泣きである
「えぇ、なんでそんなにかかるの?」
マジドン引きです、と言う顔をしたツバサが泣いてるミライの背中をさする
「うぅ、女の子は色々荷物が多いんだよー」
「えーでもさぁ、それって元々園田さんの物じゃないんでしょ?
なら本当に必要な物だけ、持っていけばいいんじゃ無いの?」
「だめだよっ!!どれも私好みの物ばっかりなんだもん!選べないよー!全部必要なのっ!!」
「えぇ、、」
おいおいと泣いているミライを置いて帰ろうかと、一瞬思ってしまうツバサだった。
「ありゃりゃん?どしたのん?」
ふと、上から声が聞こえて、ツバサは身構える
チリリン、と言う音と共にツバサの背後の木から女の子が降りてきた。
「女の子泣かせてるん?君は悪い人なのかな?」
猫耳パーカに耳に鈴のイヤリングをつけた、紫の髪の女の子だ。
前髪はぱっつん。フードのせいで後ろ髪は長いのか短いのかわからない。
猫のような目を細めてツバサを上から下まで舐めるように見ている。
三日月のようになったまぶたから覗く赤い瞳に、何故かツバサは鳥肌がたった
「はは、ごめんごめん。じょーだんじょーだん、ちょっぴ前から見てたから、わかってるよー」
「誰ですか、、?」
尚も警戒するツバサに、少女はにんまりと笑いかける
「特別クラス、真島にゃん子だよー」
「にゃんこ?」
「あはは、変な名前でしょーよ?残念ながら本名なんだわーこれがー」
けらけらと笑う少女に毒気を抜かれる。
静かになったミライに目をやると泣き腫らした目のまま、にゃん子を凝視している。
驚愕とも、警戒でもなく。
不思議な物を見る目だ。
「うふふん、そんなに見つめられたらにゃん子困るなぁ?」
「あ、ごめんなさい。」
ようやく我にかえったミライは目元をゴシゴシ擦っている
「あ、こすったらだめだよっ、」
ミライの手を止める為に近づくフリをしてツバサは小声で尋ねる。
「ねぇあの子もアニメに出てくるの?」
「ううん。初めて見た」
こそこそやり取りしているツバサ達を面白そうに眺めてにゃん子は口を開く
「あららぁんラブラブやん羨ましー!」
そういいながらぴょんぴょんと近づいてくると、
プリントを指差して、
「お二人さん、これからお仲間になるんだぁ?、よろしくー」
〜〜〜
少し時間が過ぎて。
今ミライの部屋にはにゃん子が居た。
「うわぁ、これはひどいねぇ」
そして部屋を見たにゃん子からドン引きされている。
事の経緯はこうだ
「ねぇ?お手伝い欲しくないかなー?」
にんまりとミライに笑いかけるにゃん子
「え?お手伝いって、荷造り手伝ってくれるのっ!!」
「まあタダでは、無理だけどもー。
今日の晩ごはんと明日のお昼ご飯で、雇われてあげてもいいんだよー?」
ガシッ
ミライはにゃん子の手をがっしりと掴む
「是非お願いします!!!」
ツバサは心配していたが。
見覚え無い子だしモブキャラでしょ?
と言うミライの言葉に渋々二人を見送る事にした。
去り際押し付けるように分厚いノートを渡されて
ミライの目が明日までに全部読めよと語っていた。
「僕も徹夜になるかもなぁ。」
そして現在ドン引きされているわけだ
「いやぁ、これはちょっぴ、早まったかなぁ」
超余裕〜★みたいな態度だったにゃん子が青ざめているのを見て、
ミライも頭を抱えた
ミライの部屋は超汚部屋だったのだ
「徹夜ですね………」
「徹夜やねぇ………。」




