14話 フラグが!フラグが立ったよ!
すわ前門の虎、後門の狼かと慄いていたミライだったが
エリカはそのまま、視線をユアンに向ける
「ユアン、そんなに女性を見つめるものじゃないわ!特に貴方はね。」
そう言ってユアンの目の前で手をひらひらと振る。
「エリカ、、ごめん。わかったよ。わかったから手を降ろして?」
ユアンは苦笑して視線をミライからそらす
「ごめんね、園田さん、気を悪くしないで欲しいな」
ユアンはそう言って、チラリと一瞬だけこちらを見て眉をハの字に下げた
「え、いえ」
「私からもごめんなさいね。ユアンにはちゃんと言い聞かせておくから!」
エリカも申し訳なさそうに頭を下げてくる
「園田さん大丈夫?」
小さく聞いてくるツバサに目配せで大丈夫だと伝える。
「あ、その大丈夫ですから」
「そう?ならいいんだけど。」
ホッとしたように息を吐いてエリカはまたミライへと話しかける。
「ねぇ、それってうちのネクタイだよね?」
エリカが指差す先には先生から渡された書類とネクタイが鞄から覗いていた。
「あ、そうです。」
「やっぱり!うちに編入してくるの?」
キラキラと瞳を輝かせて気持ちこちらに乗り出す形でエリカは問う
「あー実はそうなんです。」
「わぁ!やったぁ!あ、それと敬語じゃなくていいわよ?」
表情豊かに笑うエリカに思わずミライも笑みが浮かぶ
「あ、うん。わかった。」
そんな二人をツバサとユアンは微笑ましく眺めている。
「ツバサ、君もうちに来るんだろう?」
ユアンがにこりとツバサに問う
「あ、うん。明日からだよ」
「ふふ、楽しみだね」
ニコニコと笑うユアンにツバサは何か引っかかるような気がした。
そんなこんなで、和やかに時間は過ぎて行った。
「じゃあ私達はそろそろ行くわ」
「また明日だね」
席を立つ二人にこちらも立って見送る
ふとツバサが動くのが見えた
「あ、ちょっと待って一乗寺さん」
ツバサはハンカチを持ってエリカの頬をこする
「ほっぺにソースついてたよ?はい綺麗になった。」
ツバサは屈んで、エリカに微笑む。
その瞬間エリカの頭からボフンと音がした。
そのまま顔を真っ赤にして、走り去ってしまった。
残された三人はぽかんと見送るのだった。
「ツバサ君、今のってわざと??」
チベスナ顔でツバサを見るが本人はキョトンとしている
「え?何が?」
ツバサ的には、昔両親の介護をしていた癖と、エリカが小さな子供に見えていたから行った行為だったのだか、
奇しくも、それはフラグ立てに一躍買ったようだ。
(なるほど、これが強制力か?)
ふむふむと納得するミライだった。
ふとまだユアンが佇んでるのに気づく
何故だが楽しそうにこちらを見ている
「えっと?」
ツバサがそれに声をかけるとユアンはハンカチへと目をやる
「それ、早く洗わないとシミになってしまうよ?」
ソースで赤くなったハンカチに目をやるとツバサもうなずく
「あ、そうだね。ごめん園田さんちょっと洗ってくるよ」
そう言うと、ツバサはミライを置いて手洗い場の方へ向かって行った。
(ちょっ置いてかないでよー!!)
早足でかけていくツバサを追いかけようと廊下に出たが、その腕を後ろからユアンに掴まれる。
そしてくるりと体を回されそのまま壁ドンの体制になる。
「ひぇっ!」
何故だが静かに瞳を覗き込まれる。
赤い魔眼が至近距離でミライをとらえる
(ヤバい!!無だ無になるのだー!!)
心を見抜かれまいと必死なミライはその、まま暫くお互いに、じーっと見つめ合うことになる
数分あるいは数十秒であっただろうか。
突然ミライを見つめていた瞳がまるで愛しいものを見るように、とろけた
「え?なに」
ぐっと顔が近づく
耳元に唇が近づき囁かれる
「明日からは同じクラスだね。楽しみにしているよ、ミライ」
そのまま何事もなく離れて、ユアンは廊下を進んで行く
その背中を腰を抜かして床に座り込みながら見送るミライであった
暫くして座り込んでるミライにツバサが不思議そうに近づいてきた
ミライは暴力ヒロインではないが
とりあえずツバサをぶん殴った。




