107話 忍び寄る○○
「ユアン、全然帰ってこないね………」
ミライが呟く
「仕方ないわよ。ユアンは優秀だから軍もこれ幸いにと使い倒すつもりかもね」
とエリカから返事が帰ってきた
「もーエリカちゃん擦れてるんやからぁ」
とライアン
そうユアンは一月近く帰って来て居ない。
(ちょっと、、寂しいな)
ミライは少ししんみりした
他の面々はちょこちょこ帰って来ては
また行ってと繰り返していた。
結局金田君に調べて貰った。
活性化は良くわからず
少し魔物の数が増えているようだと報告された。
(ブランにマロンちゃんにも暫く会ってないなー)
手の中でサングラスをいじりながら考える。
一応皆、来月は休みをとって安藤の家に行くと返事が有った。
志穂が興奮し過ぎて鼻血を出してて引いた。
朝チュンがどうとか言ってた。
(まあ、あと少し頑張ればまた皆で楽しく過ごせるしね。我慢我慢)
ミライはそう頭を切り替えて、
少し散歩する事にした。
ライアンとエリカと別れて歩いていると、
「あ、執事さーん」
知り合いを見つけたので駆け寄る
「また怪我してるんですか?」
やはりまた顔に傷を作った
執事さんがボーッと立っていた。
(あれ?なんか雰囲気変わった?)
「あ、……ああミライ様ですね
こんにちは」
「こんにちは、はい手当てしましょ」
慣れたものである
「今回はなんか細かい傷いっぱいですね?大丈夫ですか?」
小さな切り傷がいっぱい出来てる
「顔からガラスに突っ込みましたからね」
と返ってきた。
なんでっ‼
なにがあったし?!
ミライが青い顔で震えていると、
執事さんが
「手当てはおわりましたか?撫でないのですか?」
と聞いてくる
撫でられるのを気に入った?ようで
催促?してくる
「はいはい。いい子いい子」
よしよしとすると
執事さんが目を柔らかく細めた
(‼)
初めて見てミライは驚く
(は?…笑ったの?意外。)
ふと執事さんがまたクッキーを持っているのに気づいた。
「あれまたクッキーですか?」
「………はい、どうぞ」
(苦手なんだけどなぁ)
そう思いながら手を伸ばす
フワリと甘い匂いがする
口に届く寸前で
手を叩き落された。
「え?」
クッキーは無残にも地面に落ちて
ボロリと砕ける
執事さんは
自分でも信じられない顔で
クッキーを眺めてから
真っ青な顔で走り去っていった。
「は?、、え?なんだったの?」
困惑して立ち尽くすミライだった。
〜〜〜〜
ふとライアンが、窓の外に目をやると木の陰に、にゃん子が座り込んでいるのが見えた
最近は黄色のシュシュで結んでいる筈の髪が下ろされているのに気づいて、
ちょっと声をかけることにした。
今ライアンの手首にも赤いシュシュがついている
「にゃん子ちゃん?どないしたのぉ?」
声をかけると、ビクリと肩が震えた
「あ、なんやぁ。びっくりしたしー
なあに?」
にこりと笑ってにゃん子が答える
「今日は髪、してへんの?」
尋ねると、一瞬顔がくもったように見えた
「?」
「いやーちょっぴ汚してしまったんよー!!今洗濯中だしー」
といつも通りの笑顔に
見間違いかと。
ホッとする
「そうなんやね。もうすぐお昼やし一緒に行く?」
「んーまだここにいる。先に行ってて」
にゃん子はそう言ってうつむく
「?なら、待ってるねぇ」
「…………ライアン」
「ん?なぁに?」
「………なんでもないしー」
にかっと笑って手を振られた
はいはい
ほなまた後でね
その後ライアンは何故にゃん子をもっとちゃんと見てなかったのかと
死ぬ程後悔する事になる。




