99話 成長するツバサと暇を持て余すミライ
安藤と珍妙丸は
道場の床に着いた血を拭いていた。
ツバサの血である
「安藤。お主、いくらツバサが死なぬと言ってもやり過ぎではないか?」
珍妙丸がそう言う
一応珍妙丸にはツバサは簡単には死なない能力があると説明してある
実際辺り一面血の海だった。
「あー?でもあいつがやるって決めたんだ。今更やめれねえよ」
あいつ、そのツバサはと言うと
隅の方で気絶している
流石に堪えたのだろう。
珍しく呼吸も荒い。
(……園田には絶対みせらんねぇなコリャ)
ツバサの希望でミライには最初から修行を見せない事に決まったのだ。
確かに女には刺激が強すぎる。
安藤もそう思った。
そっとツバサに近づき見下ろす
「お前の何処が弱虫だっつーんだ。
ばーか」
と安藤はポツリと言った。
〜〜〜〜
一方その頃暇を持て余したミライは
あちこちフラフラして
またもや執事と遭遇していた
2日ぶりである
「あれ?またクッキーですか?」
いつぞや味見を頼まれたクッキーらしき物を持っている。
そしてまたもや、顔に傷が出来ていた。
前ほどでは無いが額に大きな痣がある
「……また味見して頂いてもよろしいですか?」
「あーとりあえずまた手当てをしてからにしましょう」
慣れとは恐ろしいもので、ミライは
執事を座らせるとテキパキと手当てを始めた。
濡らしたハンカチで冷やしてから軟膏を塗る
「今回も自分でやったんですか?」
「いえ、、お使えしている方からの罰を受けました。」
と執事は答える
ミライは慄く
(な、なんでそんなパワハラ職場がまかり通るのっ!!労基はどこっ??)
残念だがこの世界に労基は無い
なんだか執事が哀れになって、
頭をよしよしする。
今度は自主的に
執事はミライをじーっと見ている
「そんなに、酷い職場。辞めたほうが良いですよ?最悪逃げちゃうとか?」
ミライは日本の社畜の末路を思い出す
最悪の結果になる前に逃げるのも悪くは無い
「…………逃げる」
ぽそりと執事が呟いた。
だが、また
クッキーを取り出して
「どうぞ」
と言ったきり黙り込む
「えー?、、はあ。いただきます」
やはりクッキーは甘い匂いなのに苦い
クッキーを食べるミライを見る
執事の目に一瞬複雑な色が浮かんだ様な気がした。
「あーやっぱり苦手です」
「………そうですか。」
ふとそういえば名前知らないなと
「あ、私園田ミライです。貴方はなんて呼べばいいですか?」
「名前はありません。お好きにお呼び下さい」
お前に名乗る名前はねぇっ!!って事か?
とミライはイラッとした。
とりあえず執事さんって呼ぼう。
去っていった執事さんの背中を見ながら
ミライはそう思った。




