研究所とわたし
妖精の耳飾を付けたわたしは改めて資料に目を向けます。
「どれどれ?」
ドミニオ帝国軍事研究所計画
アヤト・イシイ博士を中心として以下の研究所を設立し、軍事兵器を始めとする医療、魔法などの分野の総合的な研究を行う研究所を設立するものとする。
また、各研究所の専門は以下の通りである。
第1研究所 近接武器研究
第2研究所 遠距離武器研究
第3研究所 搭乗兵器研究
第4研究所 生体兵器研究
第5研究所 魔法研究
第6研究所 医療研究
ドミニオ帝国 皇帝
アルピニオ・L・ドミニオ
読める! わたしにも文字が読める!
どうやらここは軍事兵器の研究所か、研究所の関係施設の様ですね。
研究の内容は良くある感じですが、第4研究所の研究内容はヤバイですね。
映画や漫画なら絶対生物兵器とかが眠ってたりするじゃないですか。
わたしは手当たり次第に書類に目を通して行きます。
「成る程、どうやらこのアヤト・イシイ博士とやらは転移者の様ですね」
そして、現在わたしが生き埋めになっているのは軍事研究所では無く、アヤト博士の私的な研究施設みたいです。
このアヤト博士は拳銃や戦車、戦闘機からモ◯ルスーツの様な巨大人型戦闘兵器、と◯る科学な感じの超電磁砲などを作ろうと手広くやっていた様です。
なかなかロマンの分かる人物だった様ですが、わたし的には生物兵器はアウトです。
わたしは手当たり次第に資料をアイテムボックスに放り込むと出口を探して通路を進む事にしました。
例にもよって通路の突き当たりのドアを破壊して部屋に入ります。
ビー ビー
『登録外の魔力を検知しました』
今度は言葉が分かります。
部屋の奥からゴミ箱くんが3体現れます。
『この施設は関係者以外の立ち入りが禁止されています。
直ちに退去しない場合、武力に依る排除を実行します』
やはり、ちゃんと警告はしていた様ですね。
わたしはゴミ箱くんが銃口を出す前に水龍の戦斧を繰り出します。
先手必勝です。
スクラップとなったゴミ箱くんを避けて部屋の中を物色すると、いくつかの物品を見つけました。
これらは後でゆっくりと確認しましょう。
なかなか有用そうな物も有りました。
どうやらこの研究施設は放棄された様で残っていた物も当時からするとガラクタ扱いだった様です。
例えガラクタであっても今の時代からするとオーバーテクノロジーですからね。
わたしが入ってきたのとは、反対側の扉が出口……と言うか入口の様ですね。
扉を破壊してしばらく進むと外に続く扉が有りました。
外はどこかの洞窟の様ですね。
研究施設への扉は岩に偽装されていました。
一応、入り口は塞いでおきましょう。
さて、無事地下から生還出来たので、ガスタ街に戻りましょう。
太陽の位置から現在地が山の麓であると確認したわたしは下山の準備を始めるのでした。