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梃入れとわたし

同シリーズの『迷宮都市の盾使い』を投稿しました。

同じ世界の同じ大陸のお話です。

 世界観、ストーリー、登場人物がリンクしています。

 宜しければ目次上部の『同一世界』からご覧ください。

\\\٩(๑`^´๑)۶////

 ヨナちゃんのお母さんのタバサさんは狐人族でした。


 わたしはタバサさんの体温や血圧、魔力などを計ります。

 どうやらタバサさんはカーマイン病に罹っているようです。

 これは少々厄介ですね。


 カーマイン病の治療薬は広く知られていますが、調合の難易度が高く、また希少な材料が多く必要であり、結果、薬は非常に高価になってしまいます。


 現在、タバサさんが服用している薬を見せて貰ったのですが、この薬は病気の進行を遅らせる事が出来るもので、根本的な治療にはならないのです。


 この薬は治療薬に比べるとかなり安いのですが、それでも幾つか希少な薬草を使用する為、金貨1枚はします。

 

「わたしは治療薬を調合可能ですが、材料がありません。

 とりあえず、今服用している薬をわたしが調合しましょう。

 わたしなら材料を自分で調達出来るので格安で調合が出来ます」

「それは助かるが……良いのか?」

「はい、バントさんには安心してお店をやって貰いたいですからね。

 同時に治療薬の材料を集めます。

 かなり希少な薬草や高ランクの魔物の素材が必要ですが、フレイド様に頼めば有る程度手に入ると思います」

「へ、辺境伯様にそんな事を頼んで大丈夫なのか?」

「多分大丈夫ですよ。

  借りを作る事になりますが仕方ありません。

  まぁ、フレイド様なら無茶を言って来たりはしないでしょう」

「すみませんユウさん、私の病気の為にありがとうございます」

「気にしないで下さい。

 わたしが力を貸すのはバントさんの料理が有ったからですよ。

 感謝ならバントさんへどうぞ」


 わたし達はタバサさんの部屋を出るとまた食堂に戻って来ました。

 

「所でバントさん、わたしの故郷の料理を覚えてみませんか?」

「嬢ちゃんの故郷の料理?」

「はい、この国では見かけないのでお店に出して貰えると嬉しいのですが」

「なるほどな、良いかもしれないな。

  ウチの店はこれと言って目玉になる料理が無いからな。

  大陸の外の料理なら話題になるかもしれない」

「では、早速、幾つか料理を教えますね」

「それは有難いが…………嬢ちゃん、料理出来るのか?」




 数日後、わたしはリュミナスさん達《虹の大河》の皆さんと歩いています。


 前に依頼されたポーションの調合が完了したのでこれから取り引きを行うのです。

 しかし、ちょうど良い時間なので一緒にお昼を食べる事になりました。


「こんな裏通りに食堂があるのか?」

「こっちにはあまり来た事がないわね」

「ユウちゃんのオススメのお店なんでしょ?」

「はい、とても美味しいですよ」

「ユウの料理は美味かったからな。

  そのユウが絶賛するなら期待できるな」

「あ、着きましたよ」


  わたし達は《風切羽》に入ります。


「いらっしゃい、嬢ちゃんか。よく来たな」

「こんにちは、バントさん。

  アレを5人前お願いします」

「あいよ」


 料理が出来るまでの間にポーションの取り引きをします。

 

「こちらが約束のポーションです。

  確認して下さい」

「あぁ、マナ、頼む」

「分かったわ、ふむ……うん。

  どれも素晴らしいポーションね。

  今まで使っていた物よりかなり上質よ」

「そうか、ではこれが約束の金だ。

  確認してくれ」


 わたしはリュミナスさんから渡された皮袋に入っていたお金を数えます。

 リュミナスさん達は市場に出回っているものより格段に質が良いからと、わたしのポーションをかなり高く買ってくれました。


「お待ちどう」

「おまたせしました」


  バントさんとヨナちゃんが料理を持って来てくれました。


「ん? これはなんて料理だ? 見た事ない料理だが?」

「ほんと、知らない料理ね。

  他国の料理かしら?」

「あぁ、これはユウの嬢ちゃんの故郷の料理らしい」

「ユウの故郷?

  ってことはこの大陸の外の国の料理か」

「はい、わたしの故郷で人気の料理をバントさんに再現して貰いました。

  材料の関係で完全に同じ物を作る事は出来ませんでしたが、バントさんが研究してくれたので、かなりの出来ですよ」


  そうして、わたし達は食事を、開始するのでした。

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