健康診断とわたし
投稿ミスにより1話飛ばしていた為、《経過観察とわたし》を挿入しました。
m(_ _)m
蜂の巣を突いたような騒ぎの後、辺境伯家を出たのは日も沈み掛けた夕方になってからでした。
あれから何度か調べ直してミッシェル様が確かに妊娠されている事を確認すると、フレイド様にミッシェル様の定期的な健康診断を頼まれました。
まだ、初期の初期ですし、体調不良も別に悪阻と言う訳でも無かったので慌てる必要は無いと説明したのですがフレイド様に押し切られてしまいました。
それにしてもミッシェル様が妊娠ですか。
ミッシェル様はホビット族なので見た目は13歳くらいの少女です。
実際はフレイド様と同い年らしいのですがとてもそうは見えません。
…………凄く犯罪臭いです。
まぁ、こっちの世界では別におかしな事では無いのですが、やはり合法ロリは今まで日本人として生きて来たわたしとしては違和感があるのです。
YESロリータ、NOタッチ!
ロリコンどもが歓喜しますね。
と、言ってもミッシェル様はもう2人の子供を産んでいる経産婦なのですが……
わたしの取り留めの無い思考は、雪獅子のたてがみ亭に着くまで続くのでした。
翌日、昼前に宿を出たわたしは市場に来ています。
活気溢れる呼び込みの声を聞きながら果物や小麦粉、なるべく保存が効きそうな芋やニンジンっぽい野菜などを買い込んでアイテムボックスに詰めていきました。
ひと通りの買い物を終えたわたしは商業区と工業区の境にある孤児院を目指します。
今日は孤児院で子供達の健康診断をしようと思ったのです。
前に訪れた時にチラリと見ただけですが数人、軽い病気に罹ってた子供がいたのです。
風邪のような軽い物ですが、一応ちゃんと診察しておいた方が良いですね。
あの孤児院の子達の事は神様にお願いされていますし。
教会に入りシスターを探します。
すると、先日会ったミリアと言うシスターを見つけました。
「こんにちはミリアさん」
「あ、ユウさん、こんにちは。
お祈りですか?」
「いえ、今日は孤児院に用が有りまして、院長さんはいらっしゃいますか?」
「はい、こちらにどうぞ」
ミリアさんに案内され孤児院に有る部屋に来ました。
トントン
「院長先生、ユウさんがお見えです」
「入って下さい」
部屋に入ると院長さんは子供達の服を繕っていました。
「こんにちは、ユウさん。
今日は如何されたのですか?」
「こんにちは、実は前にお茶を頂いた時に体調が優れない子供達が居たのが気になりまして。
あの時は依頼が有り、時間が取れませんでしたが、少し暇が出来たので子供達の健康診断をさせて頂きたいと思い伺わせて頂きました」
「まぁ、有り難いお話ですがユウさんはお医者様なのですか?」
「正確には薬師です。
医療知識も有りますので診察も問題無く行えます」
「薬師で冒険者……もしかしてユーリア様の治療を行ったのはユウさんですか?」
「はい、そうですよ。
一応、身元はこの通りです。
怪しい者ではないのです」
わたしはギルドカードとガスタ辺境伯家のメダルを院長先生に見せます。
怪しい者ではないと言うのは大体怪しい奴ですが、わたしは本当に怪しくはないのです。
「た、確かに辺境伯家のメダルですね。
しかし、我が院ではユウさんの様な優秀な薬師様にお支払いする報酬はとても用意出来ません」
「いえ、報酬は要りません。
わたしが勝手に来たのですから。
勿論、治療に必要な薬代も要りません。
これは慈善活動の様なものです」
「ほんとうに宜しいのですか?
確かに子供達の中には治療院に掛かる程では無い怪我や病気の子がいるのですが」
「はい、全て治療致しましょう。
それからこの食材も寄付させて下さい」
わたしは市場で買い込んだ食材を台所や保存室に取り出すとミリアさんと院長先生に子供達の所に案内してもらいました。