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木材採取とわたし

  ユーリア様の治療から数日が経ち、わたしは現在、雪獅子のたてがみ亭に宿泊しています。


 辺境伯様は好きなだけ滞在して構わないと言ってくれましたが流石にそれは甘え過ぎです。

 まぁ、辺境伯様もわたしを取り込みたいのでしょうけど、そうは問屋が卸しません。

 

 今日はギルドで何か依頼を受けようと思います。

 お金はビビるくらい有りますが自堕落に生きていたら不味いと思ったのです。


 大きなクエストボードを見ながら良さそうな依頼を探します。


「お、これは良いですね」


『木材の入手』

 依頼内容

 ・武器の作成に使用する魔力を帯びた木材の納品

 報酬

 1本につき銀貨2枚

 備考

 武器の作成に有用な素材を入手し、納品した場合、素材に応じて追加報酬有り


 この辺りの地形になれるのに丁度良さそうな依頼を見つけました。

 その上、武器職人さんと知己を得る事が出来るかもしれない。

 依頼書を剥がし、カウンターでだらだらしているリゼさんに渡します。


「この依頼をお願いします」

「あら、おはよユウちゃん。

 ギルドカードを貸してくれる?」

「はい」


  リゼさんはわたしのギルドカードを水晶盤の上に置き手続きを始めます。

  1、2分ほどして、リゼさんからギルドカードを返して貰います。


「はい。気をつけてね」

「ありがとうございます。それとこの辺りの情報を買いたいのですが」

「どんな情報が欲しいの?」

「この街の周辺の地形と主な魔物、危険地帯や採取できる素材の情報が有りましたらお願いします」


「ユウちゃんは優秀ね。

 情報の大切さを分かってるじゃない。

 他所で自信をつけて辺境にやって来るやつらの中には情報を集めるのを面倒だと言って蔑ろにする人も多いのよ。

 そう言う奴は大抵さっさと逃げ帰るか死ぬかなんだけど」


 リゼさんはそうぼやきながら何冊かの冊子を取り出しました。


「はい、この辺りの情報よ。全部で銀貨2枚ね」

「はい」


  わたしは銀貨を支払い、冊子を受け取るとギルドを後にしました。


 門を出てシリウスと森を目指します。

 ギルドで買った情報によるとこの森によく出るのはオーク、ゴブリン、フォレストスネーク、マッドウルフ、トレントなどの魔物です。

 冊子にも書いて有りますがこれはあくまで『よく出る魔物』であり、更に高ランクの魔物が出る可能性も有ります。

 わたしは警戒しながら森を進み良さそうな木を探します。


「この辺りの木はかなり魔力を帯びていますね」


 大きさもなかなかです。

 この辺りで少し木を取っておきましょう。

 わたしは戦斧を取り出し、魔力を流します。

 

 ヒュ


 戦斧を一振りして1番魔力を帯びた木を採取しました。

 木をアイテムボックスに収納した瞬間、ゾワリとした感覚が背中に走りました。


 近くの大木を背にして辺りを警戒すると50メートル程先の木の後ろからオークが現れました。

 数は7匹、内の1匹はオークリーダーです。

 わたしはシリウスを送還すると入れ替えにデネブを召喚します。


 デネブは無音で飛翔しオークの後ろに回り込ませます。

 3匹のオークが手にした弓で矢をはなちました。

 わたしは戦斧を素早く振り、矢の2つを弾き、残りの矢を躱します。

 オーク達に指示を出そうとしたハイオークの背後からデネブが鋭い爪を振りかざし喉を引き裂きました。

 ボスを殺されて慌てるオークに接近して2匹同時に首を切り裂きます。

 

「縛れ 束縛の蔦 グリーンバインド」


 残りのオークを木魔法で拘束すると順次首をはねていきました。

 オークとの戦いを終えたわたしは更に森の奥を目指します。


 30分ほど歩くと、なんとトレントの群れを見つけました。

 トレントは木の魔物です。

 これは武器などに広く使われる高級素材です。


「これはラッキーです」


  わたしの戦斧が血(樹液)を求めています。




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