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リゼさんとわたしと昔話

お久しぶりです。

_:(´ཀ`」 ∠):

「お前はそんな適当にあの技を扱っていたのか?」

「ちゃんと考えているわよ。ズズズっと変換するのに結構コツがいるのよ?」


 セシルさんの呆れた様な問いかけにリゼさんは何故か自信有り気に答えています。


「わかるか!だいたいどうやってあの技を身につけたんだよ」

「ああ、魔力を凝縮する方法はエンシェントドラゴンと戦った時に習得したわ。

 エンシェントドラゴンのブレスは周囲の魔力を口元に凝縮して放つのよ。

 それを真似して見たら上手く行ったわ」


 なんて非常識な人なのでしょうか……。

 そもそも自然界の魔力をそう簡単に扱えるのもおかしいです。


「リゼさん……人間ですよね?」

「当たり前でしょ!」

「いや、自然界の魔力を扱うなんてハイエルフでもなかなかいないぞ」

「リゼさんは昔から非常識だったんですかね?」

「そりゃそうだろ。きっとガキの頃から魔物とか狩ってたに違いない」

「あんた達……怒るわよ?」


 少しからかい過ぎた様です。


「すみません。ではリゼさんはどんな子供だったんですか?」

「普通の子供よ。私はミルミット王国の田舎の村の生まれでね。

 物心ついた時にはすでに両親は居なかったけど、村長夫婦に育てて貰っていたわ」


 意外に普通ですね。


「でもある日、村が盗賊に襲われたのよ。

 男は殺されて女子供は違法の奴隷商人に売り払われたわ」


 予想外に重い話になって来ました。

 セシルさんも気まずそうな顔をしています。


「それは……えっと……」

「ああ、大丈夫よ。もう随分前の話だからね。

 王都に連れてこられた私は、隷属の首輪を付けられる直前に逃げ出す事が出来たの。

 それからはスラムでスリや搔っ払いをして生活していたわ」

「何故そこから冒険者に?」

「あー冒険者だったゴルドからサイフを搔っ払ったのよ」

「ゴルド?」


 知らない人物が出て来ました。

 誰の事でしょうか?


「ガナの街の冒険者ギルドのマスターよ」

「ああ、あの筋肉ですか」


 ハゲ筋肉として覚えていました。

 アレがスマートなシルバさんと兄弟だと驚いた物です。


「その筋肉よ。ゴルドに捕まって拳骨と串焼きを貰ってね。

 ゴルドがリーダーをしていた《天馬の手綱》と言うパーティで見習いとして数年間、冒険者としての知識や生き方を教わって独立したのよ」

「そうでしたか」

「意外と苦労してんだな」


 リゼさんの過去話を聞いている内に広場に到着しました。

 広場では若いハイエルフが剣を振ったり、魔法の講義を受けています。

 ところで、魔法を教えているのは老人達だと聞いたのですが、どう見ても30代くらいですね。

 ですがハイエルフは見た目では年齢が分かりません。

 セシルさんが老人だと言うのなら彼等は老人なのでしょう。

 わたしはその老人達に塩や鉄と引き換えに指導を受けれる様に交渉するのでした。

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