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鉄とわたしと物々交換

新年明けましておめでとう御座います。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。

m(_ _)m

 ハイエルフの里に繰り出したわたしとリゼさんは商品を広げる商人さんを冷やかしながら里を見物して回ります。


「おお、この薬草は希少な物ですよ。

  状態もいいです」

「目利きだな人間の嬢ちゃん。

 お前さん達が世界樹の魔物を退治した人間だろ?ゆっくり見てってくれ」

「はい、ありがとうございます。

 この里では人間のお金は使えるのですか?」

「お金?ああ、人間が取引に使うアレか。

 悪いがこの里では使えないな。

 貰っても使い道が無い」

「ではハイエルフの里ではどうやって取引をしているのですか?」

「基本的には物々交換だな」

「なるほど」


 ハイエルフは種族的な特徴として子供が生まれ難いらしく、集落の規模も村以上町以下と言ったところです。

 そんな場所だからお金は流通していないみたいですね。


「ではその薬草と何か交換して貰えませんか?」


 わたしはアイテムボックスから魔物の素材や食糧、不要な道具などを取り出して見てもらいます。


「おお、この装飾品は綺麗だな」


 薬草を売っていたハイエルフは金属を使った装飾品を手に取りました。

 確かに綺麗な装飾品ですが、宝石や貴金属ではないのでそこまで高価な物では有りません。

 いつだったか盗賊を討伐した時の戦利品の1つです。

 わたしが不思議に思っているとリゼさんが理由を教えてくれました。


「ハイエルフには装飾品として金属を加工する文化が無いのよ。

 此処では金属は希少品だしね」


 確かに此処はガイアトータスの甲羅の上でしたね。

 ハイエルフ達が金属を手に入れるには下に降りて強力な魔物のがひしめく魔境を探索する必要があります。

 かなりのリスクが有る為、剣などの武器を優先して、装飾品などに回す余裕は無いのでしょう。

「それとコレもいいな」

「それは塩ですね」


 少し前にミルガンの街で買った塩です。

 ミルガンの塩はとても品質が良いので定期的に買いに行っています。

 

「コレは海水から作った塩だろ?

 この里では主に岩塩しか出回っていないからな」


 ガイアトータスの甲羅では岩塩が採れるのでしょうか?

 それもと定期的な下に採取に行くのか……もしこの甲羅の上で取れるならそれはそれで不思議です。


 海水に関して知っているのは、かつて海を見た事があるハイエルフが居るそうです。

 アクセサリーと塩を渡し、いくつかの希少な薬草を貰うことが出来ました。

 良い買い物……良い交換でした。


 薬草を手に入れたわたしとリゼさんは、家具職人さんにわたしの家具を頼みに行っていたセシルさんと合流して里の老人達のところに向かっています。


 そこでは、老人達が若いハイエルフに魔法や剣術を教えているそうです。

 わたしは、そこで魔力の扱いについて少しアドバイスを貰おうと考えているのです。


「しかし、魔力の扱いならリゼに聞けば良いんじゃないか?

 ユウが最後に使った技は属性はちがうがリゼの技と本質は同じだろ?」

「そうなんですがね……」


 セシルさんの言葉に、わたしは苦笑いを浮かべました。


「私ならいつでも教えてあげるわよ?」

「では、リゼさんはどうやってあの技を使っているのですか?」

「それは、魔力をガッと集めてギュッと固めてズズズっと変換してバッと放つのよ」

「…………」


 わたしが無言でセシルさんに視線を向けると、半笑いを浮かべたセシルさんがいました。


「雑すぎるだろ……」

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