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薬師のユウさん、大斧担いで自由に生きる  作者: はぐれメタボ
第二章《暗躍する魔族》
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◆見慣れぬ飛空船

「菓子屋か」


「はい、近い内に開店する予定らしいですよ」


 フレイド様にミーナさんのお店が開店する事を教えます。


「ユウ様がたまに持って来てくれたお菓子ですよね?その支店がこの街に出来るなんて嬉しいですわ」

「ええ、あのロールケーキと言うお菓子は絶品でしたからね」

「私はリーフパイが好きですわ、サクサクの食感が楽しいです」


 ミッシェル様とユーリア様も嬉しそうに話しています。

 アルさんは騎士団を率いて街の周囲や街道の魔物の討伐に出ていて不在です。

 これも領主になる為に必要な事なのでしょう。


「ふふふ、楽しみですね」


 楽しそうな女性2人と同様にわたしも楽しみです。

 

 最近ではわたしが教えた物から発展させた新しいロールケーキなども出て来ましたからね。


 ちなみに、わたしの隣では貴族に褒められ、更に期待されて顔色が薄くなっているミーナさんが居るのでした。 南無三。


 ミーナさんのお菓子屋の話がひと段落した所で、わたしは瓶を1つ取り出しフレイド様に差し出しました。


「フレイド様、こちらを試してみて下さい」

「コレは?」

「お酒です」

「これが……酒?」

「お酒ですか?」

「まるで水のように透き通っていますね?」

「はい、リュウガ王国で手に入れた穀物で作った『清酒』です」


 リュウガ王国のお米屋で見つけたのはお米や米麹だけでは有りません。


 大粒で軟質な酒米を見つけたのです。


 この酒米は普通のお米のように食べるにはあまり適しておらず、リュウガ王国では家畜の飼料として扱われていました。

 そこを大量に購入したのです。


 シアさんにもに輸入を頼んでおきました。


 わたしはシルバさんが持って来てくれたグラスに清酒を注ぎ、みんなで味見をするのでした。





 数日後の事です。


「見慣れない船ですね?」


 わたしは誰にともなく呟きました。


 現在はガナの街とガスタの街の中間くらいの場所……その上空です。


 一旦、ガナの街に帰ると言うミーナさんを送り届けた帰り道、所属不明の飛空船を見つけたのです。


 テレサ様の飛空船よりもはるかに小さい飛空船ですが、それでも数十人は乗れるサイズです。


 何より不審なのは国や貴族、又は商会などの所属を示す印が一切ない事です。

 別に無いと違法と言う訳では有りませんが、普通は紋章なり、商会名なりを掲げる物です。


 距離を取って不審な飛空船の周りを周回しながら観察していると、彼方もわたしに気が付いたのか、甲板が慌ただしくなって来ました。


「ん?アレは……」


 甲板で指示を飛ばしている男の顔に何となく見覚えが有ったわたしは、アイテムボックスから紙束を取り出して1枚1枚確認して行きました。


「有りました!」


 紙束から抜き出した1枚にはあの甲板の男とそっくりな似顔絵が描かれています。


「成る程、アレは盗賊団でしたか」


 わたしが手にしている紙束は冒険者ギルドで貰った手配書です。


 あの男は賞金首だったのです。


「そうと決まれば話は早いですね」


 わたしはいつもの様に盗賊を潰すべく、飛空船に向かって行くのでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] ユウさん歩けば(飛べば)盗賊に当たる。飛行艇持っているなら其れなりに溜め込んでいるかな。オリオンで移動も良いけど飛行艇奪ってちょっとした移動手段にするのも良いかな。そこそこの人数運べそうです…
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