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薬師のユウさん、大斧担いで自由に生きる  作者: はぐれメタボ
第二章《暗躍する魔族》
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◆隠れ里

 マグタフの指示に従って飛ぶ事30分程で、森の中にある小さな集落に到着しました。


 わたし達が門の前に降りると槍を持った男達が現われます。

 

「まて、俺だ」

「マクベス様!」


 わたしの後ろから現れたマクベスに気付いた男達は慌てて槍を下げました。

 

「里長の所に案内してくれ、大事な話がある」


 男達の後に続いて村の中を歩いていると多くの人々がマクベスに深く頭を下げています。

 マクベスが彼らを助けたと言うのは本当なのでしょう。


「ローガン! シシリー!」


 マクベスに頭を下げる人々の中から1人の男性が飛び出してきました。

 男性はわたしの隣にいた親子の方に駆けてきます。


「兄貴!」

「アレント叔父さん!」


 どうやら彼は2人の親族だった様ですね。

 

「兄貴、何で……ダンカン王子に殺されたはずじゃ……」

「ああ、危ない所をマクベス様に助けて頂いたんだ。

 ダンカンに楯突いた俺が生きていると知られると家族に迷惑がかかる。

 だからこの村で身を隠していたんだ。

 俺と同じ立場の者は沢山いる」

「アレント」

「マクベス様!弟と姪をお救い下さり、ありがとうございます」

「俺に礼など言われる資格はない。

 そもそも俺達王族の不始末で民に苦痛を強いているのだ。だから礼など言わないでくれ」

「マクベス様……」

「アレント、ローガンとシシリーを案内してやってくれ。俺達は里長に話がある」

「はい、畏まりました」

 

 ローガンさんとシシリーさんの2人と別れたわたし達は、村の1番奥の少し大きい家に案内されました。


「ようこそお越しくださいました、マクベス様」

「久しいな、爺」


 里長として紹介された老人は、かつてマクベスの教育係だったそうです。

『爺や』ですね。


 マクベスはわたしに巨大キメラの討伐を依頼した事を話し、とうとう反乱を実行する事を伝えました。


「そうですか、ついに……この村にいる兵士と志願兵はこの日の為に修練を積んで参りました。

 直ぐにでも戦えます。どうぞ役立てて下され」

「決行は3日後だ。

 この村の戦力は明日、王都に向けて出発し後詰として働いて貰いたい。

 王都に向かう部隊の指揮はマグタフに任せる。

 爺と協議して部隊を編成してくれ」

「はっ!」


 マクベスはしばらく指示を出した後、王都に戻るというので再度、オリオンを召喚して送ってあげました。


 わたしは隠れ里に戻って、決行までの間、里長さんの所でお世話になる事になったのです。


 準備の間は暇なので里に残っている老人、子供などの非戦闘員に会ってみると、慣れない森の中の暮らしで体調を崩している人が何人かいました。


 なので暇な間、薬師として商売をしようと思います。しかし、この里の人々はあまりお金を持っていません。

 なので、物々交換です。


 村人から薬草や香草などを買い上げ、傷薬や解熱剤などを売ります。

 こう言った人里離れた場所にある村などでは意外と希少な薬草が手に入ったりするので便利な方法です。



 さて、出張薬師をして過ごす事3日、今日はキメラを斬りに行く日です。


 特に準備などは必要ないのでサクッと行ってサクッと斬って捨てましょう。

 わたしの新しい愛斧、ピリオドの力を試してやります!

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― 新着の感想 ―
[一言] 他は悲壮かもしれないけどユウさんはのんびりですね。
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