◆温泉回
静かな夜の闇を灯りのマジックアイテムが照らし出し、立ち昇る湯けむりと混ざり合い、幻想的な空間を作りだしています。
此処はリュウガ王国の王都の外れにある高級宿自慢の天然温泉です。
ちゃぷ
「ユウ先生、怪我の方は大丈夫なんですか?」
わたしは隣で湯に浸かるシアさんの質問に答えを返します。
「ポーションで治療しましたから大丈夫ですよ。
造血剤も飲んだので、後はご飯を食べて、ゆっくりしていれば問題ありません」
「そうでしたか」
わたし達は身体を湯に沈めながら雑談を続けます。
ばしゃ
いい加減のぼせそうになったのか、わたしの隣で湯の中から立ち上がるばしゃばしゃと言う水音が聞こえました。
わたしがチラリと盗み見ると、流石、良い身体をしています。
細っそりとした首筋から水滴が身体を伝い下へと流れ落ちて行きます。
人形の様な顎から星の重力に引かれた湯が滴り、豊満な胸に受け止められます。
着痩せするタイプなのか、温泉に入る前はスレンダーな印象だったのですが、豊かな母性の象徴を持ち、腰はキュッとくびれが有り、お尻は人気の高い安産型です。
手足も細っそりとしていますが、折れそうなどと言うわけではなく、程よく筋肉が付き、引き締まった健康的な肉体です。
体全体のバランスが良く、芸術的な肉体美を持っています。
彼女の肩から流れ出た水滴が、肩甲骨のあたりを通り、くびれた腰を流れ、蠱惑的なお尻へと差し掛かり、美しい鱗の上を走り抜け尻尾の先からまた湯の中に戻って行きました。
「じゃあ、ユウ、シア、あたしは先に上がるね。
明日の試合、観に行くから。
おやすみ~」
「はい、ありがとうございます。
おやすみなさい」
「おやすみなさいませ。サハナさん」
そう言ってグラマラスで素晴らしい肉体美を持ったサハナさんは温泉から上がりました。
やはり、リザードマンは長湯は出来ないのでしょうか。
ん?
サハナさんですか?
彼女はさっき温泉に入る前に知り合ったリザードマンの(多分)美女です。
サービスの為、彼女の描写は多めにしましたよ?
特別ですよ、この助平ぇ。
些細な疑問なのですが、卵生であるらしいリザードマンに何故乳房が必要なのでしょうか?
…………は⁉︎
まさか…………胸筋⁉︎
閑話休題
「ユウ先生は大会の後何かやりたい事は有りますか?」
「そうですね。この国食べ物も気になりますが服も良いですね」
「ああ、リュウガ王国の民族衣装ですね。
わたくし達の国服とはかなり違いますからね。
あの服は後ろ側に深いスリットが入っているのですよ」
「そうなのですか?」
「はい。リザードマンの方々は、わたくし達が普段着る様な衣服では尻尾が邪魔になって着心地が良くないらしいのです」
「ああ、尻尾ありきの服なのですか?」
「はい。でも人間用にスリットの浅い物も有りますから、後程クルーガー殿下に良い店を紹介して頂きましょう」
「そうですね。あと、留守を任せている弟子にお土産も買わないと……」
こうして、わたしとシアさんはゆっくりと長湯を楽しんだのです。




