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相談とわたし

誤字報告ありがとうございます。

m(_ _)m

「遠征ですか?」


 わたしがおうむ返しにした言葉についてサマリオ先生が説明してくれます。


「はい、最終学年の生徒を連れて王都郊外の森に行くのです。

 そこで成績上位の生徒には課題を与え、成績下位の生徒は教員監督の下で野営などの実地講習を行うのです」

「なるほど、わたしも引率として参加するのですよね?」

「はい、参加して頂けると助かります。

 毎年、必ず何人かの怪我人が出ますし、十数年に一度くらいには死人もでる事があるのです。

 ユウさんの様に優秀な冒険者であり、薬師の心得もある方に同行して貰えると

 大変心強いのです」

「死人もでる事があるのに遠征をやるのですか?」

「はい、この学院の伝統ですので」


 うーむ、クレイジーです。

 日本ならモンスターペアレントに速攻で潰されますよ。


「ユウさんには森の見回りと怪我人の救護をお願いしたいのですが、よろしいですか?」

「はい、分かりました。

 現地での生徒達の野営や行動に関しては一切口を出さない方がいいのですか?」

「そうですね。

 命の危険が無い限りは現地での行動は生徒達自身に判断させて下さい」

「分かりました。

 わたしも遠征までに薬などを用意しておきます」

「お願いします」


 連絡事項を伝え終わるとサマリオ先生はいそいそと立ち去っていきました。

 サマリオ先生はいつも忙しそうです。

 わたしもそろそろ教室に向かいましょう。


 今日は薬草学の講義をする予定です。

 今回は、Sクラスだけではなく、手の空いている教職員さんや王宮の医師さんと薬師さんなども講義を聞きにくるそうです。

 その為、いつもの教室ではなく、広い講義室を使います。



 わたしが講義室に入ると、すでに座席は全て埋まっていて、1番前の席にSクラスの皆さんが座っています。


 座席の後ろには立ったまま講義を聞こうとしている教職員もいます。

 わたしは教卓の前に立つと基本的なポーションについて話し始めました。


「つまり、下級ポーションを調合する時に、ななの実の皮を煎じた物を加える事で、効果を維持したまま使用期限を約1カ月伸ばす事が出来るのです」


 カーン、カーン


「おや、今日はここまでですね。

  では、また次の授業で」


 わたしは手早く荷物を纏めると講義室を後にしました。

 あまりグスグスとしていると王宮の医師さんや薬師さんに囲まれそうでしたからね。

 さっさと離脱してお昼を食べに行きましょう。




「あいよ、お待ち」

「ありがとうございます」

「沢山食べて大きくなるんだぞ」

「ははは…………」


 わたしが食事をとっているのは学院の食堂、所謂学食ってやつですね。

 安くて多くて早いと言うまさに若者の為のお食事処です。

 味は少し濃いめですがなかなか美味しいです。

 

「ユウ先生」

「はい?」


 食事を終えたわたしは食後のコーヒーを飲んでいたのですがそこにマーリンさん達、Sクラスの皆さんがやって来たのです。


「どうしたのですか?

 先ほどの講義で何か分からない所でもありましたか?」

「いえ、素晴らしい講義でした」

「講義の質問ではなく、今度行われる遠征の準備について、アドバイスをいただきたいのです」


 どうやら遠征の準備の一環の様ですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 遠征は見回りと救護みたいですね。ユウさんがサンダーバード呼んで見回りすると森の魔物がパニックになりそうだからサイレントオウルのデネブと同調しながらの見回りかな。
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