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図書館とわたし

 朝、見慣れない天井が目に入って来た為、少し混乱したわたしですが、昨日Sクラスの皆さんと挨拶した後、教職員の寮に案内してもらったのでした。


 わたしの受け持つ授業は模擬戦と薬草学です。


 模擬戦はSクラスだけですが、薬草学は受講を希望する生徒、そして時間のある教職員や王宮の薬師なども受講したいそうです。


 まぁ、人数が多くても少なくてもわたしがやる事は変わらないので構いません。


 わたしはいつものローブに着替えると部屋を出ました。

 階段を降りて1番手前の部屋に入ります。

 ここは教職員用の食堂です。

 

「おはようございます」

「あら、おはよう。

 お嬢ちゃんが新しく来たって言う先生かい?」

「はい、臨時教員のユウです。

 よろしくお願いします」

「あたしはマーサだよ。

 見ての通り、食堂のおばちゃんさ。

 よろしくね、ユウ先生」


 わたしはマーサさんから朝食を受け取ると空いている席に座りました。

 今日の朝食はパンとスープ、塩漬け肉の細切れが入ったスクランブルエッグです。

 シンプルですが美味しいです。


 教職員は講義がある日はここで朝と夜に食事を取ることが出来るそうです。

 昼は学院の食堂や外のお店で食べる人が多いと聞きました。

 わたしの授業は明日からです。


 今日は本来なら部屋の整理などに充てる時間なのでしょうが、わたしにはアイテムボックスが有るので特に整理する必要はないのです。


 なので、今日は図書館に行ってみようと思います。

 わたしの【魔眼】について何か分かるかも知れません。


 食べ終えた食器を片付け、マーサさんにお礼を言って食堂を出ました。

 外に出てしばらく歩きます。


 校庭では生徒達が的を狙って魔法を放ったり、木剣を打ち合ったりしています。

 しかし広いです。

 流石、国が運営する学校です。


 そして、わたしの目の前に大きな建物が見えて来ました。


 ここが図書館ですか、早速中に入りましょう。

 図書館の入り口にある管理室で大体の場所を聞いたわたしは、図書館の2階の一角を調べています。


 この辺りには【魔眼】に関する本が纏まっているらしいです。


 それにしてもとんでもなくデカイ図書館です。

 地上だけでもデカイのに地下は地上以上に広いそうです。


 2年前に事件があったそうで生徒が地下に入るには教員の立会いが必要だそうです。

 わたしは問題ありません。

 教員ですからね。


 ところで地上はいいとして、地下にこんな巨大な空間をどうやって作ったのでしょうか?

 地下水道に続く隠し通路まであるそうですし、一体誰が作ったのか気になりますね。


「おお、見つけました」


  1時間ほどで【魔眼】について書かれている本を見つけました。

 その中にわたしの【魔眼】に該当する記述が有りました。


【威圧の魔眼】


 視界に映した相手の疲労を倍加し、威圧感や恐怖心を与える。


 なるほど、やはりバイコーンや盗賊に効果を及ぼしていたのはこの【威圧の魔眼】の様ですね。

 それに、辺境伯邸での模擬戦でアルさんがやけに疲弊していたのもこの【魔眼】の所為だったようです。


 後は制御できる様になるだけですね。

 まさか、1日で【魔眼】の事が分かるとは思っていませんでした。


 この図書館にはまだまだ読みたい本が沢山有りますし休みになったらここで本を読むのもいいですね。


 明日には模擬戦の授業が有るので今日は程々にしておかなければいけませんね。


 そう思った自制心溢れるわたしは、夜になり、管理人さんが帰るので、と言われるまで本を読み続けたのでした。

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