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幕間 設定公開・ベアトリス

月に一度の和ダンジョン設定公開。

 書くのが遅くなって誠に申し訳ない。色々と本業の方が忙しいので……8月頭で仕事が落ち着くので、更新再開の予定です


 今回は代々木編の最後に登場した欧州聖堂騎士団の英国支部団長、ベアトリス・モルガン・アッシャーヴァナムです。


 相変わらず本編にはあまり関係ないので、読み物としてお楽しみください。


 55歳の女性。

 身長は150センチほど、銀色のウェーブがかかった短めの髪で見た目は小柄で優し気な女性です。


 欧州聖堂騎士団の英国支部の団長です。

 名門貴族の当主であり、夫の死後は貴族家の当主を務めてきました。


 先祖から引き継いだ広大な土地に加えて、複数の企業を所有しています。

 英国でも有数の名門であると同時に、莫大な富を有する大富豪でもあります。

 


 能力は七人の魔女(カェル・ロイウ)という名の剣を作り出すこと。

 見た目は仕込み杖のような簡素な見た目の短めの両刃の剣です。


 刀身に魔素を纏わせることにより斬撃を強化したり、魔素を放出して遠距離攻撃をしたりする他、魔素を盾や結界のように収束させて防御をすることもできます。

 

 この能力だけなら似たような能力持ちは多いのですが、これに加えて周囲の魔素を吸収し続けるという能力を持っています。

 このため、攻防のおける魔素の消耗を殆ど気にすることなく戦うことが可能であり、本人が疲労やケガで戦闘不能にならない限り、継戦能力はほぼ無限です。


 堅い防御と遠近両方をカバーする強力な攻撃力、魔素を収束することによる継戦能力を併せ持つ、欧州最強の聖堂騎士の一人です。

 魔討士では甲の一位相当。

 


 ダンジョンが現れて大きな混乱が起こり、同時にダンジョンの中で戦うことができる者がいることが知られるようになってすぐに貴族の義務として素質の診断を受けました。


 その結果、素質がある事が分かったのですが、本人は当然の如く剣を握ったことなどなかったので、能力に目覚めてから老齢ながら剣の稽古や戦闘の訓練を受けて戦いに身を投じました。

 どうせなら魔法使いのような能力が良かった、とは当人の弁。


 当時は戦力が足りなかったことに加えて、強力な能力であることも相まって英国のダンジョン討伐の主力として活躍。

 家柄の良さもあって欧州聖堂騎士団が正式に発足したときに、英国支部長に就任しました。


 その後も英国のみならず欧州各地のダンジョン討伐で功績をあげています。

 彼女の活躍もあり、英国支部は聖堂騎士団の中では大きな発言力を持っています。



 欧州では現在、日本では新宿系と呼ばれる系統のダンジョンの発生が多発しており、民間人、聖堂騎士のいずれにも多くの被害が生じています。

 足りない人員を補うために「たとえ弱くともその戦いに挑む信念が重要であり、能力があるものは誇り高く戦うべき。それが騎士道である」という主張、というかピーアール活動をしています。


 これは効果を上げていますが、一方でそれに載せられて血気盛んだったり手柄を上げて立身を夢見る若く未熟な能力持ちの犠牲が増えているという面もあります。


 聖堂騎士団の内部の身分差の問題や、綺麗事で未熟な能力持ちを死地に送り込んでいる姿勢には批判はあります。

 セスをはじめとした若手に反感を持たれていることも勿論知っています。


 こうした批判の一方で、団長となった今も危険な最前線で戦い続けており、勇気あるリーダーとして尊敬もされています。

 最前線で戦うのは、自分が若者を死地に送り込んでいることの贖罪でもあります。

 あまり知られていませんが、私財を投じて聖堂騎士団を通じて戦死者への補償も行っています。



 本人の聖堂騎士としての能力に加えて頭脳も明晰です。

 また名門貴族と言う立場上、欧州各国の政財界に非常に広い人脈を持っており、組織のリーダーとしても高い手腕を誇ります。


 しかし本来の性格的には戦闘などにはあまり向いておらず、必要に迫られて強いリーダーを演じている面があります。

 貴族の当主としても経営者としても、対立より融和的な対応を好んでいました。


 こんな感じなので若手が早く出てきて自分は引退したいと思っています。

 しかし圧倒的な能力と指導力のため、それが許される状況ではないのが悩みの種です。



 趣味は食事と絵画鑑賞、ペットの猫と遊ぶこと。

 かなりの美術品のコレクションを持っており、若手アーティストの支援にも熱心です。

 

 ちなみに夫は10年ほど前に病気で死去しています。

 家族としては男女二人の子供と孫が3人います。


 夫は家業の経営に辣腕を振るった優秀なビジネスマンであり、アッシャーヴァナム家の経済力を大きく発展させました。

 息子はその商才を受け継いでおり、現在は家業(貿易、不動産業)を経営しています。


 一方で子供には聖堂騎士としての能力は一切受け継がれませんでした。

 もし受け継がれていたら立場上、聖堂騎士団に志願させなくてはいけなかったので、能力が無かったことを内心安堵しています。



 欧州では新宿系のダンジョンが日本より多発しています。

 理由は不明ですが、八王子系や奥多摩系のダンジョンは殆ど出現していません。

 

 新宿系のダンジョンは欧州では魔素文明フロギストン・シビライズと言われています。

 新宿系のダンジョンに現れるのはキューブや球体のような人工物のような見た目で、これはモンスターではなく魔素文明が作り出しているドローンのようなものです。


 奥多摩系の知性のある蟲は、知性はあるものの、其処まで複雑な思考を巡らせたりするわけではなく、戦闘においての戦術を判断する程度の知性しかありません。

 一方、魔素文明フロギストン・シビライズは明確な知性があり、人間を誘拐したり能力持ちを唆して支配下に置くようなこともしています。


 個々のドローンがかなり高い戦闘力を持つことに加えて、魔素の操作技術が高く任意の地点に意図的にダンジョンを発生させることも可能です。

 聖堂騎士団スペイン支部は一度本部に突然ダンジョンが現れて大きな犠牲を出しています。

 大阪編で元村が梅田の地下街で決闘場としてダンジョンを展開しましたが、これも彼らの技術によるものです


 このような感じで明確に敵対ではあるのですが、単純な侵略や攻撃というより、人間の思考や行動パターンを探っているような気配もあります。

 しかし、今の所彼らの意図や目的は聖堂騎士団も測りかねています。

 少しだけ次章の予告。

 色々とあって檜村さんが3位を目指す章になると思います。

 お楽しみいただけると幸い。

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