幕間・設定公開 梅乃輪泰示
どうも、誠にお待たせしております。
本業はまだ忙しいのですが、書く精神的な余裕がようやく出てきたので、此方も再開します。
本編再開前に令和ダンジョン設定公開。
今回は富山編に登場した公務員魔討士、梅乃輪泰示です。
相変わらず本編にはあまり関係ないので、読み物としてお楽しみください。
43歳、富山出身。
180センチ近い長身でやせ型。短い黒髪に色白で、見た目は細身のインテリ風であまり魔討士には見えません。
南砺市の、南里城輪流鎖鎌術という忍術の流れをくむ古流の鎖鎌術を伝える家に生まれました。
小さいころから鎖鎌の技術を仕込まれて育ちました。また本人にも適性があり、小さい頃から後継者として親の期待を一身に背負っていました。
しかし友達と遊んだり好きなスポーツしたりとかそういう自由もなく、鎖鎌の修行を強制する親に反感を持ち続けていました。
鎖鎌の修行が自分の将来にプラスになるビジョンが見えなかったというのも不満のタネでした。
そんな経緯もあり、大学進学は親の反対を押し切って東京の大学に進学。
大学では優秀な成績を収めて大企業に内定を取り、積年の不満をぶちまけて親と断絶しました。
その後はエリートサラリーマンとしてキャリアを積んでいましたが、野良ダンジョンに遭遇して家族を目の前で殺されかけて能力に覚醒。
辛くもダンジョンマスターを倒し、その場を修めます。
15年以上鎖鎌を使っていなかったにも関わらずその場で鎖鎌で戦えたこと、それによって家族を救えたことは、少年時代から押し付けられた修行の賜物でした。
しかし、その時にはすでに父親は失意のうちに病気で他界しており、自分が卒業したときに言ったことを謝れなかったことを後悔しています。
その後、父への贖罪のためと受け継がれた技が無駄なものではなかったということの証明のために、体を鍛えなおして魔討士としての活動を開始。
甲の7位に上がったところで富山県からスカウトを受けエリートサラリーマンの道を捨てて専業魔討士に転身しました。
6位になると同時に正式な契約を結び富山に移住しています。
移住と転職の際は収入も住環境もかなり変わるため妻と揉めましたが、妻がキャンプやスキーとかのアウトドアの趣味を持っていることが幸いして、なんとなく富山に馴染みました。
◆
今は富山県の公務員魔討士として主に野良ダンジョンの対応に当たっています。
富山の他の魔討士と共同で富山市の定着ダンジョン一つを攻略しました。
魔討士になった経緯もあり、後進の指導や討伐活動には熱心です。
討伐活動の傍らで、富山市内で鎖鎌の道場を開いています。地元出身の魔討士と言うことで人気者です。
また、エリートサラリーマンの経験から、様々な交渉や駆け引きを経験しているため、魔討士としてだけではなく県庁内で頼られる場面も多くなっています。
◆
能力は鎖鎌を作り出すというもの。
20メートル近くまで鎖を伸ばせるため、武器使いながら甲類に分類されました。
鎖の最大射程は20メートルで、その距離でもビール缶くらいのサイズのものを狙い撃ちできる攻撃精度を持ちます。
鎖は本人のイメージで動くため、実は投げるとか手元で操作する必要はありません。
しかし使い手のイメージが鎖の操作においてかなり重要なので、鎖の操作精度の高さは本人の技術の賜物です。
振り回す鎖は点の攻撃ではなく線の攻撃であるため、攻撃する時でも進路妨害などの防御的な使い方でも威力を発揮します
また至近距離でも鎖と鎌で乙類中位なみに戦えます。
狭い所では不利と思われがちですが、鎖の操作技術が高いため狭いダンジョン内での戦闘も苦にしません。
能力そのものの性能の高さより、使い手の技術が高いタイプであり、この点は同じ古流使いである斎会将太に似ています。
攻防に隙が無い能力ですが、一撃の破壊力には欠けるという欠点も持っています。
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趣味は投資とキャンプ、子供とのボール遊び。
息子と娘がおり、息子は野球、娘はサッカー好きですが、持ち前の器用さでサッカーもキャッチボールもこなしています。
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魔討士はその活動に対しての強制力がほとんどなく、どこでどう戦うかは基本的には魔討士に任されています
このため魔討士の分布には明確な偏りがあり、人口比と同じで地方には少なく、都会には多くなっています。
この偏りは当然問題視されており、東京をはじめとした都市部への集中を是正する試みは色々となされているのですが、今のところ今一つ機能していません。
一方で野良ダンジョンの発生については人口比は全く関係ないので、対応の重要性はどこであっても変わりません。
こんな経緯もあり、各地の魔討士協会の支部は独自に勧誘活動に勤しんでいます。
多くは梅乃輪と同じように専業魔討士として公務員待遇で雇用するという形です。
また、作中で片岡君が地方の大学に誘われていたりしているのもその一環です。
その地方に来てもらって馴染みというか縁を作って、そのまま卒業後もその地方にとどまってもらおうとするわけです。
伊達睦美がフォレストリーフ・ウイザーズギルドを仙台で設立したのは、自分の出身地であるというのもありますが、地方の魔討士の少なさを問題視してその解決のためでもあります。
この魔討士の分布数が全く改善されないことは地方組織と東京本部との軋轢や不信感を生み出しています。
これは地味に魔討士協会の問題となりつつあり、木次谷たち東京本部の首脳陣の頭を悩ませています。
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