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決闘の約束

 ★お知らせ★


 一話抜けてたので修正しました。三話ほど前からさかのぼってください。

 我ながらやらかしの多い人生だ。

 会議室が静かになった。

 ……さすがにそこまでは言ってないぞ 


 元村が考え込むような顔をするけど、元村が何か言う前に尾城が笑い始めた。


「ふん、いいだろう。なら俺達の強さを思い知らせてやろうじゃないですか、会長。

俺達は正しいし強い。正しいから勝つ。正義は勝つ。

そもそも、あの児玉とか言う奴、弱いくせに我々に歯向かったからあんな風になったんだ。大人しくしていれば怪我もせずに済んだのにな、あんなザコ能力でな」


 尾城がグダグダと喋ってるけど。


「いいからもう黙れ」


 僕の言葉に尾城達が黙って、ニヤニヤ笑いを浮かべながらこっちを見た。

 清里さんの意図は察しがついた。ならそれに乗っかろう


「僕は強い方が正しいとは全然思わないけど……力で来るって言うなら受けて立つぞ」

「おいおーい、高校生君、やるんなら手加減はしてあげないぞー。高校生5位って言って、協会に下駄履かせてもらってるピエロだってことに気付いてないのかーい?」


 尾城が小ばかにしたような笑いを浮かべて茶化すように言った……この場でぶん殴ろうか、コイツ。

 元村が一瞬苦々しい眼で尾島を見て何か言葉を交わした。


「では、そうですね。協力関係を作るにあたり、我々の本当の力を分かってもらうのもいいかもしれません。

対抗戦形式で交流戦をしませんか。そちらは御自慢の高校生乙類5位の三名。こちらからも3名、我が団体のエースを出しましょう」

「勿論一人は俺だよー片岡君。彼女の前で恥をかかないようになぁー」

 

 尾島が言う。いちいちイラっと来る喋りだな。


 とはいえ現実的にダンジョンの中でないと僕は風が使えないし、清里さんは普通の試合場では力を発揮できない。

 交流戦なんてできるのか。


「試合場は私が提供してあげましょう。

我々の技術をもってすれば疑似的なダンジョンを形成することが可能だ」


 僕の疑問を察するように元村が言った。


「公平を期すため双方の記録係が一名づつ記録し、対抗戦終了後にどうするか決めまるということで如何ですか」

「本当はお前らがどんなインチキ情報操作をするかわからないから生配信が望ましんだがな。

生配信しないのは、高校生5位とやらに恥をかかせないためだぞ――、子供相手だからね――配慮してるんですよ、分ったかいボクチャン達?」

「それはどうも」


 どう見てもキレかけて不穏な空気を漂わせている清里さんに変わって僕が答えておいた 



 元村たちが帰っていった。

 遠くから入り口のドアが開いて閉まる音が聞こえて、係員の人がため息をつく。


「思惑通り?」


 そう聞くと清里さんが気まずそうに俯いた

 あえてああいう風になるように煽ったんだろうなとは思った。まあそれに乗ったのだけど。

 

「すまんな、ミズキ。でも、児玉のにーちゃんをあんな目に合わせた奴がデカい面してんのがもう腹立って腹立って……我慢できへんかったんや……ショータも巻き込んで堪忍な」

「いや、僕も腹が立っていたのは同じだよ」


 なんていうか言い方が悉く偉そうというか僕等を下に見てるのが露骨で鼻に突く。

 煽り方もなんていうか、品が無いというか一々癇に障る。


「試合をして勝った負けたで片が付くならその方が分かりやすくていいさ。俺達が勝てばいいだけだ」


 斎会君が言った。


「ところで児玉さん達は?」

「今は入院中です。あいつらの魔素の斬撃を受けて全治二週間ほどですが、協会付きの治癒術師を派遣して治癒を行う予定です」


 命に別状とかはないらしい……そうだったらこんなことじゃすまなかっただろう。


「しかし、よかったんですかね、これで」


 木次谷さんに聞く。なんか勢いでこうなってしまったけど。これでいいのかどうなのか。

 まあ清里さんの煽りに乗ってここまでやっておいて今更そんなこと言っても仕方ないんだけど。

 木次谷さんが複雑な表情を浮かべて首を振った。


「あいつらは魔討士に直接関わってきている……正直言うとあの団体に対してどうにか対策をしなくてはいけなかったのですが、我々にはそれを止めたりする権限が無い。

だからまあなんというか、あいつらを倒してくれれば好都合ではあるのですが」


 そう言って木次谷さんが深く頭を下げた。


「こちらの都合で皆さんに責任を負わせ過ぎている……高校生を矢面に立たせてるようなことになって申し訳ない」

「ええやんな。あたしがしたかったことなんやし、それにうちの道場の仲間を怪我させられて何もしないなんてできんわ……ところで木次谷さん、この戦いで勝ったら功績点つくかいな?」


 清里さんが言って木次谷さんが苦笑いした。 


「勿論つけますよ」

「よっしゃ、二重の意味でやる気出て来たわ」

 

 清里さんがガッツポーズして少し場の空気が和んだ。


「ところで、試合場を作る、なんてことできるんですかね?」

「そんなことは……明らかにおかしい。おそらくサンマレア・ヴェルージャの魔法使いでもこの世界に簡単に門をつなげるなんて出来ないでしょう……どういうことだ」


 木次谷さんが考え込んだ。


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