熱血ッ!武闘派怪盗ルパンッッッ!!!
時は世紀末から数十年後、2020年ッ!
都内某所の豪邸に、重さ10キロのダンベルが送られてきた!
「あなた! ダンベルが送られてきたわ!」
シャンデリアのきらめくリビングに入ってきて、今しがた配達員から受け取ったダンベル片手に叫ぶ1人の女性!
彼女は平等院舞! この屋敷の夫人である!
「なにぃ! ダンベルだと!」
すると、不快そうな声をあげながら奥の部屋から小太りの男性が出てきた!
彼は平等院道雄! 豪邸の主であり、違法な株取引で儲けたお金で私腹を肥やしている!
「これよ!」
舞は、夫に黒光りするダンベルを渡した!
それを受け取った道雄は、「重いな」とぼやきながら側面に張られた白いシールに注目!
そこには、黒い文字でこう書かれていた!
「平等院道雄ッ!
貴様は悪人だから許さぬッ!
今夜、貴様の家のダイヤを頂くッ!」
「これは……“武闘派ルパン”!」
説明しよう! “武闘派ルパン”とは、最近世間をにぎわす怪盗のこと!
ダンベルに予告状を張り付けるというスタイルと、あまりにも脳筋な侵入手口から武闘派の異名がついた!
「だが、最新セキュリティを搭載したこの家に侵入できるものか!」
夜! 平等院邸は厳戒態勢!
ルパンを捕まえんと警察たちが屋敷を取り囲み、リビングには強化ガラスで覆われたダイヤが設置されていた!
「フハハ! いつでも来い、ルパン!」
道雄が高笑いをしたその瞬間!
「武ッ!」
ドカーンッ!
リビングの床、爆発! そして煙の中から、黒いタキシードに身を包んだ筋骨隆々の大男が現れた! 目元は流線型のマスクで覆われている!
「お前が武闘派ルパンか!」
「応ッ!」
「まさか地面から侵入してくるとは!」
脳筋の武闘派ルパンが今回選択した侵入方法は、素手で地面を掘って屋敷に入るというものであった! 彼は常人の100倍ほどの筋肉量を誇るので、コンクリートを突き抜けて穴を掘るぐらい余裕!
すると彼は、目にもとまらぬ早業で走り出し部屋中の警官を手刀で眠らせた!
「なに!」
道雄驚愕!
「ダイヤはいただくッ!」
ルパンはそう言って、ダイヤが入った強化ガラスの箱に正拳突きを食らわせた!
パリーンッ!
彼の拳の前には、強化ガラスなど飴細工!
「じゃ、帰るッ!」
ダイヤを握りしめたルパンは、そう言って勢いよくジャンプ! 天井を突き抜け、夜空の彼方へと消えた!
「覚えておれ、武闘派ルパン……!」
道雄は、穴の開いた天井を見つめ悔しそうに呟く!
正義の怪盗、武闘派ルパン! 次の標的はお前だッ!