表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と妹が悪の組織に入りました  作者: モコみく
2章:悪の組織、活動中です
56/63

第56話:バレた戦い

「キャーーーー!! ブラック・マグマよ!」

「うわ! 出やがった! うぉぉぉ!? 何か本気だぞ!」

「やべぇぇ! あの白い姉ちゃん、マジで死ぬ――」



俺たちの前から、人々は逃げ出す。



そして、オタ・クールはその人々に向かって、掌から出た光の刃を投げつけていた。



地面にぶつかった光の刃は、爆発霧散する。




「オ、オタ・クールさん……? 今日は凄いっすね」



「そう? まぁ、手伝うって言ったしね」



オタ・クールそう言って、構わず刃を投げつけていた。




「凄い! 私もやらなきゃ!」



シオティンはそう言って、杖の先から炎を出すと、水平に機銃掃射する。




白瀬さんに相談した後、俺たちはそのままバイトへ来た。



遅れて来た詩織は、どこか晴々した表情をしていたのが気になったが、まぁ、葵にでも相談して、気持ちを入れ替えたんだろうと思った。



そして、白瀬さんはどう協力するのか何も言わず、そのまま何故か本気モードで死人が出る勢いで、市民を攻撃していた。




「そこまでよ! ブラック・マグマ!」



と、現れたのはマジカル・キュアの面々。



……あれ? 何かファイア以外、様子が変と言うか……




「ちょっと! シャレにならない攻撃してんじゃないわよ!」



ファイアは俺たちを見て非難すると、それに向かってオタ・クールが歩いて行く。



「ふふふ。来たわね。さて、皆殺しの始まりよ!!

……ボソボソ……私を憎ませて……共闘して友情して……とりあえず百合を追加すれば……」



「……!? オタ・クール……? どう言う事……!?」



不思議そうな表情になるファイアと、呟きを拾ってゲンナリする俺。




すると、シオティンは放射していた手を止め、ファイアの後ろから出てきた人物に視線を向けた。



「……来たわね、ミドリ」


「……シオティン……さん」




あぁ……あの様子じゃ、やはりミドリはシオティンの事……



ん? っていうか、まさかシオティンも……!?




「友達だからこそ……! 兄離れさせてあげます!」


「ぐぬぬぬ! 友達だから諦めると思ってたけど! そうじゃないみたいね! 案外図太いわね!」



あぁ……



どういう訳か、シオティンも把握してる……ってか、まぁ、ミドリにバレたから時間の問題だった気もするけど……




「じーーーーーー」



ん?



何か視線を感じる……



と、避難しているファイアと、それに対峙しているオタ・クールの横にいる青い髪をした女の子。



アクアがこちらへと歩み寄ってくる。




「……アクア……?」



「大和――じゃない、ヤマティン、今日こそ勝負をつけてあげるわ」




……



「え? アクア? 今、何て言った?」



「何でもないってば! 今日こそ勝負をつけてあげるわ! ヨマトィん!」




くそああぁぁぁぁぁぁぁ! もう全員にばれてるな、これ!!




「……あなたに勝ったら……きっと、あの時の想い……叶えられると思うんだ……

待ってるって言った、その想いが、叶うって!」




アクアはそんな重いセリフを言って、俺に対峙する。




「おい! どんなフラグだそれ! 俺が負けるとあの時の告白を受けるようになるのか!?」



「行くわよ! 私の想い!」



アクアは勝手に納得して、俺に挑みかかる。




「ナミノリ!」




俺はアクアが出した、波の攻撃をギリギリで躱す。



アクアは力任せに攻撃をするタイプだ。なので、他のメンバーに足止めをして貰えれば!



「おい、シオティン、オタ・クール! アクアを――」




と二人を見ると、




「兄貴は私と結婚するの!」


「いいえ! 私と相思相愛なんです! だから唐揚げプレイももうお断りです!」




くっ……じゃあ、オタ・クール!




「さて……ミドリとシオティンの百合化作戦の前に、ファイアが何を考えてるか、いろいろ聞かせて欲しいな、ね。

きっと妹をどうにかさせたいんじゃないの?

……それか……告白した、アクアのためなのか……」


「――ちょっと、オタ・クール! 邪魔しないで! って……あなた……!?」



……うむ。どうやら、全員がいつもと違う戦いを始めている。



ってか、オタ・クールにそこまで話しては無いんだが、全てを悟ったらしい。


まぁ、デートの時を思い出してしまえば、必然的に悟ってしまうだろう。



さて……俺は俺で、アクアと決着を付けないといけない時か。



そう思い、俺はアクアへと視線を戻す。



「詩織ちゃんと共闘することにしたんだ。

でも、その前に……私の気持ち、やっぱりちゃんとしないと……ライバルだしね!」



そう言って、アクアは右手に水の鞭を持って、それを器用に振り回して来る。



俺はそれを杖で防ぎながら防戦となる。




「行くわよ! 大和!」



アクアは鞭を振りかぶる。俺はその鞭の方向とは水平に移動し、それを避けようとする。



が、アクアは地面を蹴り、その方角へ一気に間合いを詰める。



え? 鞭は囮か? 動きを誘われた!?




アクアは俺の懐に潜り込むと、その両手で俺を――




「ぎゅ」




抱きしめた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ