2-12-2
「あ、そういえば、ショウは人に見えるのか?」
昨日の事を話していて思い出した。ショウはあの時警察官の男性と話をしていた。つまり、ミコトは人には見えないが、ショウは見えていたということだ。
「あー、そのことね。アタシがミコトと違うんじゃなくて、ミコトが特殊なのよ」
ショウの存在も十分特殊だが、そこはあえて口に出さなかった。これ以上話がこじれるのはごめんだ。
「要はね、命がある者同士は見えるけど、命が無い物は見えないってことなの」
「それじゃあ、ミコトに命がないみたいじゃないか」
その言葉に納得出来ずに思わず口を挟んでしまったが、ショウはノゾミを軽く制してまた話し始める。
「あくまで人の精神を統べて形にしたのがアタシ。だからアタシにも命はあるわ。もしアタシが死んでも、アタシの代わりになる者は作れる。でもミコトはこの世界の命全てが構成要素となっているわ」
ノゾミはショウの言葉を一言一句聞き逃さないように、耳を澄ますことに専念した。ただでさえ眼に見えないものの話をしているのに、ノゾミにとって物事を感覚的に理解することは、苦手だったから。
「つまり、ミコトは自分自身の命ではなくて、かき集めた命で生きているの」
確か最初にミコトに逢った時、世界から命が消えたら、それがミコトの寿命だと言っていた。それもこの話に繋がっているのだろう。




