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2-11-6

「面倒臭いといっても、ノゾ君を構成している大切なものですよ」

「精神が大切なんて、思ったことない」

 むしろそれがあるせいで余計な傷まで負ってしまった。最初から持ち合わせていなければ、あの苦しかった日々をもっと早く抜け出せたかもしれないというのに。


「アンタも(かたく)なね。いつまでもそういうこと言ってると、殺してあげないわよ」

 一瞬脅し文句にも聞こえるそれは、精神を(ないがし)ろにするノゾミへの説教のようにも聞こえた。

 だがノゾミも困った性分の持ち主で、そんな言い方をされるとつい反抗してしまうのだ。

「そう言って、実は俺の精神を殺すだけの力が無いんじゃないのか?」


 するとショウは明らかに不機嫌な顔つきになり、ノゾミを指差して物申す。

「あのねぇ、アタシはアンタ達とは違うの。人間を超越した力くらい、アタシにもあるわ。アンタも一回、いいえ二回見たはずよ」

「は?」


 ショウと出逢ってまだ二日目なのに、そんな機会があっただろうかと首を傾げる。

 それでもショウが自ら言うくらいなのだから、必ずその時があるはずだ、と丁寧に記憶を探っていく。

(ショウが力を使った瞬間……)


 今日ではないはずだ。逢ってすぐに殺人鬼が襲ってきたので、そんな暇は無かった。

 となると、それは昨日になる。

「……ぁ」

 思い当たる節を見つけ、ノゾミは小さく息を漏らした。


 昨夜、路地を歩いていて二人組の男に絡まれた時、ショウはどこからともなく現れて助けてくれた。そのあとも、警察官に注意されていたところを上手く誤魔化してくれた。

「気が付いた?」

「多分、昨日の夜の……」

「そう。アンタが男の人達に声をかけられていたところと、お巡りさんに補導されかけたところ」

 一体どんな能力なのか聞こうとするが、ノゾミが尋ねる前にショウの方から話してくれた。


「アタシには、人の心の声を聞く力と、心理操作ができる力があるの」


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