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2-6-6

 それでもなお、ショウは話し続ける。

「和歌を詠んだ人達は、色々な手法で言葉を綺麗に飾り付けて想いを伝えていたわ。でもアンタは飾りが 全く無い上に、それがちゃんと相手に伝わっていない。それってすごく残念よね」

 ノゾミの言葉の伝え方が残念なのか、ノゾミの性格が残念なのか、どちらを言っているのかは定かではないが、どちらであってもきっと正解だ。


「じゃあ、俺はどうすれば良かったんだろう」

 足りないものは分かった。だが、あの時なんと言えば正解を導き出せたのか、今のノゾミにはそれを割り出すことは出来ないと分かっていた。

 ショウなら何かヒントになることを知っているのではないかと思ったのだが。

「そのくらい、自分で考えなさいよね」

 一蹴されてしまった。


「アタシが何でもかんでも教えてあげるって思ったら、大間違いだからね。それに、これはアンタの問題でしょ」

 あっさりとした物言いだったが、確かにショウの言うとおりかもしれない。危うくショウに丸投げしてしまいそうだった自身を引き留め、これは自分の問題なのだと言い聞かせる。


「そうだな。俺が、考えなくちゃ」

「分かったのならいいわ。その子にも伝わると良いわね」

「ああ。今日は、色々ありがとうな」

 本当にショウに頼りっきりだったが、これで少し道が見えてきたような気がした。依然としてミコトの手がかりは無いままだが、見つける時までにちゃんと、ショウに言われたことを出来るようになっていなければ。


「どういたしまして。あ、あと、もうあんな所に行っちゃ駄目だからね?」

「う……分かってるって。もう行かないから――」

「おーい、君達、何してるんだい?」

 もう行かないから大丈夫だ、と言おうとした矢先、公園の入り口の方から男性の声が聞こえた。


「君達、まだ高校生だよね。こんな時間まで何してるのかな」

 見るとその人は警察官だった。小走りでこちらに近づいてくる。


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