表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/168

1-1-1 病院にて

 目を覚ましたノゾミの眼にまず映ったのは、どこかの天井だった。

 口元に違和感がある。何処からかピッピッ……という、何かを数えるような機械音が聞こえる。

 体がピクリとも動かない。


 今、どんな状況なのだろうかと辺りを見回す。眼だけを動かし、ゆっくりとその視野を広げていく。

 まず眼に入ったのは、顔の約半分を覆う酸素マスクだった。口元の違和感の原因はこれだろう。左腕の肘の裏から、細いチューブが延びている。きっと点滴だ。


 ベッドの周りには見慣れぬ機械が並んでいて、その中の1つに、さっきの機械音を出すものがあった。それが自身の拍動を数えているのだと気付くにはあまり時間を要さなかった。拍動の度に機械の画面に映る真っ直ぐだった直線が、尖った山形になる。こればかりはドラマで見た事があったからだ。

 だが、刻まれる音は本当に自分のものかと思うほどゆっくりで。

 ノゾミは酸素マスクの下から小さく溜息をついた。


  「ここ、病院か……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ