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1-3-2

「どういう事だ?」

「一人目はその場で命を吹き返し、その後の寿命を全う出来ます。二人目は、その命のまま別の体に転生して、新しい人生を送ることが出来ます」

 つまり、だんだん助けた人の命の力が上がっていく、ということだろうか。

「じゃあ、三人目は?」


「三人目は……僕と同じ体質になってしまいます」


「同じ、体質?」

「はい。そして四人目を助けた時僕は力を使い果たし、僕の命もそこで終わります」

「成る程、そうなれば四人目もろとも世界から命が消える、って訳か」

 ノゾミの言葉に少女は頷いた。

 だから三回だけなのか。この少女が人を救えるのは。


「それで? 俺は一人目だよな?」

「……」

 少女は答えない。

(ま、真逆な)

 いや、そんなはずはない。

 彼女はきっとノゾミを助けてしまった事に罪悪感を抱いていて、そのせいで気まずそうにしているのだ。


 世界から命が消えるまで死ねない? 冗談じゃない。世界が終わるのは大歓迎だが、そんな日は来るはずない。

 永遠のような命を生きるくらいだったら、この先の寿命が100年だったとしても、それを生きた方がマシに決まっている。

 いや、ノゾミにとってはその100年でさえ勘弁してほしいのだが。

「おい、どうしたんだよ。俺は一人目なんだろ?」

「ノ、ノゾ君は……」


 一人目だと、言ってほしい。待っているのはその一言だけだ。

 そして少女は口を開く。



「ノゾ君は――――三人目、です」


「…………」

 目の前が、真っ暗になった。

 ――僕のことは、普通は人に見えませんから――

 それは、ノゾミがもうただの人間ではないことを意味していたのだ。


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