第2話 ~超美少女的存在・佐夜(笑)~
戦闘でボロボロになった服を買い変える為に服屋に向かう5人です。
今回は少し長め。
最後のあたり、若干ギリギリ(?)ハレンチ要素があるかもしれません。ご了承ください。
「ではお客様方、こちらの衣装はどうでしょうか?」
服屋の店長が愛沙達と一緒に最新服やおすすめの服、後、佐夜に合いそうな服をコーディネートして戯れている。
「あ、可愛い。これも佐夜に合いそうね」
「うむ。佐夜は何着ても似合うのぅ」
「羨ましいよ~」
「正直悔しいですが、認めるしかありませんね……」
愛沙、真桜、陽菜々、リアの4人もそれぞれ感想を言いつつ、佐夜に着せる服を選んでいた。
………何でこうなった?
5人がまず最初に向かったのは【リ・アンフィル】という服屋。
今着ている服装が奇抜&ボロボロだったので、陽菜々が所持していた金塊を換金して得た大金で先に服を着替える事にしたのだ。
そこまでは何の問題は無い。佐夜以外の4人が物色している間、佐夜が外に出ていれば良いだけの話───
───だったのだが、それは問屋が卸さなかった。
問題はその服屋がこの世界の服業界で人気の店だった事、それ故サービスが半端無く、店内に入る前に全員、店員に店内の奥へ案内される。
次の問題はこのお店が全年齢対応ではなく、婦人服しか取り扱っていないって事だ。
当然、見た目美少女の佐夜も店の奥、下着コーナーあたりまで連れていかれ、ここ場で「俺、男なので」と言える雰囲気ではなくなった。
なので佐夜は極力、女物や試着室などが視界に入らない様、適当に物色している振りをして他の4人の服選びが終わるのを待っていた。外に出ないのは女性だと思われているから、一人だけ外に出るのは変に思われるだろう。
そしてここから佐夜にとって問題が発生。
物色しているのにも関わらず全然手に取らない佐夜を見かねて店員に声を掛けられ、佐夜が困惑している間に、他の4人の買い物が終了し、佐夜の元に来てしまった事だ。
(リア以外)佐夜が『男』だと分かっている3人だったが、何故か悪ノリして店員とリア、そして佐夜の美少女っぷりに見惚れた他の客達&店員、更には店長まで躍り出て、急遽佐夜のファッションショーが開催(笑)される事になった。
ここまできて流石にリア以外の3人も騒ぎが大きくなって、今更「この子、男の子です」とは言えなくなるという状況になったので、いっその事この状況を楽しもうという事で佐夜の味方はいなくなった。
「はぁ……いつまで着替えさせられるんだよ………」
「あ、あははは、ごめんね佐夜。つい悪ノリが過ぎちゃって」
「ついじゃないって。お前等の所為で何か店内に客がいっぱい集まって来たんだぞ。どうするんだこれ?」
試着室内で佐夜がカーテンを覗いて外を見れば店内はおろか、店外で歩く通行人まで「何だ何だ?」とばかりに店内を除いている。
一応、佐夜と歳が近く佐夜の性別を知っている愛沙が佐夜の着替えを手伝っているが、申し訳なさそうにしながらも何故か嬉しそうな顔で次から次へと佐夜に服を着せていくのかが分からない。
「「「「きゃあああ!! 可愛いっ!!」」」」
「「うっわ、すっごい美少女……っ!」」
「綺麗すぎてもう嫉妬すらおきないわぁ」
「あ、やっべ、鼻血出てきた……」
「お持ち帰りしたい………」
「………通報しますた」
次の服を着替えさせられて試着室を出ればまた女性客達から黄色い声が佐夜の耳を叩き、佐夜は内心、頬を引き攣らせている。つか変態がいる。
「おい、あの娘、どこの事務所の人間だ?」
「そこら辺にいるモデルよりも可愛いな」
「ハーフ? いや、最早そんなレベルじゃねえ!」
「最早聖女だ、聖女!」
「あ、あの綺麗な生足をペロペロしたい……」
「………通報しますた」
店内に入れなく、外から覗いていた男性達も佐夜を見て大興奮している。実に迷惑だ。二重の意味で。というか変態が多すぎ。
で、もうかれこれ4時間くらい、謎のファッションショーをやり、ほぼ店内の最新・おすすめ・その他全てのジャンルの服を着せられ、佐夜の精神力は既にゼロどころかマイナスまで行っている。
正直死にたい。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・
「や……やっと解放された………」
「あ、あはは。お疲れ様」
ようやく解放されたのが店の閉店時間の19時。結局店内に(強制的に)入れられ、6時間もファッションショーもどきをさせられた。最早バイト感覚に近い。
「いやあ、皆さま、どうもありがとうございました。美里(佐夜)様のお陰で、今日一日だけで半年分くらい売り上げる事が出来ました」
「そ、そんなに!?」
「ええ、だってほら────」
店長が店内をずらっと見渡すと、結構な数の商品が減っていて、すっかすか状態になっている。ずっと試着していたから気付かなかった。
「お……お疲れぇ~~」
「じゃあ~~~」
すると違う方向から陽菜々と真桜がヘロヘロになりながら佐夜の元に来る。
「あれ2人共、選んだ服と何か違うの着ていないか?」
佐夜が店内を物色(している振りを)していた時、この2人が選んだ服の試着の感想を聞かれた覚えがあるが、その時の選んだ服とは違うのを着ていた。
「さ、佐夜と同じく店員の人に着せ替えられていたんじゃよ……」
「頭の耳を見られるかと思ったよ……」
ちなみに真桜が着ているのは黒のゴスロリで、陽菜々は明るい柄のワンピースを着ている。
「佐夜、もう終わりましたか?」
「あ、リアさん今までどこに隠れてたんだよ?」
すると今度はリアが、ぬうっとすぐそこまで近くにいた。
「隠れてはいないですよ。ただ、あまり目立ちたくはなかったので『気配遮断』を使用し、スタッフルームとやらに避難して、ひと眠りしていました」
「関係者以外立ち入り禁止っ!?」
色々ツッコミどころがあるが、何故か変なツッコミをしてしまった。
「では皆さま、今日選んだ衣装のお支払いは結構ですので、従業員が帰るまでの時間、ゆっくりと選んでいって下さい」
「え、無料? 無料だと結構選んじゃいますよ!?」
何故か店長の言葉に愛沙が反応。
「ええ、何せ今日だけで相当な売り上げが出ましたから、多少は多めに選んでも大丈夫ですよ」
「わっほーい! みんな、タダよ! 無料よ! いっぱい貰うわよ!」
「「お、お~~」」
「私は既に何着か選んでいます」
テンションアゲアゲな愛沙にお疲れモードのちみっこがローテンションで反応。リアは避難している隙に既に選んでいた様だ。
「俺はいいや。つか、いらね」
「……ナンデスッテ?」
「え……?」
この中で唯一男(笑)な佐夜は当然、女物の服は欲しく無いので要らないって言った瞬間、愛沙の目が光る。
「佐夜、女の子がそんな枯れた事言ってちゃダメよ!」
「い、いや愛沙? 俺はおt………」
「そうですよ! 貴女みたいな可愛くてキュートで可憐で清楚な美少女がお洒落しないなんてありえませんよ!」
「店長さんまで絡んできた!?」
愛沙が的外れな事を言った瞬間、スタッフルームに向かっていた店長さんの耳に入り、「ギューン!」っと擬音が入りそうな音を立てて急接近し、佐夜達に絡んできた。
「店長さん! 今日、佐夜が試着した衣装の在庫ってまだありますか?」
「はい、試着した衣装は一度クリーニングに出す事になっておりますから美里様が着た衣装は全部奥の方に残しております」
「じゃあそれ、全部下さいっ! それと佐夜用にあと何着か下着とオプションを」
「ええっ!? ちょっ、ちょっと愛沙ぁ!?」
佐夜の静止も虚しく、店の店長が今日佐夜が試着した衣装を全て袋詰めし、着る機会も趣味も無いのに無駄に女物を大量に貰ってしまった。
上下バラ、セット含め、全部で26着。普通に買おうとすれば軽く3、40万は下らない値段だ。他の4人分も含めると50万越えはするだろう。
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時刻はもう午後8時。暴走した愛沙(?)によって無駄に増えた荷物を持って【リ・アンフィル】を出た5人はお腹が空いたのでファミレスに向かおうとしたが、この半端ない荷物の多さにファミレスは断念し、せっかくなので旅館へ向かった。
「あ~~極楽ぅ~~~~」
案内された客室に荷物を置き、温泉に入りたいという事で他の4人より先に風呂場へやって来た佐夜は戦闘と怪我で汚れた身体をさっと洗い、運よく誰もいない露天風呂で一人、温泉を楽しんでいた。
「結局、元の世界じゃなかったけど、これはこれで良い世界だよな~」
そう、この世界は佐夜や愛沙達がいた世界ではなかった。
まず、地図上では全く同じなのだが、この国は『日本』という名前ではなく『日国』という国で首都が東京なのは同じだが、元の世界と同じ場所である今の場所、『六本木』ではなく『八林』、先ほど服を大量に貰った【リ・アンフィル】は『渋谷』ではなく『天谷』という場所だった。
「微妙に名前が違うけどやっぱ日本(?)は良いね~」
「ん~~っ」っと伸びをしながらのびのびと温泉を楽しむ佐夜。
ガラガラガラガラ──────
「ん?」
すると、佐夜の背後でガラガラと扉が開く。
「わぁー、凄い景色キレー!」
「ほぅ、これは中々……」
そこから現れたのは陽菜々とリアの亜人組。
────ってちょっ!?
「ね、ねえ。ちらっと見えたんだけど佐夜の服なかった?」
「あはは、お姉ちゃん何言っておるのだ、佐夜が『女風呂』に居る訳なかろうに」
そして姉妹組の2人が風呂場に入って来た。
「あ………」
「あら」
「え?」
「お?」
「んな!?」
リア以外の4人が石になった。
「な、な、何でみんなここに……?」
なるべくみんなの裸を見ない様、前を向きながら話す。
「それはこっちのセリフよ! 何で佐夜、女風呂にいるのよっ!?」
「え、だ、だって女将さんが俺をここに案内したんだぞ?」
風呂に向かう途中、どこに風呂場があるか分からなかった佐夜は偶然通りかかった女将にお願いし、風呂まで案内してもらったのだが、何で女風呂の方に案内されたのかが分からない。
「? 佐夜さんがここにいるのは至極当然の事では?」
そしてこのメンツで唯一佐夜が『男』だと知らないリアは不思議そうにしながらも平然とシャワーの前に座り身体を洗い始める。
「「「「え……?」」」」
「え、な、何です? どうかしましたか? って痛たたたっ!?」
リア以外の4人が絶句し、それに反応したリアの目にシャンプーが入り、その痛みで悶えるリアのウサ耳がありえない動きをしている。
(ね、ねえ、そう言えばリアさんには佐夜が『男』だって言ってなかったよね?)
(う、うむ。追っかけられてからの戦闘に、転移してからのファッションショー(?)をやっとったからのー)
(今この状況で佐夜さんの性別をリアさんに教えちゃうと、佐夜さんの身が危ないよねっ。物理的な意味で)
(あ、あはははは………)
リアがシャンプーの痛みに悶えている隙に愛沙、陽菜々、真桜の3人は佐夜の背後まで行き、4人でこそこそ話をする。当然佐夜は前を向いている為、皆の裸は見ずに苦笑している。
ガラガラガラガラ──────
ワイワイガヤガヤ──────
「「「「あ…………」」」」
5人がそうこうしている内に、再び風呂場の扉が開き、次々と女性客達が入ってくる。
「さ、佐夜! このタオルで早く身体を巻いて!」
「って愛沙、見えてる見えてるっ!?」
「いいから早くっ!」
「わ、分かったから……」
緊急事態ゆえ、佐夜の眼前に愛沙の裸体が迫るが、今はそれどころじゃないので佐夜は愛沙から受け取ったバスタオルで女性の様に胸から巻いた。
「……何か、巻き方が妙に手慣れている気がするのは気のせいかしら?」
「き、気のせいだからっ」
愛沙のジト目に佐夜は目を逸らしながら言う。
実はこれ、真桜のメイドをやる……以前の幻想界【レニアナ】に居た時の『ボクっ娘』状態での癖が未だ染みついているのだ。
そんなんだから同じ男であるイングやベリアルに惚れられるんだぜ?
どこからかそんな声が聞こえた様な気がした佐夜だったが、今はこの危機的状況を何とかしないといけない。色々な意味で。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「服屋で着替えを手伝った時も思ったけど……佐夜ってどう見ても女の子の身体付きよね。どこをどう育ったらこんなになるのよ?」
「うむ。それは妾も常々気になっていたのだ」
他の客達が絡んできた時、何時でもフォロー出来る様に愛沙と真桜が佐夜を挟んで温泉に浸かる。傍から見れば何の違和感もない光景。
「知らないよ。生まれつき、こうとしか言えないし」
幸い(?)胸と股間を隠せば身体付きがもろ女の子にしか見えないが為に、後から入って来た女性客達にバレずにすんでいるが、逆に言えばこのタオルこそ最終防衛ラインと言えよう。
なので、今むやみに立ち上がり、このタオルが取れようものなら佐夜の死が確定するため、他の女性客達が全員出るまで温泉に浸かっていなくてはならないのだ。
「ふぅ~。良い湯ですね。思わず蕩けてしまいそうです……」
「(り、リアさん。耳、耳が動いてますっ)」
真桜の横には身体を洗い終え、露天風呂に入って来た陽菜々とリア。
リアは以外(?)にもお風呂が好きらしく、こうして露天風呂に入って蕩けた表情は、いつものキリッとしたお姉さんとは違い、ふんにゃりしている。その証拠に頭部のウサ耳がダランと前に垂れてピクピク動き、ぴちゃぴちゃと水しぶきを上げている。
余程気に入ったのはいいが、同じ亜人の陽菜々が慌てて小声で注意を促した。
・・・・・・・・・・・・・・・。
「きゅう~~~」
他の女性客達が全員去ったのは1時間後で、ようやく湯船から出られる様になった佐夜の顔はもう真っ赤っ赤。
自力で立ち上がる力も残っていない佐夜だったので、陽菜々の転移で部屋まで運び、そこからは何とか佐夜が頑張って自分の身体を拭いて浴衣を着た。……所までは良かったが、着終わった瞬間に可愛らしい声を上げながら近くに引いてあった布団に倒れ込んだ。
ちなみに佐夜と一緒に転移した陽菜々は襖を挟んだ反対側で着替えている。
「佐夜、様子はどう?」
佐夜達が転移して10分後、歩いて風呂場から戻って来た愛沙達が陽菜々の膝枕でぐったりしている佐夜に声を掛けながら自販機で買ったボカリを渡す。ついでに陽奈々にも渡す。
「ぁりがと~。んぐんぐ……はぁ……。生き返るぅ~~」
「うむ。実に良い飲みっぷりだの~」
ゆっくり起き上がった佐夜が渡されたボカリを一気飲みする。その姿を見た真桜が「まるでCMみたいじゃ」と呟く。
「ところで皆さん。先ほどから疑問に思っていたのですが、何故佐夜さんが『女風呂』に入っていた事に対して動揺していたのですか?」
「「「「あ………」」」」
と、ここでリアが先ほどから思っていた疑問を4人にぶつけ、4人は先ほどの光景を思い出して固まる。
「私達は同じ『女性』なのですから恥ずかしがる事は無いでしょう。佐夜さんも自身の『胸』が小さい事をあまり気になさらない様に。成長は人それぞれだと思いますからね」
すっかり佐夜の性別を誤解しているリアが、自身の胸を強調しながら言う。
見た目が美少女な佐夜でも先ほど露天風呂で湯船に漬かり続けている間、チラチラと愛沙達や他の女性客達の胸を見ていた事をリアも気付いていたのだ。いわゆる女性の感(?)というやつ。
(ど、どうしよう……さっきは風呂場で緊急事態だったからつい忘れちゃってたけど……)
(だからって普通に正体バラしたらあんた殺されるわよ。裸まで見ちゃってるわけだし)
(じゃのぅ。というか妾達も見られていたんじゃが……)
(わ、忘れていたのに思い出させないでよ真桜ちゃんっ)
再び佐夜の元に集まる4人がコソコソ話をするが、何も良い案が浮かばない。
(大体佐夜、何であんた女風呂に入ってたのよ?)
(だからそれさっき言ったじゃんっ)
(それも聞いたけど、理由になってないよ佐夜さんっ)
(うむ、普通中に誰もいなくても風呂場や脱衣所に女物とか落ちているであろ?)
(いや、脱衣所も風呂場も掃除したばっかりって女将さんが言ってたから汚れやゴミなんか落ちてないって。多分)
実は佐夜が何の疑問も無く女風呂に入っていたのには3つの理由があった。
まず佐夜の容姿に勘違いした旅館の女将。
次に、佐夜が風呂に入った時、他の客が居なかった事。
そして最後に佐夜が入ったタイミングが掃除した直後だったって事。
これらを踏まえた上で佐夜が何の違和感もなく女風呂に入ってしまった経緯だ。
「先ほどから何をコソコソと。私に対して何か疚しい事があるのですか?」
「「「「う………」」」」
あるっちゃあるね。佐夜が男なのに服屋でモデルもどきをやってしまった事とか、旅館の女風呂にうっかり入ってしまった事、女だと信じこんでいるリアが無防備に裸体を風呂場でさらけ出してしまった事とか、その他色々と。
「り、リアさんっ。お話があります!」
(((っ!?)))
このままずっと黙っているのが心苦しくなったのか、いよ決した遂にリアと向き合う。
「はい、何でしょう?」
リアも、佐夜の決死の表情から
(先ほどのコソコソ話の事かな~?)
と、当たり前の事ではあるが、薄々気付いていた。
が、
「じ、実は俺……『男』なんだ!!」
(((言ったぁーっ!)))
佐夜が言った一言に愛沙達3人はハラハラし、
「……………。………はい?」
リアに至っては一瞬、いや、理解すら出来なかった。
「だ、だから、俺、男なんだよっ」
目に浮かぶようなハテナマークを出すリアに佐夜はもう一度言う。
「……本当の事を隠す為に別の嘘を付くなんて、罪深い人ですね貴女は。何処をどう見ても女性ではありませんか。」
だがやはり、リアには理解できなかった。
(((ぷっ、くっ、くふふふ(笑震え))))
それどころか女性認定を受けてしまった事で愛沙達3人が必死に笑いを堪える。
その後も佐夜はリアに10分ぐらい説明するが、全然信じてもらえない。
「あーもう、じれったいわね。ほら佐夜、そしてリアさんも」
最初は笑いを堪えていた愛沙も段々と煩わしくなり、遂にとある行動に出る。
「え?」
「へ?」
愛沙に呼ばれた2人は一瞬動きが止まり、その隙をついて愛沙はまず、リアの手を取った。
そして、
むにゅっ───────
「っ!? っっっっ!!!!?」
「………?」
愛沙がリアの手を取り、リアに触れさせたのは佐夜の股間のアレ。リアの方は一瞬何に触れたのかが分かっていない様子だったが、当の触れられた佐夜本人に至っては言葉にならない声で口をパクパクさせている。金魚か。
「……………。………。………? ……っ! っ!? っっっ!!!?」
ガッ───────
「え? やっ、ちょ、『ガッ』って何!? って、や、そこだめぇ!?」
そして佐夜のアレに触れたリアも最初はその不思議な感触にハテナマークだったが、段々それがナニか分かってきたところで思いっきりそれを『むんずっ』っと擬音が入りそうな感じで佐夜のアレを鷲掴みにし、佐夜を悶えさせる。
「ふふふ、驚いてる驚いてる」
「いや、愛沙さん、佐夜さんが何かヤバそうですよ?」
「蕩けた表情がまたそそるのぅ」
「って、真桜ちゃんも!?」
こちらはこちらで別次元に行ってる愛沙と真桜の姉妹。
で、
「お……お……お、おおお─────」
「「「お?」」」
リアの表情も真っ赤になりながらやっと佐夜のアレを離し、よろよろと後退しながらバグった声を出す。
そして、
「♂────────!!!?」
「「「って、そっち!?」」」
『お…男!?』ではなく、性別表記の『♂(おす)』を言うあたり、リアは実に亜人っぽい。そしてリアのビックリする発言に3人もビックリした。
「はぁ、はぁ………もうらめぇ」
最後に、リアに股間のアレをニギニギされた佐夜はというと、真桜の言う通り、蕩けた表情で悶えていた。
………5人の夜はまだまだ続きそうだ。
次回は少しパロディ感が入ります。