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第23話 ~ラストde登場~

章の最後なので短いです。そしてここでヴァンの義妹が出てきます。


「そっか……うん、分かったわ。なるべく早く見つけてあげてねー」


 ガチャッ


 新世界・イニシエに建造されている巨大な学園みたいな施設。その理事長室みたいな一室で長距離通話していたマロンがふと息を吐いて電話を切った。

「マロンさん。今の通話の相手って兄さんですか?」

 すると紅茶を入れていた少女がマロンの話相手の声に反応して話しかけてきた。


「ええ、ようやく超大量に召喚された世界での作業も終わったみたいよ」

「じゃあ、そろそろ兄さん達こっちに帰って来るんですか?」

「近い近い」

「むぎゅ」

 マロンが少女から受け取った紅茶を啜りながら言うと、少女は喜びをあらわにしながらマロンに近付く。むしろ近付きすぎてマロンから顔を押された。



 この紅茶入れ少女の名は【クリス・ティーナ=如月】。

 ヴァンの義妹にしてマロンの魂娘こんこというややこしい身の上の少女。

 歳は大体15才くらいで髪はマロンと同じく緑が掛かった青色をしている。

 そして先ほどの展開からして気付いた者もいるだろうがティーナはブラコンである。それも極度の重症レベル。

 恰好はシスターをモチーフにしたセーラー服で動きやすい様に出来ている。

 最後に極度のブラコンであるティーナは男の娘であるリオをライバル視していて、リオと顔を合わせればいつもヴァンを取り合う程の小競り合いをしている。



「本当なら終わり次第帰ってくる予定だったらしいのだけどね。ちょっと予定外の事象が起きたからまだ帰って来れないらしいのよ。これが」

 そういってマロンが透から送られてきたファイルモニターに出し、ティーナに見せながら言う。


「はー、魔王の魔力暴走ですか。陽菜々さんも大変ですね」

「陽菜ちゃんの事もあるけど、どちらかというと佐夜さんの案件の方が大きいかしらね?」

「佐夜さんってこの亜麻色ポニテの方ですよね? ほわぁー、綺麗な髪です」

 モニターに映る佐夜を見てうっとりするティーナ。「将来こんな大人に成れたらなー」とか思っているのだろうか?


「でもその娘(?)、男性よ」


「……………。……はい?」

 

 マロンの言葉に一瞬、時が止まったティーナは首を傾げて聞き直す。



「かなりの美人で、初見しょけんで必ずと言っていいほど間違われるらしいけれど、その娘(?)は男性(・・)、よ!」

 「私も間違えたけどねー」と苦笑しながらマロンはフォローになっていないフォローをする。


「ええっと……つまり、リオと同じ『男の娘』って事……ですか?」

「うひぃっ!?」

 この美人(佐夜)さんが『男性』だと分かったティーナが急に怖い顔になった故、マロンが若干(?)引いた。


 うん、顔の整った美人(美少女)が怖い顔すると怖いよねー(マロン談)。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「さて、この後の行動だが………何やってんだリオ?」

「んを?」

 『ベルガイア』のブリッジにあるソファに座り、ヴァンが皆を集めて話をしようとしたのだが、何故かソファに座るヴァンの膝に頭を乗せて横になっているリオにツッコむ。

 一応、初めは普通に横に座っていたリオだが、皆が集まるまで少し時間があった為、ヴァンの許可を取って()で寝ていた筈なんだが、いつの間にかヴァンの膝に頭を乗せているではないか。


「おーすまんすまん。風呂に時間かかっt……。……お邪魔だったか?」

「もー、マスター。質問するのはヤボだよう(笑)」

 そこにタイミング悪く入って来たのは【アルフィーニ】で発生した世界破壊者の四月朔日わたぬき・剛とその部下のチャア。2人は風呂上りでやってきたのだがヴァンとその膝で寝るリオを見て少し気まずくなった。


「………俺も一応ツッコんだ方が良いのか?」

「……いいからみんな早く座ってくれ、話が進まん。そしてリオ、お前もいい加減に起きろ」

「あー」

 若干冷やかしてくる剛&チャアや後から来た正義、いつまでも甘えてくるリオをあしらいながらヴァンが話を進める。


 幻想界【アルフィーニ】での任務を終えた後、桜井ゼロとユフィは『サイエンGO』へ乗っていて、先に陽奈々達が次元転移した場所に向かっている。

 ちなみに陽奈々達が次元転移した先は【物質界A】といわれる、いわば21世紀現代に当たる世界だ。


 ちなみに物質界にはパターンA、B、Cの3パターンがあり、

 『A』は魔法や超能力などの摩訶不思議な力は存在するが『一般世間に認知されていない』完全なフィクション内の世界。

 『B』は逆に認知されている世界で、いうならば『漫画の中みたいな』異能バトル系が多い世界。

 『C』はAやBの世界が崩壊し、まともに機能していない世界。例えるなら『世紀末救世主マンガ』に出てくる世界に近い。


 佐夜や陽菜々達5人が次元転移した場所は『A』なので、佐夜や愛沙は大丈夫だが、陽菜々やリア、真桜に至っては見た目が普通の人間じゃないので凄く目立つだろう。なので騒ぎになる前に救出する必要がある。


 本来なら元の世界に還す手筈だった剛だが、部下のリアも陽菜々の次元転移に巻き込まれているのでリアを救出するまでは協会に同行することになった。

 同様に正義の場合も、愛沙と真桜が以下同文。


 それ以外に【アルフィーニ】に召喚された勇者や一般人は全員、協会の手によって送還されたり、この世界に永住する事になった。

 ちなみに送還されて還った人達はともかく召喚された世界に永住する事になった人達がその後どうなろうが、協会は一切責任は取らないそうだ。


「───てなわけで」

「次は物質界、だね♪」

「ああ、最近は幻想界ばかりだったからな。手が空いたらゆっくり買い物でもしたいな」

「買い物、といえば隊長。デートの件、忘れてないよね?」

「う……覚えてたか………」

「時間に余裕が出来たらデートしようね♪」

「………ゎーったよ。ったく………」

 第一章での約束事を持ち出されたリオに渋々承諾したヴァン。何だかんだでリオには優しいのだ。


「……何だかなー。この倒錯感」

 剛とチャアはまだ知らないだろうけど、リオが『男の娘』だという事を知っている正義が非常に微妙な顔をした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「────はっ!?」

「? どしたの?」

「に、兄さんの身が危ない……様な気がします!」

「リオ絡みね。……つくづく小さい娘にモテるわねヴァンは」

 ティーナの第六感に呆れつつ、マロンは紅茶を啜った。




次は第二章のQ&A、です。

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