第15話 ~決戦・その4 協力~
前回の『共闘』の続きですね。協力と共闘って意味が少し似てますし。はい。
そして何とか先週までの遅れを取り戻せました。
はい、拍手~~~
「「はぁ、はぁ、はぁ……」」
魔王城の通路で争っていた佐夜&愛沙。相手は魔王軍の将軍『冷酷』。
『戦っている』ではなく『争っていた』という言い方なのには単純に相手との力量差があるからで、佐夜達は別に『冷酷』を倒す事が目的ではなく、『冷酷』の手にある水晶のような拘束具を奪取する事だ。故に『争っている』という表現が正しいかな?
そしてさっきも言ったが、『冷酷』と佐夜&愛沙の力量はかなりあり、拘束具を奪取するどころか弄ばれている状態になっている。
「ちっ、G並みにしぶとい奴等だ……(苛)」
勿論『冷酷』も本気で殺しに来てはいるものの、錬成術で一撃死を回避できる佐夜に、防御&回復に特化した愛沙のしぶとい抵抗に中々有効打を打てておらず、疲れてはいないものの、段々と苛立ってきている。
「だったら、これならどうじゃ!」
ぎゅ! バババババババババババb─────!
「やああああああああああああっっ!?」
再び真桜に電流が走り、身体がガクガクしだす。こんなの何回もされたら真桜の命が持たない!
「真桜!?」
「あ、愛沙! 余所見したら────」
「もう遅いわー!」
「っ!?」
真桜のダメージに愛沙がつい余所見をした直後、『冷酷』から首を掴まれて持ち上げられる愛沙。
「この────」
「お主は後じゃ、大人しく見とれ!」
「うわあ!?」
愛沙を助けようとした佐夜も『寒波』で吹き飛ばされて、床を転がる。
「あ……あ…………」
「ふっふっふ。このまま凍らせて砕いてくれるわ」
「あ、愛沙!」
首を掴まれてそこから凍り始める愛沙にストレス解消よろしく『冷酷』がその名の通り冷酷な笑みを浮かべて愛沙を凍らせる。
だが愛沙は愛沙で抵抗し、『冷酷』の氷結魔法を自分の首ではなく『冷酷』を掴んだ両手から足に魔法を回し、足から凍らせる事で脳の壊死への時間を遅らせる。
「さ、や……まお……を、連れ………にげ、て………!」
「そんな事出来ないよ愛沙!」
逃げる事を促す愛沙に、それは出来ないと佐夜が立ち上がろうとするが、激しく転がされた事で目が回り、上手く立てない。
「愛沙を……真桜を助けなきゃ……っく!」
何度も立とうとするが身体がいう事を聞かず、膝立ちすら出来なくなった佐夜はズリズリと匍匐前進状態で愛沙の元に行く。
だが当然その速度は遅いので、佐夜が着く頃にはもう愛沙の全身が凍ってるだろう。でも仲間が死にそうな時に何も出来ないなんて────
(もう、イングの時の様な出来事はたくさんだっ………!)
そんな仲間想いの佐夜に見かねてか、ここで意外(?)な人が割り込んで来る。
チャキ!
「いい加減、私を無視するのは止めてもらえますでしょうか?」
「っ! 何時の間に……!?」
さっきからすっかり蚊帳の外に追いやられていたリアが『冷酷』の首に槍を突き立てていた。
「お、お主……こやつらの敵ではなかったのかえ?」
「確かにこの3人の味方ではないですが、敵ではないですよ?」
「……え?」
リアの言葉に匍匐前進していた佐夜が思わず真顔で振り向く。
今まで散々この人から逃げてきたのは一体何だったのだろうか?
「だが、我らの敵である事には変わりないのだろう?」
「ええ、なのでいい加減見学するのにも飽きたので───私が相手になりましょう」
シュ─────キィン!
「ぐっ!?」
リアが『冷酷』の(愛沙を掴んでいる)手を弾き、『冷酷』が手を押さえて後ずさる。『冷酷』が愛沙を離した後、リアが半凍している愛沙を抱きかかえて佐夜の元へ飛んだ。
「どうして……」
どうして自分達を助けたのか……と佐夜は言おうとした。
確かに味方ではないと言っていたが、別に助ける義理は無い筈。
寧ろ逃げ出した分、こちらの印象は悪いと思う。
「人を助けるのに特に理由は必要ないと思いますが? それよりこの子、後は任せましたよ」
「え、あ、はい」
有無を言わさずリアは佐夜に半凍している愛沙を渡した。
「ふっ、その娘を助け出した所で我が魔王様までは助け出せm──」
「っせい!」
「ぬわぁっ!? こらぁ! せめて最後まで言わせんか!」
「………」
『冷酷』の激怒にも表情一つ変えずに槍を構えるリア。
「な、ならこれならどうじゃ! これなら迂闊に手を出せまい」
無言で槍を構えるリアに『冷酷』は真桜を縛る水晶を取り出し、三度真桜に電流を流そうと魔力を込めようとする。
「や、やめろ! やめてくれ!」
「だ、だったらそいつを引っ込めてもらおうか!」
「それも無理!」
佐夜と『冷酷』がぎゃあぎゃあと騒ぐ中、リアは『冷酷』の隙を見逃さない。
「はあっ!」
ズァ─────
「おおっと!」
すかっ!
「ふう……危ない危ない……」
「ちっ!」
一瞬の隙をついて瞬撃を仕掛けたリアだったが、流石に相手は将軍クラス。簡単にやられてはくれない。
「どうやらこの娘の狙いも『これ』らしいの?」
そういって手の上でポンポンする『冷酷』に佐夜は目を開きリアを見る。
「……人質の安否を無視するわけにもいきませんからね」
「あんた………」
バツの悪そうに言うリアに佐夜のリアに対する印象がガラッと変わった。なんだ。やっぱり良い奴じゃないか。
「ならば、今度こそ、お主らが我らに無駄な抵抗をせぬ様、目に物を見せてくれるわ!」
「ってうわぁっ!」
「今度こそっ!」
「ふっ、甘い!」
『冷酷』がまたもや水晶に魔力を込めようとして佐夜が慌て、リアが再び瞬撃で突っ込むがまたもや簡単に回避される。
ぎゅっ!
「がああああああああああああぁぁっ!!!」
「っ……!」
そして『冷酷』の反撃と言わんばかりに拘束具の水晶に魔力を込めた瞬間、またもや真桜に電流が走り、悲鳴が轟く。
「ふふふっ。良いのか? このままこの魔王様を放って置いて我に攻撃を続けても」
「貴女は……っ!」
まさに冷酷非道(?)な『冷酷』に初めて顔を歪ませるリア。
このまま手を拱いていては真桜どころか自分達もリアも危ない。
そんな状況下の中、唯一動ける佐夜とリアが回らない頭で考えているとここで予想外な事が起きた。
「……もう、終わりか。他愛もn──」
シュン────
「おぶわぁっ!?」
「────ッ、キュンッ!?」
「え? 陽菜々っ!?」
不敵な笑みで佐夜達を嘲笑う『冷酷』の頭上からどこかで見覚えのある狐っ娘が転移で現れて落下し、まさか転移で襲って来るとは思っていなかったであろう『冷酷』を押し潰した。佐夜も陽菜々の出現に驚く。
「っ! 今ですっ! はあっ!」
そして『冷酷』に大きい隙が出来るその瞬間をリアは見逃さなかった。
ズッ───────パリンッ!
一瞬だけ『冷酷』の手から浮いた拘束具の水晶を目掛けてリアが瞬撃を入れ、水晶が大きく割れた。
「あっ!」
「あああああっ!?」
「キュ?」
最初、陽菜々の出現に驚いていた佐夜が咄嗟のリアの行動に驚きと喜びが混じった声が出て、突然自分の上空に現れた謎の人物に押し潰された『冷酷』が「しまった!」とばかりに声を上げる。当の本人には何が起きているのか分かっていない様子だが。
「かはっ………」
「ま、真桜……!」
ようやく電流の拘束から解かれた真桜が佐夜の腕に落ち、慌てて介抱する佐夜。流石元・魔王のメイド(笑)、元主の心配が最優先事項らしい。
「その子の様子、どうですか?」
「何とか大丈夫みたいだ。……ありがとう」
水晶を割ったにも関わらず、未だ警戒を怠らないリアが『冷酷』に目を向けたまま佐夜に聞く。佐夜も何だかんだで助けてくれたリアに感謝する。
ちなみに後で分かった事だが、真桜は一応『魔王』なので、それなりに防御力も高いのだが、この水晶を媒体とした拘束具から発する電流の痛みは幻覚らしい。だけど、幻覚でも痛いのは痛いらしい(真桜談)
「ぐっぐぐぐ………。いい加減に退かんかっ!」
「きゅうううっ!?」
ペイっと背中に圧し掛かっている陽菜々を佐夜達の居る方へぶん投げた『冷酷』。身軽さが売りの陽菜々も悲鳴を上げつつも何とか空中で体勢を整えて無事着地する。
「陽菜々、大丈夫か? つか何でここに?」
「ユフィさんが『佐夜さんの方が大変そうだから応援に行ってあげて』って」
陽菜々がここに来た経緯を軽く佐夜に説明。
「……そっか、正直マジで助かったよ。ありがとな!」
「く~~ん!」
感謝の意を込めて陽菜々の頭を優しくナデナデする佐夜。う~ん良い光景だな。
「ちょっと貴女! 呑気に和んでないで戦えるのなら手伝ってください!」
「あ、はい。 陽菜々はこの2人(愛沙と真桜)の看病をお願いな」
「う、うん。無理しないでねっ」
陽菜々の心配そうな声に佐夜は手を振ってリアの元に着く。
「お主ら………もう許さんっ!!」
ゴオオオオオオオオオオォォォォ────────
「わっ!」
「うぷっ」
『冷酷』の怒りに反応し、周りの温度が急激に下がり、寒波が佐夜達を襲う。
「お主らを皆殺し(魔王は除く)にしてキメラの養分にしてやるわっ!」
そう言って『冷酷』の激しい攻撃が佐夜達に襲い掛かる。
「先ほど見させてもらった貴女の戦い方を参考に、私のサポートをお願いしてもよろしいですか?」
「うん。俺じゃ奴に効果的なダメージは与えられないから君の援護に回るよ!」
「……じゃ、行きますよ!」
「おう!」
『冷酷』の寒波を佐夜の錬成術で防ぎ、一度止んだ所で2人は『冷酷』へ向かって走り出した。
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あとがき(以下略)
リオ「略すな!」
ユフィ「リオ? 誰に言っているのですか?」
リオ「い、いや……ちょっと作者にね!」
ユフィ「は、はぁ………」
リオ「それにしてもさややってば男口調とボクっ子の時の口調が混じってる気がするよねー?」
ユフィ「そうなのですか?」
リオ「そうだよー。キャラがブレブレになってて、ある意味危険だね!」
ユフィ「危険て………」
リオ「このままじゃ『男の娘』としてのポジションを奪われかねないよ!」
ゼロ「激しくどうでもいいな………」
ユフィ「そ、そうですね……」
リオ「良くないよ~~!」
さて、ここまでの所、魔王軍の将軍は6人出てきました。
後、一人出てくる予定ですが、どこに出てくるでしょう?
ネタはもう考えてあるので、また次回に♪




