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『ツインソウル物語1』“そして同じ人に恋をする”  作者: 大輝
第17章《魂の課題は終わり?》
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そして同じ人に恋をする17

「そんなに汗臭いかあ?」


「どれ?あ、臭っ」


「料理したら汗かくし、食べたら汗かく」


「そしたら、またお風呂に入りなさい」


「めんどくさいなあ」


「つべこべ言わなで、シャワー浴びる。美優に嫌われるわよ」


「わかったよ」


拓真は、渋々お風呂場に行った。


2人を見てると、本当に好きな人とは結婚しない方が良いように思えてくる。


通い婚が良いか?


拓真が戻って来た。


「洸貴の分も作るからな、食べて行けよ」


「うん、ありがとう」


料理ができたようだ…中々上手く揚がっている。


とんかつにはビールか?


あ、車だった…


僕が車なので、2人も遠慮してくれた。


「おじちゃまフーフーして」


「そんなに熱くないよ」


「美優は、すーぐおじちゃまに甘えるんだから」


だから可愛いんだよ。


帰りにワインでも買って帰るかな?


あ、冷蔵庫にバドワイザーが冷えていたな。


やっぱりビールにするか。



【ボルドー】


今日は、どうしても出席しないといけないパーティーが有って、ボルドーのホテルに来ているの。


「奥様は、ご病気だと伺っていましたけど、もう宜しいんですの?」


「はい、随分良くなりました」


「それは、よろしゅうございました」


「ありがとうございます」


奥様…ここではそう呼ばれているけど…いつになっても慣れる事は無いわ。


奥様…


彼も結婚したのね…


「ゆり」


そうよ、もう、お互いに結婚しているのよ。


[足早にバルコニーに出るゆりを、夫の昭信が追う]


「待ちなさい」


【バルコニー】


「ゆり」


「…」


「こっちに帰って来たらどうだ」


「嫌です」


「そろそろ子供を作らないか」


嫌、この人の腕に抱かれるなんて嫌!


子供…


洸貴さんに子供が居た…


「お前には、美咲家の跡継ぎを産む義務が有る」


義務ですって?


この人の子供を産むぐらいなら、死んだ方がまし。


子供を産むなら、愛する人の子供が良いわ。



「来ないで」


「ゆり」


「私に、触らないで」


また、過去世の兵士が見える。


[マリアが自害した後、ローラに襲いかかる兵士の姿]


[過去世の兵士と昭信の姿が重なる]


「嫌!」


この人は、過去世で私にレイプしたのよ、こんな人の子供を産むなんて、出来るわけないわ。


「ゆり。昭信さん、ここで何をしているの?早く会場に戻りなさい」


「これは、お母様。失礼致します」


[昭信は、会場に戻って行った]


「お母様…私、離婚したい」


「お父様が許すかしら?」


「昭信さんのお父様の会社には、もう返済したのでしょう?」


「そうね、でも、離婚するとなると大変だわね」


それから母は、離婚の事を父に話してくれたんだけど、父は「離婚だと?!許さん!」と言って取り合ってくれなかったの。


離婚したい。


でも、離婚してどうするの?


洸貴さんは、もう、他の誰かと結婚しているのよ。


バカね…私。


マリアさんの今生…


マリアさんの今生が居るのかしら?


だとしたら、また彼を取られちゃう。


いいえ、洸貴さんの奥様が、今生のマリアさんかも…?


もしそうだとしたら…私の敵う相手ではないわ。



「はい、いつもの店のモンブラン」


「わっ、ありがとう。後で皆んなで食べよう」


「いつも、ありがとうございます」


今僕は、美貴のサロンに来ている。


久しぶりに、ヒプノセラピーを受ける事にしたんだ。


本当は泣くから嫌なんだけど、美貴がやってみようと言うので、仕方なく来てみた。


美貴がやると先入観で見るといけないからという事で、他のスタッフがやってくれるようだ。


「目を閉じて、ゆったりと呼吸をして下さい」


ヒプノが始まった…


母親のお腹の中まで遡り、そして、前世…それから、中世ヨーロッパ…


あのジャックだった時まで遡った。


僕は、ランスを持って馬に跨がるナイトのジャック。


「そこに、誰か居ますか?」


「シスターマリア…シスターローラも居る」


マリアさんは、僕のツインレイで、ローラさんは、ツインソウル。


ローラさんの魂は、今生のゆりさんだ。


そして、僕は、最期のシーンを見た。


敵の兵士がマリアさんに襲いかかった。


僕は彼女を庇って背中から刺されたんだ。


大男がマリアさんに乱暴しようと、倒れている僕の目の前で襲いかかった。


そして…


彼女は、身も心も清らかでありたいと、自害した。


「やっぱり、その時ローラさんも居たのね」


「居たみたいだ」


「はい、お兄ちゃん。ティシュ」


このシーンは、何度見ても泣くなあ。


「ローラさんは、その後どうなったのかしら?」


僕は、心臓の裏から刺されて死んだので、その後の事はわからないんだけど…



【プロヴァンスのゆりの家】


夫の子供を産むなんて嫌…あの人に触れられるだけで、死んでしまいたくなるの。


だって、夫は…あの人は、過去世で私をレイプしたのよ。


マリアさんに乱暴しようとして、彼女が自害した後、私に襲いかかってきた兵士。


それが、今の昭信さん…私の夫。


結婚式の日、私を無理矢理ベッドに連れて行って、覆い被さってきた…


あれは…過去世の兵士そのものだったわ。


「後継者を産め」ですって?


子供が居なければ、役員が会社を継げば良いんだわ。


「お母様。私…もうボルドーへは行きたくない」


「そうはいかないわよ。わがまま言わないで、早く仕度をなさい」


「お母様一人で行って、お願い」


「昭信さんは婿養子なのよ。彼一人に任せておくわけにはいかないの」


どうしても行かないといけないのね…


【ボルドーのホテルのチャペル】


マリア様…どうか、この苦しみから救い出して下さい。


あっ…夫が来た。


「ゆり、今日は、帰さないぞ」


「嫌、触らないで、離して!」


「早く子供を作らないと、産めなくなるぞ」


「嫌!神聖な場所を穢さないで!」


[昭信を振り払って、ゆりはチャペルを出る]


【バルコニー】


本当に、ボルドーで過ごす時間は地獄だわ。


ツインソウルの天のシナリオ…


私達のシナリオは、どうなっているの?


洸貴さん…


私の相手は、どうして貴方じゃないの…


2人は、もうずっとこのままなの?


私達の課題は終わったのかしら?




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