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008

 世界のドMとやらーー天照紅は二度の褒美(おしおき)を頂けると歓喜に身を悶えさせるだろうがーーこればかりは、本人の好みによる所があるだろう。


 けれど、美少女に野球ボールで頭部を強打されたと天照に言ったら、彼はこう言うだろう。


 ーーお前……いくら払ったんだよ、と。


 茶番ーー回想はさておき、ことの発端から解決しなければならない。


 まず、自宅に不法侵入されたことはこの際置いておこう。考えても無駄だ。

 なら、俺が解決するべき事柄は一つだけだ。


「つまり、俺はあなた様方が必死になって探してる異能力者って奴で、自分の能力は異能を無効化する力があるってことですよね?」

「えぇ、そうなんですが……。

 あなたみたいな人でも理解できるなんて思ってなかったので、呆気にとられてました」

「俺でも、それぐらい分かります!!」


 彼女の驚きが嘘でないことに無性に腹を立てていたが、ここで俺は新たな疑問にぶち当たることになる。


 ーーどうして、俺の異能は消えていないんだ?


 あぁ、そうだ。


 夕飯を彼女も家族もいない状態で作る悲しい男子高校生を拉致するのは、俺がおかしな力を持っているからに他ならないだろう。


 彼女達の組織ーーBKPの目的は異能力者から能力を消し去ることが目的なはずだ。

 そうでなければ、一人で夕食を作る悲しき男子高校生の家に不法侵入にするメリットは皆無だろう。


 そんな絶好の機会をーー目の前にいる血と鉄と硝煙を身に纏った少女は見逃すことはないだろう。


 ならば、彼女達はどうして俺の能力を消さずに、俺に対してこうも長々と自らの組織に対しての説明をしたのだろか。


 少年の拭い去れない疑問点を解決するべく、少女はまたも語りだす。


「あなたは一度ゼクスによって能力削除を行いました。ですが、あなたは異能を所持している。

 ですので、あなたには私達と一緒に能力削除をすることになります」


 笑顔で、私達に力を貸してください。


 と言ってくれた方がまだやる気も出るのだが、彼女にはそういう素晴らしい機能はないようで。


「いいですね、返事もできないんですか?」

「わ、わかりました!! 何でもやりますから、離れてください!!!!」


 動きを封じられるために胸を押し付けられるラッキースケベなイベントも、拳銃という日本には相応しくない物騒なアイテムによって幕を閉じられることとなる。

 

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