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プラスワン!  作者: とん★ちん
プラスワン!
9/13

プラス9!

千夏視点でお送り致します。

いつから私とメグが親友の間柄になったのか、そんなのはもう覚えていない。



いつのまにか友達になっていて、いつのまにか親友になっていた。



ただ、勘違いしないでほしいのは、自論として友達というものが自然にできるとは、これっぽっちも考えていないということだ。



もちろん、理由なんかなくても気がついたらもう友達になっていた、って思う人も多いだろうけど、そこにはなにかしらの因果というものが存在しているように思うのだ。



例えばだけど、進級後の新学年・クラス替えの時は、とくに友達が作りやすい環境といえるでしょ?



逆に言えば、進級してしばらくたった後は、行事・イベント・授業の班分けなどがない限りは、友達が出来にくい環境ということだ。



人間関係の構築というものは、一度出来あがってしまうとなかなか崩しにくいものだし。



それが良好な関係であれ険悪な関係であれ、またリセットされるような出来事がない限り、最初から作りなおそうと無意識に思う人はそういないはずだ。



それは、自分の価値観・考え方にもいえることだと私は思う。



一度構築されてしまった価値観や考え方は個々によって違うために、なかなか他人によって変えられるものではないのだ。



そこに自分の考え方を揺るがしかねない衝撃でもない限りは。



メグは、中学時代の経験から、自分を卑下してみるようになってしまった。



好きな相手に告白して、上手くいくいかないに関わらず、甘酸っぱい思い出で済めばよかったのに。



メグはそれによって、考え方まで変わってしまった。



私が言うのもなんだけど、メグは中学時代に一部の男子からかなり人気があったのだ。



メグはそんなことに全く気が付いてないようだったけれど。



チャラチャラしたような作られた可愛さなんかではなく。



メグが纏っている空気、作り物ではない自然な可愛さ。



メグの魅力はそこにあると私は考えている。



しかし、自分を卑下するようになってから、メグは周囲に溶け込むように地味になっていった。



メグの髪型が急に変わった時には驚いたものだった。



纏っている空気だけでなく、見た目も含めて全て悪い方に変わってしまったのである。



それでも、言葉を交わせばやっぱりメグのままで。



話していて本当に心地良いのだ。



私は別に、絶対あの時のメグにもどってほしいと思っているわけではなかった。



いくら自分を卑下するようになって、見た目が変わってしまったメグでも。



少なくとも私だけはメグの良さを知っているから。



そう思っていた矢先、ひと月ほど前にメグが家に遊びにきた。



その時は確か、2人で兄貴が置いていった対戦格闘ゲームをしていた。



私のほうは、今は就職して自立してしまった兄貴に、よくこういった対戦ゲームに付き合わされていたのでこの手のゲームは得意だったりするのだが。



まぁ、メグはこの手のゲーム、本当に苦手でね。



千夏が強すぎるんだよぉ~、っとよく愚痴をこぼされたものだ。



それじゃあ、ということで私はハンディキャップを背負うことを提案した。



腕に差がある人と闘ったりするときに、強い側と弱い側の差を少しでも埋めてくれるゲームの設定だ。



例えば、強い側と弱い側で受けるダメージが上下していたり、HPに最初から差があったりするやつね。



するとメグは、それじゃあ千夏に悪いじゃない、と言ってきた。



こういうところに、メグは本当に気を使うんだから。



公正公平じゃないとダメなんだろう。



ま、そこもメグのいいところなんだけどね。



ということで、私はハンディキャップを背負う代わりに、もしそれでもメグが負けたらなんでもひとつ言うことを聞く、ということにした。



メグはそれなら、といって了承してくれた。



で、ゲーム開始したわけだけど。



それでも私の圧勝だったね。



ということで私がメグに何をしてもらおうかなーっと考えたのだが、これといって面白そうなことがなかった。



メグは、なんでもいいよっ、と胸の前で拳を握っている。



あぁもう!かぁいいな!!



もし私が男だったらこんな可愛い子、放っておかないのだけれど。



ま、メグのこのヘアスタイルの地味さからいえば仕方ないか。



ん?ヘアスタイル?



それだっ、といって私はメグに目を瞑らせる。



私の髪留めを使って、メグの髪を私の好みそのままにいじっていった。



最後に前髪を・・・。



「・・・・・。」



私は目を瞑らせたままのメグを前にして、フリーズしてしまった。



中学時代も相当だったのだけれど、高校生になったメグの素顔はあの時のそれとは比較にならなかった。



良い意味で、すごく可愛らしく成長していた。



あ、やばい。私、女の子に目覚めちゃいそう!?



目を瞑るメグの可愛い唇を、発作的に奪いたくなる。



・・・おっと。話がそれたね。



とまぁこんな感じで、メグは髪をきちんとしてやるだけで、いつでもあの時以上の可愛さを取り戻すことができるのだ。



もちろん変われるのなら見た目だけじゃなく、自分にもっと自信をもってほしいっていうのもあるのだけれど。



悔しいけどそれは、私では無理だから。



今現在の希望としては、今井智也君。



彼に賭けるしかないだろう。



今井智也君の方もなにやら問題があるとか健ちゃんも言っていたけれど、もし2人で一緒に変われるのなら一石二鳥だとかなんとか・・・・そんなことも言ってたっけ。



そういえば昨日、メグからメールの返信が来ていたけど。



今井君の手紙、ちゃんと読んだかなぁ。



たしか、『メールありがとう、また明日学校でね』としか書いてなかったけど、あのメグのことだ。



読むまでに相当時間を要したに違いないし。



あーもう!心配だなぁ!



それとも私が過保護すぎるのだろうか。



ま、これが私だから、しょうがない。



学校についたら、また洗いざらい聞いてやる~とか思って、今日もワクワクしながら学校へ向かったのだが。



なにやら校内の様子がおかしい。



2-Dのクラスか。どうやらあそこに異常な人だかりが出来ている。



な、なんだこれは。



さわいでいるのはほとんどが男子で、ちらほら女子の姿も見える。



すると背後から聞き覚えのある声がした。



「やっちまった・・・。」



「え?」



そこに立っていたのは、今井君だった。



こっちは何が起きているのかさっぱりわからない。



「ねぇ、どういうこと?朝からなんの騒ぎなの?美人転校生でもやってきたとか?」



冗談のつもりだった。ほんと、適当に聞いたにすぎなかったのだけれど。



「みんなからすればそんなものだよ。ほんと、バカなことを書いたもんだ。すごいうれしいはずなのに、同じくらい後悔してる自分がいるよ。」



そう言って彼はため息をつく。



だめだ、今井君に聞いても状況がさっぱりわからない。



ひとまず2-Dは私のクラスでもある。この人だかりをかき分けて入る権利はあるはずだ。



「はいはいー、ちょっとごめんよー、邪魔だからどいてー」



そういって私は人混みをかき分け、2-Dに入った。



「メグー、おは・・・」



入って、そして私は絶句する。



いつも同じ、地味な髪型だったメグ。



そのメグの席に座っているのは、どうやら顔を真っ赤にしているメグだ。



クラスメイトもみんなメグをみている。



うん、たしかにメグ、なのだけれど。



メグは私が貸していた、あの罰ゲームのときの髪留めを使っていて。



前髪もいつもの一直線なんかではなく。



非常に女の子らしい、ナチュラルな可愛さを溢れさせていた。



なぜメグがあの地味だった髪型を止めたのか、理由はしらない。



大方、今井君に聞けばわかりそうなものなのだろうけれど。



今はそんなことより。



たった今、この瞬間。



今日、ここにいる全員が。



そして学校中の生徒が、メグの本当の可愛さに気付いたんだ。



to be continued.

メグさん、どんだけ可愛いんだよってお話。


ただよいしょするのも飽きてきたので、そろそろラブラブしていただこうかなと思っt(ry


次回は工藤先輩にもちょろっと登場していただくとします。

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