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プラスワン!  作者: とん★ちん
プラスツー!
13/13

プラス13!

長らくお待たせしました。

司が転校してきました。


なにやら波乱の予感・・・。

修羅場というのを経験したことがあるだろうか?



もちろん私はなかったけどねぇ。



産まれてきて今まで、複数の男性に囲まれるような状況なんて想像するほうが難しいような環境で生きてきたわけだし。



でも、なんでしょう。



環境って、いとも簡単に変わるものなんですね。



私は現在進行形でいわゆる修羅場?にいるようです…。



司君転校初日。



昼休み、彼は初日にもかかわらず私の教室にいきなりやってきて、私の前の席に座るクラスメイトを押しのけ、一緒に飯くおーっと言ってきた。



クラスメイトの視線が私達に集中する。



まわりの沈黙が痛い…。



は?!周りが黙っているのは私が原因か?!



何か言わなくてはと思っていると、教室の扉が勢いよく開き、一人の男子がツカツカと入ってきた。



今井君だった。



そして私の前に司君、横に今井君が座り、黙って食事をするという奇妙極まりない光景がそこにはあった。



あの時私が何を食べたのか…思い出すことはできない…。



なぜか千夏が一番面白そうにしていたのが気になった。



転校2日目。



昼休み、私は前日のことを踏まえて教室を早々に抜け出した。



同じ過ちは二度と起こさないためにね!



ひとまず学食に向かう。



昨日食べたものが何だかわからないのは食べ物にも失礼でしょう?



今日は食べたいものを食べるとしよう!



そう思って食券を買う列に並ぶと、ずいぶん前の方に今井君がいた。



声をかけられそうにない距離にいたので、話しかけるのを諦めて自分の番がくるのを待っていると、遥か後ろから私を呼ぶ声がするじゃないか。



…司君だった。



結局それを聞きつけた今井君も合流し、私の左右に二人が座るという奇妙すぎる光景がそこにはあった。



そして転校3日目。



周りの注目を浴びることに疲れ切っていること大だった私は、昼休みがくると何も言わずに屋上へ向かった。



あそこなら2人と会うという状況を想像するほうが難しい。



屋上の扉を開いた私の目には誰もいないはずの空間が広がっていた。



いたのだが。



屋上で菓子パンをかじること数分。



なぜか2人ともやってきた…。



つけられているのか私!?



不審すぎる2人の登場に私は思わず何故ここにいることがわかったのか尋ねた。



司君の答えー。



「姉ちゃんに教えてもらったー。」



今井君の答えー。



「…工藤先輩からメールがきたから…。」



…楓さん…。



そんなこんなで私の心が休まる日はなかったのである。





そして、司君転校4日目の放課後。



私の苦い思い出ランキング第1位をなんなく更新する出来事があまりにも唐突に起きた。



あらかじめいっておくけれど、司君に振られたことや最速振られ女のあだ名だって、私にとっては相当苦い経験だった。



しかしこの日の経験だけは、私が金輪際二度と経験したくはない恐怖体験だったのだ。






それは、一通の手紙から始まった。




「一ノ瀬愛美さんへ、ね…。」



私の机の中に、差出人不明の封筒。



前も似たようなことなかったっけ…。



いやまぁ、あれは今井君からの手紙だとはっきりわかる普通の封筒だったけれど。



…中身がないのを除けばね。



しかし今回は差出人が誰だかわからない。



とりあえず開けてみようかな。



この間のことがあったからなのか、そのとき手紙を開けることになんの躊躇いもなかったのだ。



封筒の中身は…うん、ちゃんと入ってる。



我ながら何を確認してるんだと苦笑いしつつ、私は教室でその封筒の中身を開けてしまった。



後悔先に立たず、なんて言葉を考えた人…あなたは天才だ。



あるいは私がバカだった。



封筒の中身は写真が数枚と、殴り書きのような手紙が一枚。



写真には…。



「―――メグ!!!」



私は千夏に叫ばれるまで、何が起きているのか理解できなかった。



写真には、私が余すところなく、もれなく全裸で写っている。



正確には、私自身なのは顔だけで、身体はなんというか、AV女優の全裸写真を私の顔だけ組み合わせたようなコラ画像の写真だった。



それが数枚私の机に散乱し、それに気がついた千夏が隠すように写真をかき集めていた。



なんだろう…コレ。



コレは…なに?



気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。



「メグ!しっかりして!…なに見てんだよ男子!!」



興味本位で写真を覗きに来た男子数名を、千夏が追い払う。



いやだイヤだ嫌だ。



吐き気がする…。



私はその場にうずくまってしまった。







「愛美さん、落ち着いたかしら?」



千夏の助けを借りてなんとか保健室にたどり着いた私は、千夏に事情を説明してもらい、保健室のベッドに横になっていた。



私は黙って頷いたものの、いまだに吐き気が止まらない気がしていた。



なんだったんだろう、あの写真…。



一体誰が。



なんのために?



「メグ、大丈夫?・・・って大丈夫なわけないか。」



千夏が罰の悪そうな顔で覗き込んできた。



「ありがとう…平気だから。」



なんて言ってみたけれど、正直思った以上にショックを受けていた。



写真を送りつけてきた主の目的が私に精神攻撃をする事が目当てなのだとしたら、それはまんまと成功している。



やってくれるなぁ…。



「なんかしたのかな…私。」



「そんなこと…!」



千夏はそうやって庇ってくれるけど、もしかしたら私のせいで誰かが傷つき、苦しんでいたのかもしれない。思い当たることと言えば今井君とのことくらいだけど…。



例えば、誰かが今井君のことが好きだとしよう。好きな人が自分ではない誰かと一緒にご飯を食べたり,図書館で一緒に勉強をしていたり,要は仲良くしていたとしたら。



それはやっぱり、少しは嫉妬してしまうでしょ。



「でもそれは、仕方ないことだよ。メグは悪くないよ!」



「うん…。」



「誰も彼もが好きな人と上手くいく世界なんて存在しないの。誰かが選ばれたら、誰かが選ばれなかったってことなの。それはどうしようもないことだし、もしメグの言う通りだったとしても、メグから言えることはなにもない。何もないのよ…。」







私は送ってくと聞かない千夏をなんとか帰らせ、独り昇降口に来ていた。



千夏には気がつかれないようにしていたけど、さっきの封筒に入っていたのは写真だけじゃない。



そう、手紙だ。



乱暴に殴り書きしたような。



「千夏に見られる訳にはいかなかったもんね・・・。」



私はポケットからそっと手紙を取り出すと、内容を確認するべくもう一度開いてみた。



「一ノ瀬、呼び出し?」



「ひゃうっ」



余りに突然声をかけられたのでなんとも情けない声が出てしまった・・・。



目の前には今井君が立っていた。



「な、なんでもない、なんでもないから!」



そう言って私は身体の後ろに手紙を隠したのだが。



「1人で体育倉庫にこい、ねぇ。ベタすぎてわらっちまうな。」



「わわっ」



そういって後ろに隠していた手紙をひょいっと取り上げたのは司君。



「2人とも・・・なにして」



「決まってんだろ!メグを守りに来たんだよ!」



同意するように黙って頷く今井君。



「今井とはライバルだが今回は協力を仰いだんだ。確実にメグを守るためにはこれくらいしないとな。」



と司君。



「そういうこと。俺らにとっても許せないことなんだよ、今回のことは。」



と今井君。



ちょっとまった。



違うクラスのこの2人がなぜ今日のことを知ってるの!



まぁ答えは決まってるようなものだけど。



「千夏ちゃんに聞いたぞ!」

「千夏さんが連絡くれた。」



千夏め・・・。



ほんとにお節介なんだから。



でも、確かにこれほど心強い人達は、他にいないかもしれない。



今日は、甘えておくとしよっか。



「じゃ、じゃあよろしくたのもうかなっ」



「まかせろ姫!」



ばこっ、と今井君が司君の頭を殴った音が廊下に響いていた。



to be continued.

短い内容で申し訳ありません。

2人のナイトは姫を守れるのか(爆)

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